シリア:ユーフラテス川東域での緊張化、トルコとロシアの圧力に挟まれたシリア民主軍の運命とは?(2)
2021年11月22日付 その他 - al-Souria.net 紙


■トルコとロシアの圧力に挟まれるシリア民主軍

【スーリーヤ・ネット】

当サイトのチームが作成した本ファイルでは、SDFがロシアとの接近およびアサド政権との交渉によって実現しうる目標や、これを促進するうえでのトルコの脅威の影響を解明することを目指す。

交渉の始まり

「自治局」とアサド政権の間で公となった交渉は、ロシアがアサド政権側に立ってシリアに介入した1年後にあたる2016年、ロシアがこうした交渉の後援を行い始めた時期にまでさかのぼる。両者間で初となる会合は2016年9月にフマイミーム基地で行われた。この際には9党のクルド系政党を代表する代表団がアフマド・クズバリー人民議会議員率いるアサド政権代表団と会談し、クルド問題に関連する多数の政治的・社会的問題について議論がなされた。

同会談はアサド政権側が複数の前提条件を設定したために失敗に終わった。そのためロシアは同年12月12日、14党のクルド系政党に対しフマイミーム基地を訪問するよう新たな呼びかけを行った。この交渉は同月28日まで続いたものの、特段の成果はもたらされなかった。

2017年には、ロシアがクルド民族主義諸勢力を代表する重要人物を迎えることによって、同国のシリア東部問題への関心が拡大したことが明らかとなった。つまり2017年10月、ロシアはフマイミーム基地で人民防衛隊のスィーバーン・ハンムー司令官を迎えたのである。さらに、これに引き続きミハイル・ボグダノフ露副外相がカーミシュリー市を訪問し、これと同時にアリー・マムルーク国民安全保障会議議長も同地を訪問した。

2017年10月15日、民主的自治総合調整局はアサド政権と交渉する準備ができていることを確認する声明を発表した。このアクションは、アサド政権のワリード・ムアッリム前外相がテレビ番組のインタビューの中で述べた「シリアにおけるクルド人による自治の確立をめぐっては、それが国境内で配備される場合、交渉と対話の余地がある」との発言に対する返答であった。

しかし双方による前向きな声明は、実際的な交渉の現場に結びつくことはなかった。2018年には新たな交渉プロセスが始動したものの、それは軍事的な情勢によって開始を余儀なくされたものとしての側面が強かった。トルコは2018年1月20日、「オリーブの枝」という作戦名を冠した軍事作戦をアフリーンで実施したのである。

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( 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 )
( 記事ID:51863 )