レバノン南部からのロケット弾発射について国軍とUNIFILが調査

2009年01月11日付 Al-Nahar 紙
■ カチューシャ・ロケット弾の背後に誰が、そして何が?
■ UNIFIL:「ロケット弾を発射したのは専門技術を有する勢力」

2009年1月11日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 ガザ戦争がレバノンに影響を及ぼす中で、安全保障問題は否応なしに主要な課題として関心を集めており、連日新たな展開を見せている。本紙の得た情報によると、レバノン治安部隊および国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の部隊はこの48時間、ナークーラからミルワヒーンに到る諸町村、その間のハット・ドゥハイラからヤーリーンに到る渓谷地域での現場監視活動の規模を拡大した。これらの地域にカチューシャ・ロケット弾[発射装置]が複数設置されているとの情報がレバノン治安部隊および国際部隊に伝えられたため、それらの捜索が実施されたのである。一部の消息筋は、これらのロケット弾設置に「ファタハ・イスラームに近いイスラム主義組織」が関与している可能性もあるとの見方を示しており、その組織がイスラエルへのカチューシャ・ロケット弾発射に関わっていると見ている。

■ 政府報告

 この件に関して本紙が政府関係者に見解を求めたところ、「この件については公式の報告はないし、何ら情報は得られていない」と述べるとともに、国際部隊の司令部から「ロケット弾を発射した勢力は高度な専門技術を有している」との報告を受けたことを明らかにした。

■ 否定

 また、レバノン治安当局関係者はインターネットのサイト「ナウ・レバノン」に対して、イスラエルのメディアが昨日報じた「カチューシャ・ロケット弾の発射に関与したハマース傘下の7人グループをレバノン国軍が拘束した」との情報を否定し、「このニュースは事実無根であり、敵国イスラエルの軍事メディアが広めている噂に過ぎない」と述べた。また同関係者は、「国軍はロケット弾を発射した者を突き止めて訴追すべく、調査を続行中だ」と述べるとともに、「レバノン国軍およびその他の治安機関は、国内平和と安全を維持し、それらを乱すことを許さない決意である」と強調した。

■ ヒズブッラー

 ナバティーヤではヒズブッラーがイマーム・フセインの殉教を悼む行進を組織し、行進はガザとの連帯を表明するデモと化した。「抵抗への忠誠」ブロック代表であるムハンマド・ラアド議員は演説の中で「我々はあらゆる大義のために勝利を獲得する準備ができており、いかなる愚行に対しても立ち向かう用意がある」と述べ、レバノン南部から数日前に正体不明のロケット弾が発射された事件について、「我々は平静を保ち、我々自身が納得せず自ら決定するのでない事柄に巻き込まれないために、十分な叡知と冷静沈着さを有している。また我々は、いかなる口実をもっても標的とされることを許さない」と言明した。また、「我々はイスラエルやその背後にある勢力の動きを逐一監視しており、我々の準備態勢が、敵の想像や思い込みや、2006年7月に思い知ったものをさらに上回る万全な態勢であることを証明するだろう」と述べた

■ ハマーダ議員

 マルワーン・ハマーダ議員は昨日、ラジオでの談話において、ロケット弾の発射に対して政府が立場を明らかにすることが「必要だ」と述べ、「パレスチナ難民キャンプ外に存在し、シリアの命令によって活動する所謂パレスチナ勢力の基地について、再度調査の対象とする」ことを求めた。またミシェル・スレイマーン大統領に対して、「ヒズブッラーを含む全てのレバノン人の名において国防戦略問題に決着をつけ、レバノンはロケット弾発射台ではないということを確認すべきだ」と呼びかけ、「国軍と国家の決定こそがレバノン防衛の牽引車であり、抵抗運動は防衛のための戦略的予備軍である」との見解を示した。


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翻訳者:森晋太郎
記事ID:15566