Akif Beki コラム:PKK攻撃に反対する2種の人々

2015年08月01日付 Hurriyet 紙
 「公正発展党(AKP)は選挙活動を空爆によって始めた」と言う者はいないのか?彼ら自身内部で大きく2つに分かれている。

 1つは「2人の警官が殺されたと、カンディルを爆撃するのか」という風潮だ。「明らかなのはPKKを狂乱させ衝突を引き起こすため…。デミルタシュ人民の民主主義党(HDP)党首のカリスマ性に傷を付けてHDPを罰するためにあのジェット機は飛んでいる」との主張に大いに固執している。もう一方はというと、「しかし先に PKKが始めたことも、衝突を彼らがけしかけたのもいずれも我々は記録した。我々が見ていなかったとは思わないでくれ」というグループで、AKPを非難するためにPKK(クルド労働者党;非合法)の関与を拒否・拒絶する手法を追求しない人々だ。

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 この後者のグループも少なくとも前者同様にAKPに反対している。後者の人々も少なくとも前者のグループ同様、ことがAKPのために有利に働き、 (AKPが)単独で政権を再奪取するのに寄与すると考えて、カンディルが攻撃されるのを激しく、嫌悪をもって反対している。この者たちは少なくとも彼ら同様、もしくはそれ以上にHDPを選挙の足切り10%以下にするあらゆる展開に対して過度に意を配り、非常に注意深くしている状態だ。

しかし少なくとも、彼らは前者のグループの者ほどPKKの裏切りの殺人行為に目を瞑っているのではない。HDPの票を引きずり下ろすあらゆる脅威や危険に対し彼らは注意深いのである。HDPのデミルタシュ党首の人気に傷を付け、票数にダメージをにおわすすあらゆるリスクの気配を瞬時に察知し、即刻主張を始めることにかけては、彼らのアンテナは涙が出るほど非常に敏感だ。彼らは自らを犠牲にした防衛の展開や、本体を守ることや、「HDPに来る者は私に来るように」と言うことにおいて、もう片方のグループの者たちにもひけをとらない。しかし少なくとも現実主義者たちは、起きている出来事に対して目を開き耳を澄まして、自らや他者たちをも騙せるようなナイーブな間違いに陥ることはない。

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 さて、解決プロセスが終わって衝突時代に逆戻りすることによりHDPが最も損害を被ると恐れる者がいる…。HDP票に大いに関心を抱く者たちや、「どうか13%に、何も起こりませんように。エルドアンに対する我々の唯一の保証がそれだ」と言う者たち…。そこで彼ら自身は、内部でひとまとまりではなく、大筋で2つの見解に纏められる。一つ目は、PKKに咎を負わせない。彼らは政府にすべての罪を負わせる。ただ単独政権を存続するために戦争を引き起こし、汚い処置を講じ、血なまぐさい芝居を演じていると述べる。二つ目の見解は、一つ目のそれと同様に政府の意図を問い詰めながら、PKKにも責任を問う人々である。陰謀ならそれにはPKKの指痕があることや、戦争なら戦争発生にPKKが少しもいらだっていないことや、芝居なら行動開始にPKKの役割も少なくないことを、少なくとも彼らは隠そうとはしない。彼らはHDPの弱体化によって利益を得る唯一の演者がAKPでないことや、カンディルにいる武装した後見体制もその利益をHDPの損失にみていることを白状することができる。

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 HDPの支持では少なくとも一つ目の見解の人々同様に(第二の彼らが)先に行くなら、AKPに対する嫌悪ではひけをとらないが、違いはある。彼らは少なくとも武力に訴えない政治に展開していったことが武装組織に不快感を与えたことを否定せず、与党を悪く見せるためにPKK内部の権力闘争を隠そうとはしない。少なくとも休戦状態がエルドアンが崩した不安を広げる一方で、カンディルの有力者たちが後見体制を存続するために何を受容できるかのことで人びとを疑わせることが出来る。少なくとも彼らは「ロープが手から滑る」とパニックに陥ったカンディルの指導者たちの流血への関与をないものとは見なさない。少なくとも彼らはジェイランプナルで2人の警官を睡眠中に首を締めて殺害した者たちがHDPを背後から撃ったことを明確にすることができる。少なくとも彼らは卑怯な殺人をまず引き受けてその後「自治的な現地のグループが我々に伺いをたてずに自分で行ったようだ」のようなまさに言い逃れが通用しないと言及することが出来る。

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 休戦が終わることで、政治的にHDPが最も打撃を受ける。ここに異論はなく、皆が賛成している。しかし「射たないよう」と言う者たちは2つに分かれる。殺人者の素性を隠してしまう者たちと隠さない者たちだ。引き金を引いた人物を守る者たちと守らない者たちだ。真の犯人が捕まるのを望む者たちと望まない者たちだ。少なくともこの二つ目の見解の人々は、HDPが単に単独政権を抑えますようにとは言わない。彼らはテロの飽くことない血への熱望を抑えることを期待している。


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翻訳者:伊藤梓子
記事ID:38406