中東:アサド政権との関係正常化をめぐる湾岸各国の立場(レポート)(2)
2021年11月13日付 その他 - al-Souria.net 紙


■アサド政権に対する湾岸諸国の立場とは?

【スーリーヤ・ネット】

カタール:「正常化なし」

カタールのムハンマド・ビン・アブドゥッラフマーン・アール・サーニー外相は金曜日に行われた記者会見のなかでアサド政権との関係正常化の停止を望んでいると語った。

同外商は米国のアントニー・ブリンケン国務大臣との共同会見を通して「我々は、各国がシリア政権に対する追加のステップを講じるよう勇気づけられないことを望んでいる」としつつ、「我々は現状において同政権との正常化を考慮しておらず、それは自らが犯した犯罪に関する問責を受ける必要があると考えている」と明らかにした。

さらに同外相は「カタールの立場はそのままである。そして我々は、アサド政権が国家と国民に与えた損害の修復に向けた同政権のコミットメントを示す真剣なステップを確認できていない」と付言した。

アール・サーニー外相が率いるカタール当局者たちの談によると、同国のアサド政権に対する立場は数年以来変化していない。同外相はこれまでにも、アサド政権がシリア人たちに対して犯した犯罪について言及してきた。

現時点で、アール・サーニー外相の声明はカタール政府が「アラブ的正常化の列車」の当事者とならないことを示している。アサド政権が、自らが2011年に始動させた政策に固執してきたという事実のほか、特に安保理決議2254号に関連し同政権が政治的解決の実現に向けたあらゆる経路を妨害してきたことがその理由である。



サウジアラビア:「協働は行わない」

カタールのほか湾岸の地域大国であるサウジアラビアに関しても、シリア政権との関係を即座に回復させる兆候は存在しない。

サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相は11月初旬、同国政府が多くの国々にならってアサド大統領との接触を検討しているかどうかを尋ねる質問に対し、「我々は現時点でそれを考えていない」と回答した。

同外相は米国のCNBCチャンネルによるインタビューのなかで「サウジアラビア政府は、国連による監督下でシリア政権・反体制勢力の間で進行しているジュネーブ・プロセスを支持している」としたうえで、「我々は安全を維持したいと考えており、シリアの人々の利益につながるものをサポートしている」と付言した。

サウジアラビアはこれに先立つ2011年、アサド政権の軍隊が平和的な民衆デモを弾圧し多くの死傷者を生み出したことを背景に、駐ダマスカス大使を召還し同政権との外交関係を凍結していた。さらに2012年になると、湾岸協力会議に参加する各国もこの動きに追従した。しかしアラブ首長国連邦(UAE)とバハレーンは2018年の末、臨時代理大使を派遣することで在ダマスカス大使館を再開した。

各報道によると今年5月、サウジアラビアの諜報機関トップであるハーリド・フマイダーン総合情報局長官がダマスカスを訪問することによって、同国がアサド政権との直接のチャネルを再び開いたとみられていた。しかし当時サウジアラビア政府はこれを否定した。

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( 翻訳者:木戸 皓平 )
( 記事ID:51825 )