シリア:ユーフラテス川東域での緊張化、トルコとロシアの圧力に挟まれたシリア民主軍の運命とは?(3)
2021年11月22日付 その他 - al-Souria.net 紙


■トルコとロシアの圧力に挟まれるシリア民主軍

【スーリーヤ・ネット】

トルコの軍事作戦はSDFとその政治母体SDCに対し、都市を防衛するためにアサド政権に泣きついたうえ、同政権へのアフリーンの割譲をめぐる交渉に入るよう促した。しかし、これは何にもつながらなかった。

2018年7月下旬には、イルハーム・アフマド執行委員会共同議長率いるSDC代表団が初となるダマスカス訪問を行いアサド政権との交渉の場に立った。

その際ロシア・トゥデイによって行われたインタビューの中で、アフマド氏は、この会談が「政府の呼びかけによって開催され、憲法や兵役などを含む多数の問題が議論された」ことを明らかにし、以下のように指摘した。「シリアの複数の地域における統治・行政システムに関連する諸問題の議論を基本的任務とする、両当事者合同の委員会を設立することがシリア政府と合意された」。また同氏は 「シリア政府への地域割譲の議論は、現在交渉の議題には含まれていない」ことを明らかにした。

そして2018年後半、ドナルド・トランプ米大統領が自国軍にシリア東部からの撤退を指示し、SDCが政治的後ろ盾を求めてアサド政権およびロシアとの交渉セッションに着手するようになると、交渉のペースも加速を見せた。しかし、同政権が提示した条件や全ての地域の割譲要求、同政権が呼ぶところの「国家主権」の回復要求は、双方間が合意に至ることを妨げた。

双方間の交渉においてもっとも顕著な出来事は、トランプ米大統領がシリア北東部からの米軍撤退を発表してから2日後にあたる2019年10月9日、トルコがハサカ県およびラッカ県の郊外地区においてSDFに対する軍事作戦「平和の泉」の始動を発表した後に発生した。SDFは米軍による同軍の動きを「裏切りであり背後からの刺突」であると見なした。

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( 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 )
( 記事ID:51864 )