Mehmet Y. Yilmaz コラム:ギュルの政界復帰はあるか?

2015年03月10日付 Hurriyet 紙
前大統領のアブドゥッラー・ギュルは、公正発展党(AKP)から国会議員候補として政界に復帰するという話は最近注目される話題の一つである。

ギュルが、レジェプ・タイイプ・エルドアンの同意なしにこのことに取り掛からないのを推測するのは難しいことではない。ギュルは、性格からしてエルドアンとの厳しい政治闘争に入ることを望まず、脇に座ることを好む。こうした状況で疑問は以下のようである。エルドアンはギュルの政界復帰を望むのだろうか?この疑問にはふたつの返答がある。

1-ギュルが、国会議員になって、お行儀よく座って、エルドアンが指示した領域から外れないことを初めから認めれば、エルドアンは復帰を望むかもしれない。それではギュルは、このような国会議員になるということを大人しく受け入れるのだろうか?実際のところは、そう思えないのであるが、しかし政治では決めつけてかからないことが必要であり、長期的な政治的な期待があれば、ギュルもスタートとしてこのようなことに同意するかもしれない。

2‐エルドアン大統領がトルコの政治動向を大規模な調査によって密接に追っていることが分かっている。もしその調査が、今日のAKPのトップであるアフメト・ダウトオールのパフォーマンスの「力不足」を示しているのであれは、エルドアンは「感染準備」の可能性がある!エルドアンの「第一の」目的が「トルコ的な大統領制」をもたらすことであったとしても、「死活」目標はAKPがもう一度単独の政権に就くことである。もし調査がダウトオールのリーダーシップにおいてAKPの深刻な後退を提示するのであれば、ギュルの政治的特典の恩恵を受けることを選び、「大統領制の熱意」を選挙の後の展開に残すかもしれない。

もちろん、大統領制の問題ではエルドアンとギュルの考えは合わないのだが、忘れるべきでないのは、政治とはこのようなものであり、選挙の後でギュルがこの変革に同意することも常に可能性の枠内である。

今日のAKP党首にして首相であるアフメト・ダウトオールには「この圧力下の」政治劇の脇役以外の役割も回ってこないのだ、そのことも明言しよう!エルドアンが彼に「行って来い。アブドゥッラー・ベイをこれ見よがしに党に招待するんだ」といえば、ダウトオールが任される役回りにはまさにこのことなのだ。

■その時には皆、一蓮托生!

この嘘の風というのは全く消えることがなく、熱を上げながら一定の期間を空けて私たちの前に現れてくるように見える。味方のメディアの書き手たちが受け取った指図を実行して、一斉に唱え始めたカバタシュの嘘の新しい展開のことである。今回は暴行されたと主張する義父の話によってはじめられた。

バフチェリエヴレル区長のオスマン・デヴェリオールは、サバフ紙に掲載された記事において以下のように述べている。
「この事件に関する唯一の映像記録は、カバタシュ波止場のイスタンブル海上バス株式会社(IDO)に属するカメラの17分の記録です。検察官の前にある唯一の映像は、特定のグループたちに近いメディアに提供されています。しかしながら義理の娘が暴行されたかもしれない瞬間は消されて捨てられてしまったようです。通常通り、何の問題もなかったかのように見えた瞬間を取り出したそうです。現在、私たちに不利に用いられている証拠のカメラの映像を見て子細に点検しました。映像を完全にご覧になられると、私の義理の娘が混雑したグループの中にいる様子が見て取れます。波止場の側にあるカメラが捉えた映像では、その場面を完全に見て取ることはできません。義理の娘はこの17分間の映像の全てに現れていません。カメラが捉えることのできない場所も通っているのです。」

オスマン氏は「唯一の映像証拠」、それが編集されていると言っている。しかし本人もわかっているように「唯一の映像記録」と言えるようなものは存在しない。

事件の知らせの後にイスタンブル警察は、カバタシュ波止場の中心部とそこを中心とした7キロメートル範囲内の場所にある全ての監視カメラ記録を点検した。事件が起こった時刻の二時間前と二時間後までこの地域にあった全ての映像記録が調べられた。探したのは、暴行にあったと主張する女性が示したタイプの人間たちだ。
黒い革のパントロンを着た、腰より上は裸で、手には手袋をつけ、頭にバンダナを纏った、60‐70人の大人数の男のグループだ!

このような人物にその映像ではまったく出会えなかった。警察はさらに事件起こった日時にそこからシグナルを発した携帯電話の持ち主を警察に呼び出して尋問した。この人たちのうちの誰一人として、言及されたタイプの人びとを見聞せず、携帯電話で写真を撮ることもしなかった。女性の身体と振り飛ばされた赤子いずれにも、このような暴行の結果にあるはずのトラウマの跡はないのだ!女性を助けようとした際に「酷く殴られた」年を取った男と孫についても一切その影もないのだ。

市長は記事で「二重権力を築いていた側の警察官たちからも」疑われたと言っている。彼によればこの警官たちは故意にその映像を消して、編集してしまったのだ!忘れられいるのは、その当時には彼らは一蓮托生だったことだ!!

その当時の首相のエルドアンは、警官らに「欲しいものが何であれ与えていた」!彼らも何を望もうがそのことをしていた!今日刑務所の中にいる一人の警察署長が、県警部長と知事が入口で待っている際に、首相の部屋で何時間も留まっているというのも秘密ごとではない!

小さな謀をしたのでしょうが、その仕事に性的なファンタジーも混ざってしまったので嘘は漏れでて捉えてしまったのだ!

■首相はこれを読まなければならない

アフメト・ダウトオール首相は、国内治安法案がアメリカ[の考え]と合致しているものであると述べた。この前にwww.diken.com.trのサイトでドイツ連邦警察労働組合長のある発言が掲載された。

エルマス・トプチュの質問に答えたライナー・ヴェルトは、「トルコで生じていること、行われようとしていることは、アメリカ合衆国の標準やドイツの警察の基準との関係はありません」と述べている。

そして違いを説明している。
「ドイツでは警察の上に政府から独立した上級の役人がいます。そうです、ドイツでも警察は連邦議会と連邦政府によってコントロールされるが、しかし彼らの内の誰一人として警察へ介入する権限はありません。ドイツでどんな大臣どんな上級役人も、警察の捜査へ、仕事へもしくは尋問に介入することができません。 そして警察は、どんな政党にも軍隊にも従わず、指令を受けず、ただ法律が改正されて何が書いてあろうとそれを見ます、政治家の部隊ではないのです。」


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翻訳者:堀谷加佳留
記事ID:37094