エジプト:大エチオピア・ルネッサンスダム2回目の貯水が近づく:関連各国の動き(2)
2021年06月13日付 al-Quds al-Arabi 紙

■エジプト:大エチオピア・ルネッサンスダムがもたらすエジプト農業への壊滅的な被害.. 一方スーダンのハムドゥーク首相は法的拘束力のある合意に固執する

【カイロ:本紙】

AUのファキー委員長はスーダン主権評議会のハミーダティー副議長との会見の中で「AUはこの危機の解決策を見いだすため、スーダン、エジプト、エチオピアにあらゆる可能性を提示する準備が整っている」と強調した。一方、スーダン主権評議会の声明によると、ハミーダティー副議長は「ルネッサンスダムの貯水と稼働における全ての当事者国に対し法的拘束力のある合意に至ることが必要不可欠である」という自国の立場を強調した。

同委員長は土曜(12日)、2日間にわたる公式訪問のため、ハルツーム(スーダン)に到着した。

≪調査≫

エジプト側では、科学者イサーム・へギ氏は、貯水が行われる数年間にルネッサンスダムがエジプトの水収支に与える影響について明らかにし、同氏が参加する共同研究を公表した。この研究は南カリフォルニア大学(米)が、コーネル大学(米)およびアメリカ航空宇宙局(NASA)の協力を得て行われたもので、共同研究題目は「エジプトにおける水不足と大エチオピア・ルネッサンスダム貯水のシナリオに対する緩和政策提言」である。

研究が結論づけたところによると、容積が740億立方メートル(74bcm)に達するこのダムは可能性を秘めた数多くの開発の機会をエチオピアに与える一方で、(ダムの水量調節に起因する)ナイル川の流量変動はエジプトに深刻な水不足をもたらす。

同氏によると、失業率は25%まで上昇、また国民1人あたりのGDPは8%減少することが見込まれる。

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( 翻訳者:吉岡珠実 )
( 記事ID:51203 )