スエズ危機からユーラシア大陸新ルートへ注目
2021年05月26日付 Hurriyet 紙


トルコをアジア大陸とヨーロッパ間での貨物輸送においての重要な国際拠点へと発展させる2つの新ルートが明らかとなり、取り組みが始まった。

新ルートのどちらもトルコ・ロシア間での輸送における協力によって可能となっている。貨物輸送でトルコ側として最初の重要な進展はロシアでアゾフ海とカスピ海を繋ぐヴォルゴドンスク運河を管理する「P&Oマリタイムロジスティクス」とイズミットを拠点とする「DPワールド・ヤルムジャ」の間で輸送協定が締結されたことだった。

協定によるとイズミット港で船に積まれるコンテナは黒海-アゾフ海-ヴォルゴダンスク運河-カスピ海ルートで乗り換えずに中央アジア諸国にたどり着くことが出来る。

ロシア側の管理会社の説明によると中央アジア諸国はトルコにとって最も重要な輸出ルートの一つである。2020年のトルコと中央アジア諸国間での貿易規模は310億ドルに達した。ロシアの運河上、輸送される貨物はより安価で輸送され、煩雑な手続きも減ることになる。

■代替ルート

トルコを貨物輸送において重要な拠点とする2番目に重要な進展は先月スエズ運河で起きた2週間にわたる閉鎖によって実現された。

スエズ運河に座礁したエヴァ―・ギヴン船の危機により、何百万ドルもの損害を受け、世界最大海運会社の一つであるデンマークを拠点とするAPモラー・マースク社は代替ルートへの変更を実施した。計算の結果、アジアにおける極東の国々からのコンテナをシベリアを通って輸送する方が経済的であることが分かった。
極東の国々から運ばれる貨物はロシアの日本海沿岸のプリモリエ港で積み下ろされ、そこからシベリア鉄道でノヴォシビルスクにたどり着き、その先も南カフカスで降りてトビリシ-カルス鉄道によってトルコに到達する。スエズ運河に代わるルートはAPモラー・マースク社によって試みが始められた。5月24日に247個のコンテナを運ぶ貨物はロシアのプリモリエ港の関税局を通ってトルコに向かって出発した。ヨーロッパ諸国に送り届けられる貨物がイスタンブルに25日から30日の間に届くことが期待される。

比較として例を挙げるとしたら、台湾もしくは中国から輸出された貨物はスエズ運河を通ってイスタンブルに到着するために40日から45日かかる。シベリアを鉄道を使って通って輸送する輸送費もスエズ運河を通った場合の2割程安い。

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( 翻訳者:山下鈴奈 )
( 記事ID:51110 )