「看板にアラビア語不許可」裁判、一審敗訴
2017年11月11日付 Hurriyet紙


2016年、イスタンブルのファーティフ区は、ユスフパシャにあるレストランの看板にアルファベットのみ使用するよう通告した。アラビア語表記の看板の変更を望まないファストフードレストランのオーナー、モハメド・ニザル・ビタル氏は、区に対して訴訟を起こした。

 2011年、シリア人実業家、モハメド・ニザル・ビタル氏は、イスタンブルでアラブ人向けのシリア・オスマン料理のレストランを設立するため準備をしていた。初めにタクシムに出店したビタル氏は、アラビア語で「トルコ帽」を意味する「タルブシュ」とレストランに名付けた。
 ビタル氏は、レストランのロゴと名前をトルコ特許協会へ届け出て商標登録し、その後ファーティフ区のユスフパシャに新しい支店を開いた。レストランの看板にはトルコ語とアラビア語で「タルブシュ、シリア・オスマン料理」と書かれた。時が過ぎ事業がうまく行ったビタル氏は、トルコ各地でレストランを9店に増やし、トルコ国外に3店、同じ名前のレストランを開いた。

■規定の整備

 近年、ファーティフ区で多くのシリアレストランが開店し、新しいレストランでアルファベット以外の文字が使用されていることを受けて、ファーティフ区は昨年、地区環境保護委員会の決定に基づいた「新看板規定」の適用を始めた。この適用においては看板にアルファベットのみが許可される。
 区の通告を受けて、看板を変更しアラビア文字を廃止し、代わりにアルファベットにしたシリアレストランもある。しかしシリア人のモハメド・ニザル・ビタル氏は、看板のアラビア文字の廃止を望まず、訴訟を起こした。
 トルコにファストフード店9店を持つビタル氏は、2016年12月12日イスタンブル第四地方行政裁判所へ訴え、規定の遂行停止と、手続きの無効を要求し訴訟を起こした。原告の請願書では看板への適用に関して世界各地の例が挙げられており、「サウジアラビアではトルコ人が多いため、アルファベットのトルコ語の看板がある。これと逆の状況は、普遍的な人権の原則に反する」と述べられた。請願書では同時に、看板の変更が商売に深刻な打撃を与えるとされている。

■関係省庁とイスタンブル市

 一方、被告であるファーティフ区は、裁判所へ提出した文書において、裁判の当事者はファーティフ区ではなく地区環境保護委員会であること、ゆえに問題の訴訟は文化観光省に対して行われる必要があると主張した。ファーティフ区は、裁判で、地区環境保護委員会の2016年4月5日付の1496号の決定の廃止が求められているとし、訴訟方法および原則の観点からこの裁判は無効であると主張した。このため、裁判所は文化観光省を被告に加えた。しかし文化観光省は、法務局を通じて4月4日に裁判所へ文書を提出し、ファーティフ区による事業者への通告で定められたアルファベットの使用は地区環境保護委員会の決定と無関係であること、ファーティフ区によって設けられた「新看板規定」は委員会の決定にそって行われてはいるが、問題の決定は地区環境保護委員会の許可を得たものではなかったと主張した。

 告訴を精査した裁判所は、2016年5月9日の仮判決で、シリア人実業家の遂行停止の要求を棄却した。シリア人実業家モハメド・ニザル・ビタル氏は、適用の廃止のための裁判が続いていると話し、次のように述べた。「会社名とロゴを商標登録した。現在トルコに9つの支店があった。国外には3つの支店がある。4年前ユスフパシャにレストランを開いた。レストランにアラビア語の看板を下げた最初の会社だった。そのときは、私たちに誰も何も言わなかった。」

■アラビア語をやめると70%業績が下がる

 看板のアラビア語を撤去することは、客を失うことになると請願書で述べたビタル氏は、次のように話した。「通告を受けて、シリア人の営むレストランの一部は看板を変えた。しかし、深刻な割合で客を失った。ほとんどのアラブ人は、トルコ語を知らない。アラビア文字の看板をやめると、客の70%を失う。だから、看板には必ずアラビア語がなくてはならない。それで私は訴訟を起こした。サウジアラビアやドイツのトルコレストランでは、トルコ語で看板が書かれており、誰もこれに口出ししない。トルコ人がドイツへ行くと、看板にトルコ語が書いてあるレストランでの食事を望んでいる。同じことをアラブ人も望んでいる。」

■「地区環境保護委員会の許可を得てなされた作業ではない」

 裁判の被告は保護委員会であるとのファーティフ区の主張を受けて、文化観光省法務局は4月4日付で裁判所へ文書を提出した。その文書で、被告はファーティフ区であるとし、次のように述べた。「原告の請願書にあるファーティフ区が事業者へ出した通告で定められたアルファベットの使用という裁判の主題は、委員会の決定と無関係である。請願書の補遺にある「新看板規定」というテキストという告訴内容は、委員会の決定に基づき制作されたと認められるものの、この作業は、委員会へ報告され許可を得た作業でない。これは、ファーティフ区によって関連会社のオーナーへの通告により通知された文書である。」

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(翻訳者:甲斐さゆみ)
(記事ID:43750)