ベイルート郊外でデモ隊と治安部隊が衝突、数時間で犠牲者8人

2008年01月28日付 Al-Nahar 紙
■ 数時間で犠牲者8人、騒擾行為の波が広がる
■ レバノン政府、本日1日の服喪を宣言
■ 流血の日曜日、ベイルート郊外で国軍との衝突
■ 波乱のアラブ外相会議、スレイマーン国軍司令官の大統領選出の立場を堅持

2008年01月28日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 昨日の午後、レバノン国民は、レバノン情勢が治安を揺るがす爆破事件の迷路に迷い込む可能性を指摘したアムル・ムーサー・アラブ連盟事務局長の警告の重大性を考慮した立場をアラブ諸国外相が打ち出すことを期待して、外相会議が行われているカイロでの動きにひたすら注目していた。カイロから届いてくるニュースが、会議開催の遅延につながった各国の対立を反映した内容になり始める中で、ベイルートでは治安を紊乱するあるまじき事態が発生し、流血の日曜日となった。首都ベイルートの郊外からレバノン南部、北ベカーア地方に拡大したこの事態と、カイロで起きた事とを切り離して考えることは困難である。

 ちょうど一年前のベイルート・アラブ大学での事件以来「最悪の国内での暴力事件の一つ」が発生したことで、さらなる暴力行為が発生することへの懸念が高まっている。あらゆる仲介やイニシアティヴによっても政治危機が打開されない中で、衝突によって予期せぬ甚大な被害がもたらされた。大統領選出問題や政局の行き詰まりの中で、国軍を国民との衝突に巻き込むために周到に練られた計画が存在するのではないかという不安が現実のものとなりつつある。

 そのことを何よりもよく示しているのは、昨日の午後に発生して夕方から夜にかけて数時間つづいた大規模な衝突を取り巻く謎に包まれた、危険な状況のありようである。衝突ではデモ参加者から8人の犠牲者が出たが、彼らが殺害された状況の詳細は判明していない。一方で国軍は、街頭で起こっている大規模な暴動に対応すべきか、争乱の亡霊を追い詰めるべきかをめぐって、困惑せざるを得ない状況に置かれているようだった。

(後略)


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翻訳者:小林洋子
記事ID:13054