ネトフリ:トルコ国産第三弾Netflixドラマ『Love 101』シリーズは期待に応える作品なのか?
2019年06月21日付 Milliyet 紙


『DARK ダーク』や『ザ・レイン』などの作品が人気を集めているこの時代にトルコのドラマ界は未だにホームドラマで気勢を上げるということには全く驚いてしまう。もう私たちはホームドラマには飽きてしまってはいないだろうか?もっと面白いことに出会うことは私たちには出来ないのだろうか?新作ドラマ『Love 101』は恐らく、この「ホームドラマ」の強迫観念から私たちを解き放ってくれるだろう・・・


■5人の高校生の物語

Netflixの第三作となるオリジナルのトルコドラマである『Love 101』の撮影は6月26日にイスタンブルでスタートする。このドラマは90年代が舞台だ。

日々を必死に駆け抜けていく5人の高校生の物語を視聴者は見届ける。

ホームドラマにすっかり飽きてしまったこの時代に、あるドラマにおいて若者たちの物語に場所が与えられしかもそれが90年代の物語というのは喜ばしいことである。

■メルト・ヤズジュオール、クビライ・アカ、アリナ・ボズが登場

ドラマのキャスト陣に目を向ければ、否が応にも期待は盛り上がってくる。主要キャストにはその時に最も人気を博した作品群で演じた人物たちが名を連ねている。

『一リットルの涙』からはメルト・ヤズジュオール、『チュクル』で旋風を巻き起こしたクビライ・アカ、『私の手を離さないで』でも役を演じたアリナ・ボズもいる・・・

これらの俳優に更にプナル・デニズと2000年代の最高の俳優の一人で『カンピュシスタン』で有名なカーン・ウルガンジュオール氏も参加している。


■青春ドラマ万歳!

アフメト・カトゥクスズが監督を務めるドラマのシナリオもメリチ・アジェミ氏が担当する。現在のところ明かされている情報はここまでである。

最近、世界的に活況を呈している青春ドラマにトルコからアピールする回答が来るのを私は長年、待ち望んでいた。

『カンピュシスタン』、『高校ノート』、『人生の知識』もしくは『ポプラのある場所』といった青春ドラマは2000年代に盛況だった。しかしながら2010年代に青春時代から離れてしまい、私たちは完全にホームドラマへと移り変わってしまった。

■俳優陣のセレクトが素晴らしい

『Love 101』はとりわけ俳優陣のチョイスが素晴らしい。最近の最高のドラマの幾つかで注目を集める役割を演じている人物たちが、このドラマで一堂に会しトルコの視聴者だけではなく、世界中の注目を集める可能性があるのだ。

しかもトルコのドラマにおいて既に私たちは新しい顔を見始めるようになった。そのうちの幾人かに至っては私たちは名前さえ知らない。ただ、「あぁこの子か」というだけだ。90年代にデビューを果たした歌手たちのように、彼らの仕事で私たちは知っているが、まだブランド化はしていないのだ。

■ホームドラマには飽きてしまった

トルコ産ドラマの若手スターの名前を私たちは上げることはできないが、恐らくはその顔を見れば「ああ」と言うだろう。「あの人だ、あの人!」と。

大スターのブランド力に頼るドラマ以前に、観客は若くて一から冒険を始めるドラマを見たいと願っているのだろう。
彼らはサプライズを求めている。

ベテラン勢ばかりの名前が連なるクリシェ・ホームドラマのシナリオに私たちは飽き飽きしてしまった。


■私たちは『La casa de Papel』のスペイン語を受け入れられたのに

『Love 101』の俳優のチョイスは非常に成功している。だが名前に関していえば、私は判断に躊躇ってしまう。『Love 101』という名前はグローバルなネーミングで、国外がターゲットになっているということは明らかだ。「トルコのドラマがウィルスになるように、ポップであるように」というコンセプトの下で選ばれたかのようだ。

しかしながら名前に関してこれほど数学的であることに意味はない。
私たちは『La casa de Pape(ラ・カサ・デ・パペル)』(王立造幣局からの大金強奪を狙う8人組強盗団と彼らの計画を阻止しようとする警察の攻防を描くスペイン製作のドラマシリーズ。その後Netflixが買収し2017年12月から世界配信が開始され国際的な人気を博した。邦題は『ペーパー・ハウス』)を受け入れることが出来た国民だ。
誰一人として、そのドラマの英語タイトルを発音することが出来ない。皆、『ラ・カサ・デ・パぺル』と言っているのだ。

あぁ、それでは『Love』というネーミングは一体なんなのだ?

■謎かけを与えるのがより正しいことではなかったか?

「Aşk」という単語からタイトルは多くの国で『Ask 101』とみなされるだろう。さらには多くの人「Aşk」を英語の「尋ねる」という意味の「Ask」と思ってしまうかもしれない、そしてその隣の『101』の意味にも興味を持つだろう。

Googleへと駆けつけて、ドラマについて情報を得ようとする。写真を目にして「ちょっと待って、私はこのドラマにチャンスを与えることにしよう」ときっと言うだろう。

このような謎かけを与えるのが、より正しいことではなかっただろうか?


■「得点王」俳優陣のドラマ

Netflixは暫く世界的にアピールするプロジェクトへと突き進み続けている。『ハーカン-守護者』に続いて、近くそのタイトルが『アティエ』となるベレン・サートのプロジェクトも加えられる。

第三のプロジェクトでも、スターの名前が取り上げられていればトルコの視聴者にとって大きなクリシェになっていただろう。

■『ザ・レイン』と『リタ』の間には関係がない

しかしながらその他の国々のオリジナルのNetflix作品ではこのような一般化は行われない。例えばスカンディナビア諸国から常にサスペンス・ミステリーのドラマが登場するというわけではないのだ。例をあげてみれば、デンマークからは『レイン』(致死ウィルスを含んだ雨に感染し、住民がほぼ死滅した北欧を舞台に、地下シェルターに避難し生き延びた姉弟のサバイバルを描いた人気スリラードラマ。Netflix初のデンマーク製作ドラマとして話題になった)と同じ程度、コメディ・ドラマも登場し得るのだ。

例えば『リタ』だ・・・

『リタ』と『レイン』はデンマークのオリジナルNetflix作品であるが、それぞれ似つかわないドラマであるというのは正しいステップだ。


■私たちの国からも世界的ブームとなる作品が登場してほしい!

トルコ製作のものであっても、このヴァリエーションは増え続けるだろうということを私は確信している。更にこの先にはトルコからホラー・ドラマが登場することもあり得るだろう。いや、出なければならない・・・

『Love 101』が期待に応えるものかどうか、判断をするにはあまりに早い。しかしながら、アピール力があって「トレンド」になる可能性を秘めた作品を私たちが目撃することになるのは確かだ。目標とする層はトルコ人だけではない、ワールドワイドな成功が目指されているのだ。

世界中でトルコ史上初の世界的なブームとなるドラマとなることを祈る・・・

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:47030 )