スタートアップ:トルコの「ホワイトハットハッカー」たちと拠点「ガレージ」の躍進の物語
2019年02月09日付 その他 紙


トルコにおいてスタートアップ・エコシステムはどのような状況にあるのだろう?若手起業家たちはどんな事業をしているのだろう?彼らのチャンスというのはどのようなものだろうか?ハッカーとは一体何か、そもそも何をしているのだろう?「善行」が好きなハッカーというのは、一体?これら全ての分野における発展について、スタートアップ・エコシステムの一員でその内情を知る人に話を聞いてみたい、と私たちは考えた。ボアズィチ大学の学生時代、友人たちとあるボクシングジムに作り上げた「ガラジュ(Garajı)」から出発し、「スタートアップ・カーニヴァル」そして現在では「インズヴァ(inzva)」を始め様々なプロジェクトに参加し、自身もまた並外れたスタートアップの物語の持ち主であるムラト・カラデミル氏と話をした。

今日では、スタートアップ・エコノミーは、ただアメリカのような発展した経済大国の推進力であるにとどまらない。ウガンダ、ケニア、セネガルといったアフリカ諸国において、危機からの脱出の道としてみなされている。他の言い方をしてみれば、発展がごくわずかである、もしくは発展途上の状態である国々において、基盤となるサービスと各種の需要における問題点の数々は、既に各種のスタートアップ・プラットフォームが、実に多くのそして多様なアプリケーションと多くのテクノロジーを生み出すことによって解決をしている。さて、トルコにおいてスタートアップ・エコシステムは一体どのような状況にあるのか?若手の起業家たちは一体なにをしているのだろう?そこにおけるチャンスとはどのようなものなのか?この分野における様々な進展を、スタートアップ・エコシステムの中にいて、内情を知っている人間と語り合ってみたいと私たちは考えた。ボアズィチ大学の学生時代に、友人たちとあるボクシングジムに作り上げた『ガラジュ』から出発し、スタートアップ・カーニヴァル、そして現在においては、「インズヴァ」を始めといて様々なプロジェクトに参加をし、自身もまた並外れたスタートアップの物語の持ち主であるムラト・カラデミル氏と話をした。

学生時代に、一年間アメリカへと向かいそこでトルコ人起業家たちに出会いその後にカパルチャルシュなどの、かなり伝統的な世界での異なる事業経験をもつムラト氏とともにテクノロジーの発展に関して世界、そしてトルコにおける展開について語り合った。創設者の一人とし名を連ね、自身を『建設的で善行好きなハッカー集団』として定義をしている『インズヴァ』についての情報を得た。

―あなたはボアズィチ大学の最も色彩の豊かな事業家たちの事業例の一つであるスタートアップ・カーニヴァルそして事業者センターといった様々な団体によって知られています。私たちに対して、あなたご自身を少しご紹介してもらえますでしょうか?現在はどのようなことに取り組んでいるのでしょうか?

私はムラト・カラデミルといいます。イスタンブルの出身です。ボアズィチ大学国際商学部2009年入学です。この学部を選んだ時に、私の夢を実現できることが出来る環境に出会えたと考えました。準備をしたのちに、一年間ギャップイヤーをとることに決めて、そしてアメリカに向かったのです。異なる大陸で、誰一人の知り合いもいないまま、旅をすることは私にとって非常に難しいことでしたが、その一方でまたこの上ない喜びに溢れてもいました。アメリカに向かった時には、すぐにインターネットを介してアメリカで暮らしているトルコ人起業家たちを調べ上げました。何人かの起業家たちは、肯定的な返事をくれ、そのうちの一人のもとでパート-タイムの仕事を始めたのです。また同時に英語を伸ばすチャンスを手にしたのです。様々な起業家たちと出会いながら、自信を得ました。「ザ・ハッカー・ニュース」といった組織を知ることになりました。

トルコに帰ってくると、カパルチャルシュである仕事の経験ができました。古いものと伝統的な商業倫理とに出会ったのです。そこではカバンを販売するある会社のデータ運営手法を改善させました、またオンライン販売サービスを開始して、ソーシャルメディア上で様々なキャンペーンを開催したのです。私はこの経験をプロフェッショナルなある料理店の厨房のバックヤードでの仕事がどのように行われているのかを学んでいた、といった感覚で捉えています。その後でまたイスタンブル工科大学(İTÜ)のテクノパークにおけるテクノロジー・スタートアップで仕事をしました。

ガラジュ、そして最近になってインズヴァを共に作り上げた友人のハリル・サメド・チュルドゥル一緒に大学のすぐ外で、もともとは古いボクサー・サロンをガラジュに作り替えるために仕事を始めたのです。私たちは産み出すことに集中をしました。そしてハッカー、ハスラー、そしてヒップスターと私たちが呼ぶ友人たちを、ガラジュで生産をするために招待しました。ここでは私たちはコードも書きますし、またスタートアップ界の友人たちを招待したのです。そしてこの人たちの情報を共有するためにチャンスを与えるというのが、私たちの目的の一つでした。ガラジュは、1年半に渡って継続し終了したプロジェクトでした。そしてこれはまた私の「習作だった」ともいえます。

『ガラジュ』の続編プロジェクトとして、そこで向上させたネットワークの力を借りてスタートアップへ向かってイベントの数々へと続けたのです。私の友人であるウトゥク・ヤヴズもまた一時期にメンバーに含まれました。その頃に人々の関心や経済的な支援は望んでいたようなレベルではありませんでした。私たちには成功をおさめた物語はいまだになかったのです。例えば、スタートアップのイベントでは料金の支払いが求められていました。私たちもまた少しでも社会に対して、取り分け学生たちに対して早い段階にいる起業家たちのためにスタートアップカンファレンスを無料で開催したのです。

その後におこなった第二の重要な仕事は、スタートアップ・カーニヴァルでした。このイベントは、ボアズィチ大学の精神を非常によく反映していました。事業の知的な側面を楽しむ環境を作り上げたのです。ここでもまた、以下のようなアイディアから出発しました。「トルコについて数多くのネガティブなニュースが報道されている。それでもなお、若者たちの間ではかなりの成功を収める事業を行っている人がいる。カーニヴァルでは、若くて、成功をしていて、テクノロジーの仕事を行っている人間や、ヘルス分野からアプリケーション・コーディングに至るまで数々の仕事を行っている人々を、国に生きる人に紹介をしたいと思ったのです。この成功を収めたイベントを現在のところ、私たちの後の友人たちに明け渡しました。長期的な形で継続ができることを願っています。

■「エンジニアリングそしてビジネス分野において成功をするだけではもはや十分ではない」

―カパルチャルシュのような重要な伝統について言及されましたね。私たちのように伝統的な事業をする文化と新たなテクノロジーによる実験が行われている国で、スタートアップ文化を発展させるという観点からどのような条件が必要になるのでしょう?

エコシステムの観点から考えると、トレンドヨル(訳注:スタンブールに本社を置くトルコ最大のeコマースプラットフォーム)へ、Alibaba.comが参入すること、アンカラから登場したOpsgenieテクノロジー会社、ゲーム部門において非常に大きな事業をおこなっている「グラム・ゲームス」社、Citus Dataのコーディング会社といった成功をおさめた起業家たちがトピックになるでしょう。このため、まずは能力とそしてメンバーを適用させることが条件と言えます。この仕事に対して心から没頭が出来る人々が必要なのです。なぜならばこの仕事のバックヤードでは数多くの困難、そして危機がおこります。若くてそして能力があり、更にその能力を、自分自身をとても向上させることが必要となるのです。さらにはディシプリン間の作業もまた必要となるのです。エンジニアリングそしてビジネス分野で有能であることはもはや十分ではないのです。デザインでも優れている必要があります。デザインに特化してのデータの意味付けを行う事ができることは、人間を読み込む問題においては足りないものがあると私はみなしているのです。このためにも更にも成功をしている人々が必要となるのです。

実際のところトルコの優秀な各大学は人的リソースの意味で、埋もれている財産を有しています。これらの手助けをおこなうことのできるメカニズムもまた必要となるでしょう。各大学に対して、テクノパークに、養成センターへ、そしてまた各社会において数多くの仕事が振り分けられます。この分野で私たちの大学が、ドゥドゥッルにてサービスをスタートしようと準備をしているテクノパーク、そして最近に南キャンパスに開かれたドリームBU養成センターは、起業家のエコシステムを拡大させ、さらには発展させるための非常に重要な一歩です・・・

私が見出しているもう一つ別の問題もまた存在しています。国の人たちは世界からちょっと距離を置いている位置にいるのです。世界における様々な進展を更に追いかけることが必要となります。フィジカルな相互作用、そしてまた見解を交換しあうのが必要となるのです。このためにも、活動に移る事のできる諸環境が、フィジカルな場所の存在が重要となります。人間への投資でも各大学には仕事が振り分けられますが、各大学の経済的な様々な支援が制約されるのは、優れた学生たちの能力、そして仕事を生み出すキャパシティを伸ばすことでの時にハンディキャップとなってしまいます。

―それでは、投資家たちが取り分けその中に学生たちのいる発展のアイディアのアプローチに対してのあなたの見解というのはどのようなものなのでしょうか?

投資家たちの活動を活発にするためには、学生たちが沢山勉強をして、調べものをすること、調査をすることが必要です。つまりは、健全な仕事を行うことが必要なのです。投資の面からよい仕事をする全メンバーに対して経済的な支援を与えられるようにと考えています。なぜならば投資家たち、または投資をしたいと思ってやってくる人々は、理知的でありしかも自身の会社の利益に貢献をするであろうと知っている人々に支援を行うつもりだからです。

社会的責任に集中する建設的な「ハッカー」社会:インズヴァ

―あなたが近年その中で活動をおこなっているインズヴァについても少し話を伺いましょう。ボアズィチ大学の先生たちもまた、このチームに重要な貢献をしていると思います。一体インズヴァではどのようなことを行っているのでしょうか?

インズヴァは、ベイコズ・クンドゥラの中でハッカー組織として活動をしています。このプロジェクトでは能力のある友人たちが、世界レベルでもっと良い位置にくるように、それぞれの学習速度を相互作用で伸ばしていけるようになるのを望みました。彼らを、社会に影響力をもつようにする問題において方向付けを行うことを計画し、また技術的そしてアカデミックな様々な経験のシェアをおこなうようにと招待をしたのです。BEV. Foundationの創立者の一人であるタルク・ユルドゥルム氏とともに私たちのビジョンを結合させました。そして更にブレインストーミングをしながら、テクノロジー分野において能力のある人々にフォーカスをしました。ボアズィチ大学からは、ジェム・エルソイ氏、ラーレ・アカルン氏、タイラン・ジェムギル氏、ツナ・トゥージュ氏そしてスザン・ウスキュダル先生が貢献をしてくれました。共同作業をおこなったのです。ボアズィチ大学のコンピューターと数学部の出身であるユスフ・ハーカン・カラユジュ氏とともにアルゴリズム競争を開催し始めました。

インズヴァでは、若い友人たち向けにコーディングにフォーカスするイベントの数々を開催しています。現在のところ私たちは冬のキャンプを行っています。無料で各大学間の、アルゴリズムや更にはコーディングに関心のある人々を一堂に会しています。アルゴリズム競争を開催しています。人工知能そしてディープラーニングについてもプロジェクトグループをつくりあげました。このようにして、インズヴァのような組織がその他の集団に対しての判例となることを信じています。学生たちがこの競争を自身の大学の倶楽部内において、ローカルなレベルで適応をおこないながら、広めるのを目標としています。私たちの先生をそれらの事業分野へと招待をして、わたしたちの活動の一部となるのを担保しようと試みています。機械学習とディープラーニングの各分野でのワーキンググループを作り上げました。このディスカッショングループを調整していく中でボアズィチの先生方もまた協力をしてくれたのです。

インズヴァは真の意味で、隔離場所なのです。とても静かで、集中をしながらコードを書くことの出来る環境としてデザインをしました。インズヴァの家であるベイコズ・クンドゥラは自然に囲まれ歴史的な場所なので人々が、互いに影響を与え合える環境になりました。

■ホワイトハットハッカーも存在する

―ハッカーというタームは、トルコではネガティブな意味合いを持っていますね。ハッカーという場合には、実際のところどのような意味をもつのでしょう。ここで少し説明をしてもらえますでしょうか?

私たちの考えでは、ハッカーとはコンピューターを、それがどのような場合であっても望みどおりに作り上げることのできる人間です。セキュリティの意味において各種のシステムのバックグラウンドに入ることが出来ます。そしてこれは実際のところ相当の努力を要します。なぜならばかなりの数のデータと格闘をすることになるからです。これを盗用したり個人の諸権利の侵害のために使用をしない必要があります。

ホワイトハットハッカーと呼べるカテゴリーも一つ存在しています。ホワイトハッカーたちは、システム内における様々な問題を解決するために作業を行っています。私たちは、このカテゴリーに基づいて、建設的で善行のために用いられるハッカーを好みます。私たちの友人に対しては、その能力を社会に貢献するために用いることを推奨しています。国外には実際にハッカーのディアスポラが存在しています。テクノロジー会社たちが、その運営カテゴリーに数多くの育ったトルコ人が存在しています。この人々が、故郷を訪れた際には若い人たちに対して学んだことを伝えることが出来るような場所を作り上げるつもりです。

コーディングにおいて、トルコは魅力を集める場所になりえる

―今日においてはもはやテクノロジーの消費者となるのではなく、テクノロジーを生み出すことが優勢となっていることが知られていますね。今日の世代は、この観点からチャンスのある時期に生きています。どのようにお考えになるでしょうか、一体どのようなチャンスが存在しているのでしょうか?

今日のテクノロジーは、私たちの生活のありとあらゆる領域に存在します。基本的な科学でさえもある場所においてテクノロジーを用いることが必要となること、各種の会社もまたテクノロジーによって結合をして成長を増大させながらテクノロジーを積み重ねていく価値があるということが理解されました。プログラムを書くこと、データを分析するような問題から理解をされる必要があります。デザインの立場にいるのであれば、やはりテクノロジーを使用する必要があるでしょう。テクノロジーの仕事においてクオリティは重要なファクターです。例えばよいコードを書くことができるような状況であるならば、数多くの会社があなたと仕事をするためにアプローチをするでしょう。アメリカで、オランダで、そしてドイツにおいて非常に高い収入で仕事を始めるチャンスがあるのです。このために、世界では数多くの場所へ仕事そして生産に向かう人々が存在していますし、この人々というのは各国へ戻ってそこで若者たちに対して学んできたことをつたえるというのは、非常に有益なことであると信じています。

コーディングそしてテクノロジーの仕事においてトルコは周辺の諸国にとってひとつの大きい魅力の場所となりえます。この点において各大学に対して、市民社会組織に対して、公共分野にまた各会社に大きな仕事が巡ってきます。

―付け加えたいことは何でしょうか?

インズヴァのメンバーとしてある「コード・オブ・コンダクト(行動規範)」を作り上げました。希望者は(https://inzva.com/code-of-conduct)のアドレスをお調べになってみてください。ここで私たちが守っていることは以下のことです。「人種、原語、宗教、性別、エスニシティそして似通っているよりは差異を擁護し重視をして、この差異性に向かい、どのような軽蔑的な姿勢もしく言葉に対しては寛容にはならない社会的な経験を提示することです。私たちの全てのアクティビティにおいて「コード・オブ・コンダクト」の規則は丁寧に適用されていますし、その諸条件から逸脱することを許すことは決してありません。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:51392 )