Fikret Bila コラム:近代文明の水準へ到達することとEU加盟

2016年10月04日付 Hurriyet 紙
トルコ国民は7月15日の流血沙汰のクーデター計画に対して民主的で世俗主義の共和国を支持し、クーデター計画を制圧した。

7月15日の代償は重かったが、私の見解では、最大の収穫はこれである。

その夜、明るみに出た真実は、偉大なるアタテュルクが築き、「最大の作品」と言い、若者に託したトルコのために、彼が描いた道筋と示した近代文明の水準のゴールが、トルコ国民によってすでに我がものとされているということだ。

国民は軍による後見、民主主義と世俗主義を破壊し築かれる後進的宗教国家、イマーム体制に反対し、命と引き換えに民主的世俗主義体制の選択を表明した。トルコ共和国が近代文明の水準に達し、さらには超えるために、この道を続けることを望んだ。
政府機構に課されたことはこの道に踏み出されるべき一歩を出すことである。

今日、軍の後見について言及できないのと同様、7月15日をもって、非常に重要な危険を打ち破り、大きな障害からも救われた。

政府機構がこの後、とるべき手段は民主的世俗主義体制を強化することでなければいけない。
民主主義と、社会機構と政治への参加チャンネルを増長させ、政党政治を民主化し、軍事介入の可能性及び、世俗主義を強化し宗教が政治に対し支配を発揮するようになる土壌を取り除くべきである。

トルコはしばしばクーデターやクーデター計画にさらされるが、民主主義と世俗主義国という性格をもって中東で正当な基盤の上で成り立つ唯一の国である。欧米諸国の過ちは、トルコのこの特徴を支えるところであるのに、それどころか、排除するべき反世俗的で反民主的なギュレン派のような組織に期待をし、援助したこと、援助してないように見えても傍観者であることを隠さなかったことである。この方法で、中東の国々へ「新しいモデル」を生産しようと考えることは、陥ってしまった最大の過ちのうちの一つである。

近代文明の水準の名のもとに、西洋の民主主義、人権、法治主義、経済の安定、所得の配分バランスのような価値観を基本とし、ヨーロッパ連合に加盟しようとするトルコの代わりに、ギュレン派のような反民主的で反世俗的組織を中東にとって、「穏健イスラーム」という名でもって、モデルにしようと試みることは、欧米諸国それ自体の価値観を否定し、偽善の政策を遂行するのと他ならない。

7月15日にトルコ国民はこれを壊し、歩むべき道を全世界に示した。このメッセージはもはやアメリカとEUにより受け取られなければならない。

■EUの独占ではない

トルコはアタトゥルクが示した近代文明のゴールに沿って、その選択をEUの側に初めて行った初めての国のうちの一つである。53年間加盟するためにEUの門の前で待たされている。

特に、ソビエト連合の崩壊後、EUに完全加盟した国々を見ると、トルコは完全加盟することにとっくに値すると容易にいえる。もし今日トルコがEUのメンバーでないなら、未だにドアの前で待たされていたら、これの責任は大きくEUにある。

EUは言及しないが、この反対的態度の主な理由のうちの一つは、――おそらくもっとも重要なのは――、トルコの人口が(少数派を無視するなら)ムスリムであるからだ。
トルコは1963年にそうであったように、1980年代末と2000年代初頭にも、EU 加盟に関して積極的であり、そのことで重要な改革をしたが、それは、EUを民主的世俗主義体制と国民の一体化と国土の一体化の保障とみたためである。これに対し、EUはトルコを引き続き押しのけた。

トルコはEUの価値に追いつき、実現するための目的と手段を諦めてはいけない。EUの価値観として知られている価値観はEUの独占物ではない。

この価値観を実現するためにEUのメンバーになることは条件ではない。

中道的右派元リーダーで、元首相メスト・ユルマズが昨日のヒューリイェットで行ったインタビューは、そこで語られた洞察と提案の観点からとても重要で注目に値するものだ。ユルマズ氏が主張したように、この価値観に追いついて、実現した後、EUがトルコのメンバーになることを拒否すれば、これは彼らの歴史的責任になるだろう。トルコはアタトゥルクの示した道を歩み続けるだけだ。


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翻訳者:鈴木 唯
記事ID:41395