ミシェル・アウン議員がシリア訪問、アサド大統領と会談

2008年12月04日付 Al-Nahar 紙
■ ジュンブラート議員、[シリア・レバノン同胞協力協調]条約の撤廃を要求、スレイマーン大統領およびカフワジー国軍司令官の国防戦略に対する立場を問いかけ
■ アサド大統領、「栄誉ある好敵手」アウン議員のシリア訪問に対して元首級の待遇
■ アウン議員:「先ずレバノン国内勢力が謝罪をすべきである」

2008年12月04日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 故ハーフィズ・アル=アサド大統領以前の時代にも、バッシャール・アル=アサド現大統領の時代になってからも、レバノンの有力な政治的同盟者たちのいずれに対しても行ったことのない格別の待遇をもって、シリア政府は昨日、1980年代半ば以来初めてとなるミシェル・アウン中将の訪問に対して例外的な性格を付与すべく腐心した。

 1989年から2006年にかけての歩みにおいて、レバノンにおける最も強硬な反シリア勢力の一翼を担ってきたアウン氏が今回の訪問について「新たなページを開くためのものであり、その基礎となるのは開放路線である」との意義付けをする一方、シリア政府側はアウン氏の所謂「オープンマインド・プロセス」に、アウン氏への例外的な待遇をもって応じた。ベイルート空港からダマスカス国際空港にシリアの大統領専用機で移動した彼のために赤い絨毯が敷かれ、元首あるいは著名な公的人物クラスの出迎えが行われた。大統領府に着くとアサド大統領が出入り口で待っており、アウン氏と熱い抱擁を交わした。

 アウン氏のシリア訪問の取材を担当した本紙派遣のマナール・シュアイヤー記者は、シリアの歓迎ぶりを次のように振り返った。アサド大統領はアウン氏に繰り返し「ようこそ」と言って歓迎し、シリア政府高官複数の同席のもとで行われた代表団メンバーとの非公開会議においてアウン氏に対し、「あなたは栄誉ある好敵手であった。私はあなたの屈強さを評価し、あなたをアラブ世界レベルの人物にさせるに至ったあなたの愛国的姿勢を価値あるものだと思っている」と述べた。

 そして、アサド大統領は約2時間に及ぶアウン氏との単独会談を行うよう取り計らった。アウン氏はバーブ・トゥーマ地区の7つの教会を訪問した後、夜にはシリアのワリード・アル=ムアッリム外相やその他の閣僚らとの会合を行い、続いて公式の夕食会が催された。

 アウン氏はアサド大統領との会談を「オープンマインド・プロセス」とでも言うべきものだったと述べ、「多くの痛ましいことがあった過去の影響を残さないために、私たちは心と理性で話し合った」と語った。しかし、自分に対するシリアの歓迎がシリア軍のレバノン駐留時代についてのレバノン国民への謝罪であるとの見方は否定し、「まずレバノン国内の勢力は我々に謝罪したであろうか?今なお我々に打撃を与え続けているのではないか?」と述べた。

 また、「今日シリアで私が見たものは、シリア側からの謝罪ではなく、敬意の表明だ。先ずレバノン国内の勢力こそが我々に謝罪すべきで、その後でダマスカスの対応を問うべきだ」と述べた。

 またアウン氏は、「私とシリアの間には敵対関係はなく、あったのは好敵手としての関係だ。(...)かつては禁忌と考えられていたことが、今や大々的に許されることになったのだ」と述べた。さらにアウン氏は、「1990年のシリアと2008年のシリア」の間には違いがあるとの見解を示し、「その違いは大きい」と語った。

(後略)


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翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラビア語メディア翻訳)
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