Taha Akyolコラム:MHP

2016年06月20日付 Hurriyet 紙
党員の要望により、民族主義者行動党(MHP)で特別大会が開かれたが、これは様々な点から極めて重要だ。
トルコにおけるすべての右派政党の中で最も大所帯なのが公正発展党(AKP)で、党首への崇拝とその末端組織に至るまで「上からの」構造が出来上がっている。他方、MHPは、「党首・党議・組織」という思考が強い政党である。こうした構造をもつことから、党執行部に対して「末端から」起こった行動によって、特別大会が昨日開かれた。
司法は、700人を超える党員の特別会議要求を正当なものと判断した。
この大会で、「民主主義、法治国家、司法による決定」といった概念が何度も強調されていたことが重要だったと私は考える。この種の概念は、本を読むことよりも、むしろこれらの必要性を感じ、経験することで、人間の精神と心に宿るものだろう。
今回の特別大会はトルコにとっても重要なものだった。

■政権とMHP

2015年6月7日の総選挙で、MHPは80議席を獲得した。しかし、その後行われた11月1日の早期選挙で190万票がMHPを見捨て、AKPに流れた。
MHPの議席数は40に落ち、得票率は12%下落した。AKPの議席は317席に達した。
200万人近い有権者のこの行動は、2つの政党の間の流動性を示すものであり、これがトルコにとってどれほど重要であるかを明らかにしている。
AKPが単独で憲法を制定できるようになるかは、次の選挙でMHPからどれだけ票を奪えるかにかかっているし、論評もこのような方向で行われている。
しかし、憲法は合意を以て制定されなければ、統一性を持てない。
トルコの政治的状況においては、MHPがこの点から重要な「自由の尊重」を心得ていることは明らかである。
そのため、MHPが一枚岩であり、特別大会でも何度も言及された「民主的法治国家」の原則を第一に掲げる党であることを、すべての民主主義者は望むべきである。

■バフチェリとMHP

デヴレト・バフチェリ党首は、初代党首テュルケシの死後、MHPの分裂を防いだだけでなく、得票率を2倍に増やし、今日の状態にした。もちろん、これについては社会政治的な条件の変化も重要な役割を果たしている。
しかし、MHPは、現在の社会政治的な条件において、閉塞しているように見える。そもそも党の足元から行動が起こされたのも、これを変えようとしてのことだった。大会でテレビ会見を行ったオスマニイェ支部のハサン・ヒュセイン・チュルクオール氏は、この動きをしっかりと説明した。
特別大会のために裁判所に提出された要望書の署名は党員540名分だったにもかかわらず、昨日の大会で公証人の前で署名した党員の数は、私がこの記事を書いていた間に650を超えた。間違いなく、これは下からの運動である。
しかし、党執行部にも基盤がある。合意がなされないならば、党の分裂という危険性があるのだ。
デヴレト・バフチェリ党首とその盟友たちが、昨日、完全に合法的に行われた大会を正規のものとみなさず、反抗的な党員を中央の決定により党から追放するような道を行けば、党内の亀裂は完全に深まるだろう。こうしたことがあってはならない。

■法的な状態

一人の法律家として意見を述べさせてもらえば、昨日の特別大会は法律と、司法の決定に沿ったものである。大会とその決定を無視するならば、論争は深まり、結果は一つしかない。
党の分裂を防ぐためには、合意の他に方法はない。反対派は、常にバフチェリ党首に対する敬意を表してきた。反対派はこの態度を続けるべきだし、党首も特別大会を認めるべきだ。
予定されている党内選挙はすべての派閥が参加し、結果を皆が受け入れるべきである。なんとなれば、これは国家における民主主義、法治国家、自由主義といった概念と同じものだからだ…。政党においては、党内の民主主義と党則、そして党員の意志といった概念は、意見の対立を血を伴う争いにせず、すべての派閥の人が参加した選挙で解決するためにある。
特に今の状況を鑑みると、MHPが分裂すれば、それはとてつもなく大きな結果を生むことになるだろう。


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翻訳者:新井慧
記事ID:40710