トルコ中央銀行、インフレ予測を上方修正
2018年07月30日付 Hurriyet 紙


トルコ中央銀行(TCMB)は、2018年年末に関するインフレーションの予測をトルコリラ(TL)における下落と食品価格の高騰が原因で5ポイント上昇し13.4%に引き上げた一方、中央銀行総裁ムラト・チェティンカヤ氏はインフレーションが予測から大きな乖離がある場合「ためらうことなく」金融引き締めを行うと約束した。

経済アナリスト達は、TCMBがより上方修正をしてさらに実際に近い年末インフレーションの予測を行い、長い間乖離してきた市場の予測に近づけたと述べる一方、TCMBは経済政策との調和に注力していると言う。

TCMBは、今年の第3四半期インフレーションレポートにおいて、今年と来年末に対するインフレーション予測を4月のレポートと比べると前から順に5ポイントと、2.8ポイント上方修正をした。

これによると、インフレーションは2018年末には70%の確率で12.5%と14.3%の平均値13.4%と推測された。4月のレポートでは年末は7.2%と9.6%の平均値8.4%と予測されていた。

第3四半期のインフレーションレポートにおいて、2020年末についての予測も掲載された。以前のレポートは当該年と翌年についての予測が掲載されていた。これによると、インフレーションは2020年末には4.8%と8.6%の平均値6.7%と予測された。

TCMBの総裁、ムラト・チェティンカヤ氏は、2018年末に関する5ポイントの上方修正が石油価格と、為替相場の変動に伴いトルコリラでの輸入価格が想定を上回ったことが理由だと述べる。その一方、この修正で化石燃料を除くエネルギー資源の価格における石油と為替コストの影響も含まれると話した。

レポートでは、食品価格の予測が2018年に関して前年のレポートでの7%から13%に、2019年については7%から10%に更新された。

一方で、石油価格の予測は2018年に関して前年のレポートでの68ドルから73ドルへ、2019年については65ドルから73ドルに変更された。

ING銀行トップエコノミスであるトムハムメト・メルジャン氏は、「TCMBは、インフレーションの予測を引き上げ、市場の予測との差を縮めた。チェティンカヤ氏も、慎重な姿勢を貫いている。TCMBがディスインフレーションの過程において経済政策に非常に重点を置いていたと考えられており、選挙前の失望をもたらした一連の法案の後、新たな中期プラン(OVP)(おそらく8月終わりか9月頭に発表される)が市場にとって重要になるだろう。」と述べた。

ロイターのアンケートで今年の年末のインフレーション予測の平均は14%と上昇したようだ。

チェティンカヤ氏は、インフレーション予測が前レポートと比べてなぜ市場の予測に近づいたのか、この傾向は次四半期も続くのかに関する新聞記者たち質問に対し、「このレポートにおいて、私たちの予測が市場の予測にあと少し近かったらよかったのに。レポートでの修正のうちの一つはリスク部門である。この部門は重点的に調査したら次四半期でもインフレーションレポートの構成要素となる可能性があるだろう。すべての危険因子はあらゆる方向から金融政策における決定に、インフレーションの様相に影響を与えることを、そしてこの点でどんな反応を私たちがするのかをここで共有している。」と答えた。

■ためらうことなく金融引き締めを。

チェティンカヤ氏は、新聞記者たちの質問に関して、最新のPPK(金融政策委員会)の議事録にもあるように必要であれば、追加の金融引き締めをすることにためらいはないと話した。

彼は、「どんな理由であれあなたたちと共有したインフレーションの予測からは明らかにかけ離れた結論が委員会で採られるなら、必要な対策を講じる。これに対し追加の金融引き締め政策が必要であればこれが実施される。」と話し、以下のように続けた。

「そもそも最終決定では私たちの中期的姿勢に関して、話をより明確にした。長い間、金融政策は引き締めの状態が続くことに言及した。追加の引き締め政策は必要な時にはためらいなく実行する。」

■経済金融政策は調整の必要性

チェティンカヤ氏は、会議におけるスピーチの質疑応答で金融政策への経済政策からの支援も重視した。

「経済政策の調和は、目前のディスインフレーションプロセスの重要な構成要素の一つである。ここで調整と将来的な貢献をフォローしていることになる。」と話すチェティンカヤ氏は以下のように続ける。

「私たちはまず、経済政策と金融政策の調和はマクロバランスを維持し、適度なバランスを保つ政策の調役役として考えている。短期で何ができるか、消費と奨励の活用が考えられる。これが最終的に予算へ反映されるのである。」

チェティンカヤ氏は、コントロール下の価格に関してインフレーションの進行において価格安定を求める政策がすでに実施されていることも述べた。そして「これらの予算尺度が注視され、インフレーション尺度にも適するように適用するのを期待している。この点で意思があると考えている。もちろん重要な点は中長期な面で税の設置がインフレーションの不安定さを減らすためになされることである。また公共の支出において活動が活発になり、その点で調和がもたらされることである。ここが新たな中期プランの利点となると考えている。」と話した。

TCMBの最終決定に関して、そして独自の決定をとるのか否かに関する懸念についての新聞記者たちの質問に対し、彼は以下のように答えた。

「PPKは、金融政策に関する決定をまさにインフレーションの様相を考慮しながら下している。TCMBには法上で決められた明確な目標と方法の独立性がある。TCMBは社会福祉に貢献するために価格の安定を保つ目的で必要な政策を必要な時に、独自の枠組みで実施し、これからも実施し続けるだろう。」

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( 翻訳者:西山みなみ )
( 記事ID:45153 )