Taha Akyolコラム:臨時党大会

2016年05月23日付 Hurriyet 紙
公正発展党の臨時党大会が予想通りの結果となった。まず以下のことを明らかにしておきたい。トルコでは、党大会はもうとっくに党内部での自由な議論と本当の選挙の舞台の場ではなくなり、大いなるヒロイズムを帯びたプロパガンダと承認の場になった。特に右派政党はこうである。すべての党で火曜日に実施されるグループ会議もこうである。

メンデレスの民主党、デミレルの第1期の公正党、テュルケシュの9月12日[の軍事クーデター]以前の民族主義者行動党は全くこうではなかった。自由な議論、批判、本当の選挙が行われていた。

トルコでは政党組織の弱体化とテレビの出現は、党大会を容易に政治的なプロパガンダと事件が発生する場に変えてしまった。

これが一般的な推移である。政治学者のジョバンニ・サルトーリは、「憲法工学」という著書の中でこれを「ビデオ民主主義」と呼んでいる。

もちろん民主主義の質を低下させるものである。

■政党のリーダー

公正発展党の党大会に話を戻そう。

結果は事前にわかっていたが、極めて重要な出来事もあった。

まず、大統領のエルドアンが従来よりもさらに支配的である政党の仕組みになった。メッセージを党大会参加者全員が起立して聞いた。もちろん従来からエルドアンが党のリーダーであった。しかし、今回の党大会で「党を作った党首」という位 置づけの代わりに、法務大臣のベキル・ボズダーの表現によると次の位置づけになった。

「この政党には唯一のリーダーがいる。大統領のレジェッ・タイイプ・ エルドアンである。公正発展党の存在し続ける限り、こう続いていくだろう。」

新首相のビナリ・ユルドゥルムもスピーチをこの言葉で始めた。「大統領制」もとりわけ強調した。遂行者のビナリ。

ユルドゥルム新首相は、道路、橋、空港について言及する一方、サロンでテンポよく「レジェプ・タイイプ・エルドアン」というスローガンを熱烈に掲げた。

新しい党執行幹部の名前には党創設メンバーは減少して、新しい名前やあまり知られていない名前が増えた。

新内閣の最初の閣議を大統領府で行うことは、その絵を仕上げることになろう、実質、大統領制であると...。エルドアンは、このことを2015年8月14日にすでに述べていた。

■ダウトオールの異なる発言

党大会で明らかになった最も重要な点の一つは、アフメト・ダウトオールのまさに「異なる」発言である。エルドアンについて単に「大統領であり党の創設者である指導者」と述べた。大統領制については口にせず、「その精神が公正であり、自由主義的で民主主義的な憲法」と強調した。

さらに重要なことは、ダウトオー ルが「共同の知恵」という考え方を強調し、さらに、「公正発展党の活動は、国民の共同の知恵の産物である」と話したことである。

自分自身が成功した首相であるにも拘らず、職を辞さなければならないとも述べた。「あなた方と国民の良心の中で共通して生じた不快感にも気付いている」と批判し、辞任に単に党の一体化のために従ったと発言した。

以下の言葉もダウトオールのものである。「あらゆる委任行為同様、与党も試験を受けている。与党は決して乱れ迷い、権力に溺れてはならない。委託されたものに害をもたらすべきではない...。私たち誰一人として不動の者ではないからである。」

ダウトオールのこの言葉は歴史に残された言葉である。つまり短期的な政治的な結論とはならないだろう。とりわけ、もし政権とトルコの行き先が正しければ、未来に輝かしい時代があれば、これらの言葉は忘れ去られるだろう。

しかし、向かう方向がよくなければ、困難な時代になったとしたら、その時はこれらの言葉は甦るだろう...。

そうした時代になれば、ビュレント・アルンチの最近の発言も甦るだろう。学者ダウトオールは党大会という雰囲気の中での自らの個性的で異質な言葉が将来想起されることになろうと考えて発言した、と筆者は思っている。


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翻訳者:新井慧
記事ID:40533