トランプ暴走、シリア問題でトルコと対立
2019年01月15日付 Cumhuriyet紙


トランプ米大統領はもはや驚きに値しないトランプ主義を発揮し、アンカラへの経済的な威嚇、制裁に言及した。ブランソン牧師問題で使った同様の手口は、今回シリアについてYPG(人民防衛隊)に焦点を当てた。

米政権内で民間人から軍に関することまで見解の相違が出ているシリアからの撤退問題は、トランプ大統領の頭痛のひとつである。トランプ大統領は、選挙キャンペーン期間以来、これまで「我々はここに何の用があるのか」と語り、大統領の椅子に座っておよそ2年が経過したが、もはや現状や、取り巻きのネオコン、タカ派の支持層がこれ(撤退)を無条件で認めないことに気付いている。昨年末、「我々は中東の憲兵ではない」と語って宣言した撤退は、数日以内でイラン、イスラム国(IŞİD)との戦いを強調し、「期日を定めない条件付き撤退」へと進化した。YPGとの長期の協力を鑑み、自政権内においても、「かれら(YPG)を売る」撤退について、「かれらもイランへ石油を売っている」というようなことを言い始めた。つまり、シリアで2-4千人の軍事力をもっていると考えられる米国は、今のところ撤退ルートをシリアから隣国のイラク、特に在クルディスタン地域政府の基地への追加配備へと転じている。加えて、トランプ米大統領からシリアでYPGを排除しない一方、アンカラに対しては、「サイコロを振る」方法で「安全地帯」を建設することを明らかにした。

トランプ政権のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)による、アンカラがテロ組織とみているYPGに向けたトルコ国軍の想定される軍事作戦に対する反対の態度は、先週緊張を高めた。イスラエルとの深い同盟に加え、イランに対し強硬派であるボルトン補佐官とポンペオ米国務長官らはトランプ米大統領のお気に入りだ。トランプ米大統領は、NATO同盟であるトルコに対し「経済戦争」(を仕掛ける)と威嚇し、ボルトン米補佐官の机に重いアンカラファイルを置いたことを示している。

■不可欠なリヤド

一方、トランプ米大統領の威嚇は、ポンペオ米国務長官の中東歴訪の中でサルマンサウジアラビア皇太子との会談も含むサウジ首脳との折衝が同時期であったことも注目された。ワシントンは、カシュクチュ(カショギ)殺害事件を防衛産業における好機とみなし、イランに対抗する強いスンニ派の軸をつくる政策においてリヤドが不可欠であるとのメーセッジを繰り返している。トランプ大統領は、アンカラのロシアとイランとの穏やかな関係を標的にしている可能性がある。トランプ大統領はブランソン牧師問題を米国での中間選挙前に利用したが、この最新の攻撃がトルコでの地方選挙の雰囲気(に影響を与えること)にも注意することは大事だ。トルコの政治風土において、このことで誰が/誰らが得をするか、それはまた別の議論である…。

■イドリブ緊張

さて、トランプ大統領がTwitterで発言を続けている中、シリアでは何が起きているのだろうか…。 ジハード主義者の(流入阻止の)壁となっているトルコ国境沿いのイドリブ県で戦火が広がっている。ロシアとのイドリブにおける非武装地域建設合意が履行されていないこと、ヌスラ戦線に属するタハリール・アル=シャーム(HTŞ)がフィールドで優位にあることは、アンカラが約束した範囲内で、モスクワに対するカードを弱めている。イドリブは、軍用陣地のあるトルコにとって、底なしのリスクをもたらしている。トルコは、YPGに対する特にマンビジュとユーフラテス川東部での軍事作戦の可能性に言及した時つつ、マンビジュでのYPGの拠点をシリア軍に明け渡すよう交渉を続けている。一方、ロシア軍はマンビジュでの巡回を再開すると宣言している。ワシントンがダマスカスとYPGの連携にどの程度満足するかというのは別の次元の問題となる。当然、ダマスカスは、ロシア同様にイランとも親しい同盟国だ。ワシントンとモスクワが「シリアのクルド人」との用語を用いてYPG戦線に対し、あからさまにあるいは間接的に後ろ盾となる一方、アンカラがYPGをテロ組織と呼ぶことに国際社会で支持を得ることは困難となっている。
トランプ大統領はツイートで周辺を煙に巻いている…。誰が知っているのか、もしかしたら私たちは再び思い知らされた。戦略によって、「まず危機が起き、その後親友となる」。アンカラは、もう一度、シリアの異なる地域において異なるアクターによるバランスを取ろうと努力している。ダマスカスを除き、シリアのクルド人とYPGを除いた連携の方向でのロードマップを見つけられない政治は、トルコがトランプ米大統領が投稿した挑発的なツイートや、プーチンロシア大統領の間接的な警告で「不安要素」となる危険が続くことになる。

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(翻訳者:岸田圭司)
(記事ID:46109)