トルコ・ギリシャ危機―ミソタキス首相が柔軟発言
2023年01月20日付 Milliyet 紙


ギリシャのミソタキス首相は、トルコとギリシャの問題は机上で解決される必要があると発言した。同首相は、戦争には与しないと明言しつつエルドアン大統領について語った。

ギリシャ・トルコはしばらくの間、F-35戦闘機問題や、島々や領海の境界が原因で緊張関係にある。直近では、その糸はメイス島(カステロリゾ島)のために張り詰めた。ギリシャ本土から最も遠い島嶼部にあるメイス島とトルコのカシュの距離はたったの3kmである。わずか数百人が暮らすメイス島のギリシャ本土への距離は580kmである。

トルコ語でクズルヒサルという名の同島は、2020年8月にギリシャ部隊を通してはじめて論争となった。同島に展開した部隊はアンカラ・アテネ間に新たな危機をもたらし、ギリシャは、メイス島に配されている部隊の人員交代のためロドスから兵が送られたと伝えた。

■トルコ・ギリシャ間でF-16危機

もう一つの緊張は、先週発生したF-16戦闘機危機である。アメリカがトルコにF-16戦闘機を売却しなければならないと言及したギリシャのアンジェロス・シリゴス副教育相は、ワシントンとアテネの双方から反発が高まったことを受けてさらに説明しようと試みた。

シリゴス副教育相は、ボブ・メネンデス米上院議員の提示した条件下でトルコが戦闘機を所有することはアテネに利すると主張した。メネンデス議員は、航空機がギリシャの領空を侵犯しないというような条件付きで、トルコ政府にF-16を提供するよう望んでいる。しかしながら、ジョー・バイデン政権はトルコにF-16を売却することに無条件に支持している。

■ミソタキスから柔軟発言

こうした展開の一方で、ギリシャのミソタキス首相は声明を出した。同首相はダボスの世界経済フォーラムの場で発言し、緊張の局面にあるトルコ・ギリシャ関係に言及した。トルコと交戦するつもりはないと明らかにし、次のように語った。

「トルコと共に分別のある大人のように席につき、根本的な問題の一つである大陸棚と島々の問題を解決する必要がある。我々はこうしたことをイタリア、エジプト、アルバニアとの間で行ってきた。」

あとに続く発言の中でレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領についても語ったミソタキス首相は、交渉の余地を見せながら次のように述べた。

「お互いを脅かすこと、上空を飛び交うこと、あるいはそうした衝突のリスクを高めるような挑発的な行為を行う必要はない。非常に困難な時であっても、エルドアン大統領と解決が不可能であるとは考えていない。」

■エルドアンの直近の発言は?

エルドアン大統領は先週参列した式典において、国産産業を通じてギリシャを引き合いに出した。ギリシャ側が問題を起こさない限り、トルコとの間にいかなる問題も起こらないであろうと強調し、次のように述べた

「我々はすでに無人航空機や無人戦闘機を生産している。 [開発中の無人戦闘機]クズルエルマもある。大量生産が始まれば、F-16に搭載する爆弾を搭載する。ギリシャはなんと言っているか?『狂乱したトルコ人は何をしているのか?』イズミルで[クズルエルマの]実験が行われた。それから発射されるミサイルはこいつらを脅かし始めた。私も言っている通り、ギリシャよ、沈黙している限り、我々はお前と関わることはない。」

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( 翻訳者:関口ひなた )
( 記事ID:54853 )