ハーメネイー最高指導者「核の成果を中断することはできない」(3)

2014年04月10日付 Jam-e Jam 紙
 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は国の責任者たちも核の成果に対して強いプライドを持つべきだと強調し、核問題のコスト=ベネフィットについて論じる向きが国内に一部存在すると指摘した上で、

核問題に対するこうした視点は、単純でナイーブである。なぜなら、核の成果によって制裁と圧力というコストが生じたと考える者が一部にいるかもしれないが、しかしこうした者たちには次のように言わねばならないからだ。「核をめぐる口実〔を欧米が手に入れる〕前から、イランに対する制裁や圧力はあったではないか」、と。

 同師はその上で、「核をめぐる口実が存在しなかった時、ある西洋の裁判所はイランの大統領を欠席裁判にかけたこともある。もちろん、いまではイランの国民力のお陰で、こうしたことを敢えてするようなことはなくなったが」と付け加えた。

制裁や圧力は核問題が原因ではない

 イスラーム革命最高指導者はさらに、「制裁や圧力は核問題が原因ではない。そうではなく、彼ら〔=欧米諸国〕はイスラーム的な信仰・信条を源泉とするイラン国民とイスラーム共和国の自立的アイデンティティに、またこの国民と体制を待ち受ける〔明るい〕将来の展望に、そして彼らが〔欧米の〕言うことに屈しようとしないことに、反感を抱いているのである」と指摘した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はさらに、次のように強調した。

それゆえ、制裁と圧力は核の成果がもたらしたコストだという意見は根拠薄弱である。なぜなら、核問題がなくとも、彼らは〔イランに制裁を科すための〕別の口実を手に入れただろうからだ。実際、交渉中の現在も、アメリカは人権という口実をもちだしているのである。


強圧的な要求を受け入れてはならない

 同師はまた、「もし人権問題が解決されても、彼らは別の口実を手に入れようとするだろう。それゆえ、進歩・発展の道を力強く歩み続け、強圧的な要求を受け入れないようにするのが、〔イランに残された〕唯一の道なのである」と語った。

 イスラーム革命最高指導者は、交渉は継続されねばならず、その枠組みも核問題〔だけに限定されねばならない〕と強調した上で、「我が国の交渉担当者らは、相手側の強圧的な要求を受け入れるようなことがあってはならない。国際原子力機関とイランの関係も通常の関係であり、特別なものであってはならない」と指摘した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は核の専門家らが手に入れてきた数々の成功や成果は、神への信仰と道の正しさに対する確信の結果であるとした上で、「こうした信仰の結果、神の支援と導き、そしてわれわれが目にしてきたさまざまな跳躍がえられたのである」と付け加えた。

 同師はこうした跳躍がこれからも続き、日増しに大きなものになっていくことに期待を表明しつつ、原子力庁の責任者たちの苦労と努力、特にサーレヒー原子力庁長官、そしてこれまでの歴代の高官たちの努力に感謝の意を表明した。

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本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。


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翻訳者:大麻高校出身者の会
記事ID:33549