断食中、これはOK?それともNG?
2017年06月01日付 Hurriyet 紙


ラマザン月が始まりました。断食中の方々はどんな状況で断食違反になってしまうか心配があることでしょう。さて、いったいどのような場合や状況で断食違反になってしまうのでしょうか?

■うっかり忘れて飲食したら断食違反?

 忘れていてうっかり飲食をしてしまっても断食違反にはなりません。忘れていて飲食をしてしまった人は、思い出したらすぐに口の中のものを吐き出して口をゆすぎ、断食を続けます。断食中なのを思い出してからも飲食を続けたら断食違反です。

■歯みがきは断食違反?

 歯みがきは断食違反ではありません。しかし、歯みがき粉や水を飲みこんでしまったら断食違反になり、その日の分をおって断食する必要があります。

■嘔吐したら断食違反?

 思わず嘔吐しても断食違反ではありません。ただ、自分で意図的に起こした嘔吐は、「口いっぱい」の場合、断食違反になります。

■喘息用スプレーを使うのは断食違反?

 肺疾患に使われるスプレーは、1回の使用で20分の1ミリリットルほどのごくわずかな量が口に入るだけです。そのほとんどは口や気管の壁に吸収されてなくなります。残りが唾液とともに胃に達するという点については、科学的に証明されていません。

■目薬を使うのは断食違反?

 眼科専門医らの話では、点眼される薬は量としては非常にわずか(1ミリリットルの20分の1、50マイクロリットル)で、一部はまばたきで体外に出ます。また、一部は目や、目と鼻腔の間の管や粘膜上の毛穴の道から吸収されて体内に取り込まれます。1滴のうち、ほぼゼロともいえるごく微量が消化器官に達する可能性はありますが、上記のような情報と一緒に判断するなら、点眼は断食違反にはなりません。

■点鼻薬を使うのは断食違反?

 治療目的で鼻へ吹き付ける薬1滴は、おおよそ0.06立方センチメートル程度です。一部は鼻の壁に吸収されて、ごくわずかな一部は胃に達しますが、宗教上の清めで口をすすぐといった許容される部類に入るといえるので、断食違反にはなりません。

■心臓病の薬を飲むのは断食違反?

 一部の心臓病の錠剤は、直接口の中で吸収されて血液と混ざり、心臓発作を予防します。口の中で吸収されて無くなってしまうので胃にはまったく達しません。ですから、心臓病の薬を飲むのは断食違反にはなりません。

■毎日錠剤を飲まなければいけない患者は、断食しなければいけないの?

 病気は、ラマダン中に断食しなくてもよい事由の一つです。断食したら病気になってしまうという場合やすでに病気の人の病気の悪化するような医学あるいは経験上の知見がある場合は、断食はしなくてもいいのです。病気が良くなったら、食事をした日数分だけおって断食する必要があります。

■注射や、患者への血清投与や輸血は断食違反?

 注射が断食違反になるかどうかは、その目的によって変わります。注射は、痛みを和らげる、治療をする、身体の抵抗力を高める、栄養を与えるなどの目的でされています。栄養や快楽を与えるものではない注射は、飲食にあたらないため断食違反になりません。しかし、栄養や、あるいは快楽を与える注射は断食違反になります。患者に血清を投与したり輸血したりするのも同じです。

■透析は断食違反?

 腎不全の患者に行われる透析には、腹膜透析、血液透析の2種類あります。腹膜透析は、腹腔に特殊な薬品を注入することで、患者自身の腹膜を利用して血液中の有害な物質を浄化し、体液のバランスを取ろうとする手法です。血液透析は、機器を使って体外で血液を浄化して、体内に戻す手法です。血液は、注射器で患者の腕から出します。
 血液透析の機器は、透析器と呼ばれるフィルターに血液を通し続けて、有害な物質と余分な水分をろ過します。ろ過されたきれいな血液は、2つ目の注射器で患者の身体に戻ります。この手法を行う際に、時おり、栄養分を含んだ液体を投与する必要があります。
 こうしたことから、患者に液体を一切投与せずに行える血液透析では断食違反になりません。その他の透析方法では、身体に栄養分を含んだ液体を投与するので断食違反になります。

■断食中の人に鍼治療は出来る?

 鍼治療とは、身体の特定の部位に鍼を刺して、様々な病気を治療する方法です。鍼治療を行った場合は、身体が栄養分を取る訳ではないので断食違反にはなりません。

■断食中の人への歯科治療は断食違反?

 断食中の人に、麻酔を用いて、あるいは用いないで歯科治療をしたり、または歯を抜いたりするのは断食違反になりません。ただ治療中に、血や治療に使う物質を飲み込むと断食違反になります。

■軟膏や膏薬を使うのは断食違反?

 皮膚上の毛穴や毛細血管から身体に染み込むオイルや軟膏、それに類似したものは、吸収されて血液と混ざります。ただ、この皮膚からの吸収は非常にわずかでゆっくりしたものです。別の言い方をすれば、飲食に相当しません。そうしたことから、皮膚上に染み込んだ軟膏や、貼り付けた膏薬は断食違反ではありません。

■生検をするのは断食違反?

 分析のために身体の組織の一部を採取する(生検)のは、断食違反になりません。

■採血は断食違反?

 採血は断食違反になりません。

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( 翻訳者:貝瀬雅典 )
( 記事ID:42753 )