Oral Calislar コラム:クルド地域で「自治行政」・・・・

2015年08月15日付 Radikal 紙
このプロセスが、断絶への道を開くのか? その地域へ、クルド人へ、トルコへの代償はどうなるのか?平和的な解決方法は、どのような基盤の上でなら新たに議題に上らせることができるのか? 我々は複雑なプロセスを論じている。

昨日、オズギュル・ギュンデム紙の一面に写真つきで掲載された記事の見出しは、このようなものだった――「自治広がる。」

記事にはこのようにある。「エルドアン体制が打ち出した全面戦争の考えに対し、自治宣言が発表されている。」

その数は徐々に増えている。現在までに自治宣言を出した郡は、スィロピ、ジズレ、ヌサイビン、シュルナク、ユクセコヴァ、ブラヌク、ヴァルトだ。これらの郡で、「都市議会」や「市民議会」といった組織によって決議され発表された決定は、「つまり、ファシズムに傾いた政府に対し、自己防衛を確固たるものにする。この基盤の上に、我々は自由な生活を構築する」、などの理由を根拠としている。

■KCK「自治以外の選択肢はない」

PKK・HDPの勢力が最も強い地域で宣言されたこの「自治」の問題は、クルド地域が新たな局面を迎えたことを示している。

私は、8月8日の記事ではこのような展開の兆候を強調した。KCK(クルディスタン社会連合)の執行部の一人であるドゥラン・カルカン氏が、オズギュル・ギュンデム紙に寄せた文章の一部にも触れた。ドゥラン・カルカン氏は、「民主的な政治は何をすべきか?」という見出しの記事で、6月7日の選挙結果を評価し、次のように断定している。「6月7日の総選挙の結果は、トルコ国内に、より大きなクルディスタンの版図を描き出した。多くの地域が、この結果はクルド市民による民主的な自治に賛成したものと明らかにしている。」

■地域運営のモデル

8月8日の私の記事では、この状況を評価したギュルビュズ・オザルトゥンルの解説も紹介した。「明らかな、オジャランの平和政治からの逸脱があった。反乱を指揮し、数年の間に民族的なつながりを通じて強力な社会的結びつきを作り上げた政治家は、国家形成という展望を捨てていなかったことがわかった。シリア・イラク問題を解決するプロセスが―国境の支配権を失い、新たな勢力図が広がる中で、有力国家の信頼を得られる基盤の模索や、これらの政治家による地域政権への欲望を高めている。政治が、あらゆる可能性を、この方向に社会を操作するために使い始めている。」

KCKもまた、この展開を支援するような、つまり「自治」宣言に沿った発表を行っている。オズギュル・ギュンデム紙(2015年8月13日付)に掲載されたKCKの発表から一部を引用する。「KCK執行委員会共同代表は、クルディスタンの市民議会の自治宣言を支援すること、AKP政権の国民国家の主張に対 して、クルド市民には自治以外の選択肢は残されていないことを宣言する。」

KCK共同代表の発表は次のような文章で締めくくられている。「地方から民主主義を発展させ、自分たちで自分たち自身を治め、この基盤の上にトルコを民主化し、全てのトルコ国民と社会層を自由で民主的な生活に接合することが、クルド市民の唯一の目的である。トルコ政府と政治権力が市民のこの意志に敬意を払い、民主主義の形成を認め、トルコを政治的行き詰まりと戦争から救い出すよう、我々は呼びかける。」

■「戦争は続く」のか?

早期の選挙と政党連立への議論が濃厚だった頃には、次善の策にすぎなかったこの展開は、真剣に考慮されるべき新たな段階を指し示している。近頃拡大している衝突やPKKの活動といった、もしかしたら次善の策を我々が理解するうえで手助けとなるかもしれない手がかりとも我々は直面している。

KCKは、政府へこの「民主主義の形成」を認めるよう呼びかけている。そして、そうすれば「トルコが政治の行き詰まりと戦争の中から」抜け出すことができると述べている。

以前にも何度か指摘したことだが、解決プロセスは危機的段階にさしかかっている。実際我々が最初から想定していたように、我々が重視していた問題が、今トルコの目の前にそのまま残っている。PKKやこの政治の動きが派生したものは、地域を治めることを望んでいる。シリアで彼らが言っていた、「準州制」あるいは州制をトルコで実現させようと彼らはしているのだ。

■平和と武器

クルド人の中から出てきた政治的な動きがこのような要求を行うこと、公正な政治的基盤の上に平和主義的な手順を用いて発言することは、ある種の政治的権利としてとらえることができる。クルド人の中から様々な政治的組織が形成される中、「独立クルディスタン」や「連邦政府」を平和主義を前提に唱える人々は、かなり前から存在していた。

現在の問題は、この法に則った主張とは離れた状態が見られることだ。武力組織が主張を行い、問題は新たな様相を呈しつつある。事実、これらの都市は激しい武力抵抗や衝突の渦中にいると感じられる。

政府勢力もこの抵抗を抑えるために幾度も介入しており、衝突が広まっている。

このプロセスが、断絶への道を開くのか? その地域へ、クルド人へ、トルコへの代償はどうなるのか?
平和的な解決方法は、どのような基盤の上でなら、再び議題に上らせることができるのか?
我々は複雑なプロセスを論じている。


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翻訳者:粕川葵
記事ID:38438