ハーメネイー最高指導者「核合意は一段階式でなければならない」(3)

2015年02月09日付 Jam-e Jam 紙

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下が指摘した第一の点は、「合意することそのものには賛成である」ということだった。同師曰く、「私は可能であるならば、〔核交渉で欧米諸国と〕合意することに賛成である。ただし、《悪しき》合意には賛成しない」。

 同師は「合意しないことは悪しき合意よりもよい」という、アメリカ側が繰り返している議論に触れ、「われわれも同じ考えだ!合意しないことは、国益を害し、偉大なるイラン国民を侮蔑する元となるような合意よりもよい」と付け加えた。

 イスラーム革命最高指導者が指摘した二番目の点は、敵の手から制裁という武器を取り除くために、〔政府の〕責任者たちや交渉団は不断の努力を行っている、ということだった。同師はその上で、次のように述べた。

もしこうしたことが起きて、合意によって制裁という武器が敵の手から取り除かれるようなことになれば、それは大変よいことである。しかしもしそうしたことにならなくとも、皆が知っておくべきは、制裁という武器をなまくらにするための手段は、国内に豊富にあるということである。


 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はさらに、「もし努力によって自らのもてるものにしっかりと関心を払うならば、たとえ制裁という武器を敵の手から取り除くことができなくとも、それをなまくらにすることは可能である」と強調した。

 イスラーム革命最高指導者が指摘する第三の点は、核交渉でイラン・イスラーム共和国が合理的な行動を取る一方で、相手側は不合理で、無理難題をふっかけてくるような振る舞いをしていることについてであった。アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は大統領が先日、交渉とは双方が共通の点に到達すること〔を目指すもの〕だと発言したことに触れ、「だからこそ、交渉では一方が不合理な振る舞いによって、自らが期待することをすべて実現させようと試みるようなことがあってはならないのである」と述べた。

交渉におけるアメリカの振る舞いは不合理である

 同師はその上で、「交渉の場でのアメリカやアメリカに追従する一部のヨーロッパ諸国の振る舞いは、不合理なものである。彼らは強欲にも、自分たちの望みはすべて実現されるものと思っている。しかし、それは交渉のあり方とは言えない」と指摘した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は相手側の強欲に〔政府の〕責任者たちがしっかりと立ち向かっていることについて、非常によいことだと評価し、イスラーム共和国がさまざまな局面、例えば「聖なる防衛」〔※イラン・イラク戦争のこと〕や〔国連〕決議第598号〔※イラン・イラク戦争の停戦決議のこと〕の受け入れ、その他戦後の様々な問題で、合理的かつ理性的な対応を示してきたことに触れ、「イスラーム体制は核交渉でも、論理に則って行動している。しかし相手側には何の論理もみられない。彼らは不合理な対応に続いて、腕力に物を言わせる態度を取っている」と指摘、さらに「イラン国民は無理難題を押しつける、強欲で不合理な振る舞いに屈するようなことはない」と強調した。

 イスラーム革命最高指導者は再度、「私は交渉が継続し、進展すること、そしてよい合意に達することには賛成である。イラン国民も、国民の名誉・尊厳が保たれているような合意ならば、それに反対するようなことは絶対にない」と述べ、さらに「交渉では、イラン国民の尊厳や進歩が守られていなければならない。なぜなら、この国民はアメリカであれ、それ以外であれ、相手側の無理難題を受け入れることに慣れてはいないからだ」と強調した。

つづく


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翻訳者:カイテオス・エンホロゴス
記事ID:36956