国連:西サハラ問題担当特使の選定が難航(2)
2021年04月29日付 al-Quds al-Arabi 紙

■国連は期限の決まったロードマップを提示できる、ベイカー氏のような国際的に有名な西サハラ問題担当特使を探す

【マドリード:本紙】

かつて特使に就任した最も著名な人物は、元米国務長官のジェームズ・ベイカー氏である。彼は、1996年から2004年にかけて当事者間の交渉を強力に推し進めることに成功した唯一の人物であり、自らの名を冠した二つの案、自治政府について明記した「ジェームズ・ベイカー1」と、4年間の自治のあと、その後についての国民投票を実施することを明記した「ジェームズ・ベイカー2」を提示した。ベイカー氏の退任後、国連は知名度度の高い人物を(特使として)選出することができなかった。特使への就任を拒否した最も著名な人物としては、元米国務長官のコリン・パウエル氏があげられる。2019年に特使を辞任した元独大統領のホルスト・ケーラー氏を含めた、のちのすべての特使は世に広く認知されることはなく、以来特使は空席のままとなっている。

国連は広く認知された人物を選出することで、各国政府の(交渉の)主要な扉が開かれることを目指している。それにより任期中に特使による仲裁は容易になり、特使の提案が各国からの大きな支持を得るのみならず、紛争当事者であるモロッコとポリサリオ戦線、そしてアルジェリアからの信頼を得るからだ。

一方で国連の専門家は、新しい特使は明確なロードマップ行程を示し、それを最長でも2年以内にそれを実行しなくてはならないと考えている。そして、もしそれが失敗した場合には、国連は新たなロードマップを提示できる新たな特使を探すか、特筆すべき成果なく40年以上が経過し、最も長い紛争のうちの一つとなった、西サハラ問題の調停について根本的に再考することとなるという。

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( 翻訳者:安井日寧子 )
( 記事ID:50987 )