レバノン内閣施政方針声明をめぐる協議が続くなか、トリポリで衝突再発

2008年07月26日付 Al-Nahar 紙
■ 9人死亡、33人負傷。ムフティー・シャウアール師が「治安当局の対応の遅れ」に疑念を表明、3月14日勢力はトリポリ市の「非武装都市化」を要求
■ 内閣施政方針声明をめぐる協議が続くなかトリポリで衝突、スレイマーン大統領は早急な対応を要請
■ 内閣「戦線」では経済・社会的課題をめぐる協議により「休戦」、抵抗運動の問題については各派指導者らが解決へ努力

2008年07月26日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 レバノン国民は昨日、首相府の「集中治療室」から新内閣の施政方針声明が発表されるのを待っていた。政府の委員会は8度目の会合を開き、抵抗運動の武装問題を解決するため長時間にわたる協議を行っていた。すると突然、トリポリのバアル・ムフスィンとバーブ・アル=タッバーナの間で早朝、新たな流血の暴力行為が発生した。戦闘では各種の武器が用いられ、狙撃や流れ弾による被害もあり、9人が死亡、33人が負傷した。この数は今後も増加する可能性がある。

 政局の危機的な展開にともなうこの唐突な治安の悪化によっていくつもの疑問が浮上し、また衝突に対して各方面から非難の立場が表明された。

■ スレイマーン大統領

 ミシェル・スレイマーン大統領は昨夜、イリヤース・アル=ムッル国防相、ズィヤード・バールード内相、シャウキー・アル=ミスリー国軍司令官代行に連絡をとり、大統領府広報室の声明によれば、「レバノン北部の治安悪化を食い止め、停戦合意を厳守させるために現場での措置を講ずるよう」要求した。

■ シャウアール師

 またスレイマーン大統領の声明と時を同じくして、トリポリとレバノン北部のムフティーであるマーリク・アル=シャウアール師が声明を発表し、「トリポリ市内の学校は緊迫した地域からの避難者を受け入れ始めている。砲弾がバーブ・アル=タッバーナに雨のように降り注いでいる」と抗議の叫び声を上げた。

 またシャウアール師は、「シャーキル・アル=アブスィー[※ファタハ・アル=イスラームの指導者]をナフル・アル=バーリド難民キャンプから追い出すことができた国軍が、何故トリポリ市内の悪の手を食い止めることができないのか」と疑念を表明し、「トリポリ市を、政府や閣僚声明に圧力をかけるための舞台にしてはならない」と述べ、「今日からは、我々はもう黙ってはいない」と強調した。

(後略)


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翻訳者:梅原春奈
記事ID:14374