バレエ『三銃士』がイスタンブルで開幕
2018年12月01日付 Cumhuriyet 紙


スュレイヤ・オペラ劇場で昨夜初日を迎えたバレエ『三銃士』の今月のチケットは1分半で完売した。振付家のヴォルカン・エルソイは「バレエに対する観客の関心は高い」と話す。

2010年にアンカラ国立オペラ・バレエにより上演されたバレエ『三銃士』は、昨日イスタンブル国立オペラ・バレエによりスュレイヤ・オペラ劇場で初日を迎えた。アルマーン・ダヴラン氏と共同で作品を制作したヴォルカン・エルソイ氏は、「制作のパートナーにはそれほど頻繁に巡りあえるものではない。二人の画家が一つの絵を描くようなものだ。『三銃士』がイスタンブルのようなブランド力のある街で上演されることは、我々にとって非常に重要なことだ。この場所で観客の皆さんにお会いできることにとてもワクワクしている」と語る。エルソイ氏は、国立オペラ・バレエ総局のバレエ部門のチーフ・コレオグラファーでもある。『三銃士』に高い関心が寄せられ、観客が不平を言うほどチケットが入手困難になっていることについて「もっと上演できる場が必要だ。上演の可能性が高ければ高いほど、その芸術分野は成長できる」と話す。

エルソイ氏とダヴラン氏は、2013年ドニゼッティ・クラシック音楽賞「振付・バレエ作品最優秀賞」をバレエ『ムラト5世』で受賞した。エルソイ氏は『三銃士』について、「我々にとって、共同で制作した最初の作品は特別な存在だ」と話し、「2010年と今回のプロダクションに違いはありますか」との質問に対し「時代は進み、我々も進歩している。イスタンブルバージョンで最も違うのは舞台装置だ。振付について言えば、イスタンブル・バレエ団のアーティストたちはテクニカルな土台がとてもしっかりしている。さらに原作のアレクサンドル・デュマではなく我々独自の脚本を観ることになるだろう。」

イスタンブルの芸術家といえば、近頃、雇用の門戸が開かれていないために「日雇い」で芸術家たちが働いていることについて批判されているが、それについて尋ねると、エルソイ氏は次のように答えた。
「私はそれについては何も言えない。私は振付家であって、イスタンブルで働いているわけではなく当事者ではない。詳しい事情も知らない。ただ我々の組織ではたしかに「日雇い」と呼ばれる、ゲストアーティスト契約で働いているアーティストたちがいる。イスタンブルだけでなく、トルコのどこにでもこうした形態で働いているアーティストが存在する。」

■目の前に障害はない

エルソイ氏は、観客の高い関心について語り、上演会場の問題が起きているかどうかについて「スュレイヤ・オペラ劇場が扉を開いてくれた。とても洗練されていて素晴らしい建築物だ。現在、新しいAKM(アタテュルク文化センター)が建設中だ。もちろん大型の舞台、大型のオペラ劇場、大型の施設は、こうした(大型の)ジャンルの道をより開くだろう。しかし我々は決して浸食されない。我々は作品を同じクオリティ、同じ規模で上演しようと努めている。前総局長のムラト・カラハンが芸術監督を務めた『トロイヤ』という作品がそのよい例だ。とても大規模なプロダクションだ。我々は前進しつづけており、障害はない。」

ヴォルカン・エルソイ氏は、予算について「もっと多くてもノーと言わないだろう。芸術分野の予算は公開されている。時に資金難に陥ることもある。世界的にそうだ。全てを国に期待してはならない。スポンサーが必要である」と話す。

■『三銃士』について

エルソイ氏は作品について次のように語る。「この作品が観客の心を躍らせ夢中にさせることができるのは、禁じられたラブストーリーとアクションシーンがあるからだ。2010年にはフェンシングのコーチをつけて危険な練習を行い、稽古では負傷者さえ出た。ケガをしかねないようなシリアスなシーンがあり、喧嘩のシーンは10分続く。舞台で言葉が話される数少ない(バレエ)作品の一つであるといえる。」

■「私の責務」

25年のキャリアを迎えるエルソイ氏は、トルコへ借りがあると語り「私は小学2年生でこの仕事を始めた。蝶のように命の短い職業だ。身体を非常に消耗する。私は現役を引退した後、隅に退くのではなく、人々を芸術で教育すること、それをバレエのような難しい芸術のジャンルで実現することが私の仕事と感じている。」

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( 翻訳者:篁 日向子 )
( 記事ID:45846 )