大統領喚問を逡巡するのはなぜ?

2012年10月15日付 Mardomsalari 紙
【著:メフディー・アッバースィー】

 第8期国会も終わりに近づいた頃、陰に陽に行われてきたさまざまな努力によって、ついに大統領喚問というタブーが破られ、アフマディーネジャードの名は、国会議員らの質問に回答するために国会に召喚された初の大統領として〔歴史に〕記録された。しかしアフマディーネジャードは「冗談」戦法を使って国会議員らの質問に答え、そのために〔国会議事堂から〕大統領が退出するや、国会議員の間からはただちに抗議の声が噴出した。抗議の声とは、すなわち大統領喚問に関する憲法第88条〔の条文行使〕によって首尾よい結果が得られることを、実質的に保証するものがなにもないということに対してである。大多数の国会議員が大統領の発言に納得しなかった場合、どうしたらよいのか、ということが何も規定されていないのである。

 一方、外貨をめぐる混乱と、この混乱の結果生じている国内における商品の値上がりがきっかけとなって、再度、93名以上の国会議員の署名によって、大統領の喚問をめぐる議論が一部の議員たちの間で取り沙汰されるようになっている。ただし今回は、第9期国会が成立してまだ数ヵ月という時期であり、第10期政権〔=第二次アフマディーネジャード政権〕に幕が下ろされるまで、あと数ヵ月という段階ではあるが。

 イラン・イスラーム共和国憲法第88条によれば、大統領の喚問には、少なくとも全国会議員の4分の1の署名が必要であるが、アフマディーネジャード大統領の喚問実施に必要な最低限の署名数はすでに確保されていることが、各種報道によって確かめられている。ところが国会からの情報によると、経済的な混乱が続いていることに対して国民が懸念を深めているにも拘らず、大統領喚問の実施に対して、逡巡する声が多数聞かれるという。それによれば、1回目の大統領喚問での体験について触れ、大統領に対する国会の質問が「ジョークであるかのように捉えられてしまった」ことを思い起こして、再度、憲法第88条〔が意味をもつの〕を実質的に保証するためにはどうしたらよいかに関心が向いてしまう議員が、一部にいるというのである。

 というのも、もし再び大統領喚問をめぐってしばらくの間、国会の時間が割かれるということになり、最終的に現状の改善に向けてこれといった結果を出すことができなければ、当然この喚問は賢明な措置ではなかったということになってしまうからだ。

 そのため国会は可能な限り早急に、憲法第88条の実施過程が普遍的効能をもつにはどうしたらよいかについて、知恵を絞る必要があるのである。こうした中、もし大統領が〔喚問の場で〕先の記者会見でやらかしたような発言を再び行うようなことになれば、市場に悪影響が及び、経済状況が改善されないばかりか、市場がさらに混乱を深めることになるのではないかと、懸念する議員がいるのである。

 経済状況をさらに混乱させる可能性があるという観点からのこのためらいは、確かに一考に価するが、しかしここで原理派の国会議員らに是非答えてもらいたいのは、なぜ今、こんな状況になってしまったのか、という疑問に対してである。物価高騰やインフレ対する不満が最高潮に達しているにもかかわらず、政府は意味深な沈黙を貫いている状況にある今、なぜ大統領喚問、さらにはその効用について、逡巡する必要があるというのだろうか。このためらいは、〔アフマディーネジャード政権が抱える〕あらゆる問題点、〔政権が取ってきた〕あらゆる素人措置に対して、これまで何年間も原理主義者たちが沈黙してきた結果ではないのか。

 もし原理派が多数を占める国会が最初から、政治的考慮から離れて、アフマディーネジャード政権への監督を全うしていたなら、大統領喚問案を起草している議員たちの間で、その効用をめぐって一般的疑念が生じるような事態に、われわれは今至っていただろうか。

 それゆえ、政府の今日の振る舞い、そして物価高に対する批判の声の広がりへの政府の無関心は、原理派戦線全体がここ数年〔政権に対して〕取ってきた対応の結果だと見なすことができるのである。


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翻訳者:8405156
記事ID:27926