アラブ連盟事務局長が反対派勢力に警告(アル・ナハール紙)

2006年12月23日付 Al-Nahar 紙
■ アラブ連盟ムーサー事務局長、ベイルート出発を今日に延期 「行動を激化させれば相手側も激化する」と警告
■ アラブ連盟によるイニシアティブは一進一退…しかし悲観せず
■ 国連アナン事務総長:「レバノンが国際法廷案採択に失敗すれば安保理が介入する」

2006年12月23日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長は今日、一言述べてクリスマス休暇に入った。しかしその際にムーサー事務局長は、「何であれ行動を激化させれば、相手側も激化するであろう。そうなればただ人民ばかりが被害をこうむることになる」と警告した。

 様々な方面との面談や連絡を行ってきたムーサー事務局長が、本日夕方の記者会見を前に発したこの警告は、アラブ連盟によるイニシアティブが一進一退の状況にあることを明白に証拠づけている。しかしその一方で、このイニシアティブの提案者であるムーサー事務局長は悲観しない姿勢をとり続けつつ、反対派勢力に対して強いメッセージを送った。反対派勢力は、現在行われている取り組みを無視して、祭日明けに行動を激化させると再び仄めかしているからである。

 この件に関し、3・14勢力の有力指導者の一人は、昨日ムーサー事務局長に対して「反対派勢力が祭日明けに行動を激化させ、市民の暴動や道路の分断、公共施設の封鎖を行うとの脅しを敢えて実行に移した場合、もはや3・14勢力は座視したままではいないし、街頭では対決しないという現在とっている立場も守らない。それどころか行動の激化に対しては、我々も同様に、しかしより強くより大規模な激化によって立ち向かうであろう」と伝えた。

(中略)

■ アナン国連事務総長

 中東通信社(MENA)によれば、ニューヨークでは昨日、国連のコフィー・アナン事務総長がサウジアラビアの衛星TV局「アル=アラビーヤ」に対し、レバノンが国際的性質を有する法廷の設置案について憲法に則った形での採択に失敗した場合には、安保理にはいくつかの選択肢があると表明した。

 アナン国連事務総長は、「もし憲法に則った形での法廷案の採択が失敗したならば、安保理を招集し、次なる措置のありかたについて決議を行わざるを得ない。私はレバノンの人々が橋にたどり着き、渡りきると考えている。しかし今、事前に語ることはしたくない、事態はレバノン側での進展にかかっているのだから」と述べた。



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翻訳者:森本詩子
記事ID:4245