Selcuk Sirinコラム:経済危機脱出の3条件:公正・自由・教育

2016年12月05日付 Hurriyet 紙
長年“そろそろ来るぞ!”と言っていた経済危機は姿を現し始めた。ここにどのようにして私たちが至ったかというテーマにおいて様々な意見があったとしても、ここからどのようにして脱するかというテーマにおける1つの意見の一致がある。構造改革が条件だ!今、議会に議席を持つ4つすべての政党が選挙の公約文において発表したものだ。なぜなのか?

■なぜ構造改革?

トルコは旧式の農業、安値の観光業、もしくは建設業で得られる10万ドルの国家収入の境界に達した。8年間その境界で推移している。実際に、あの最近のドル危機と国家収入の計算をしたならば、推移しているどころかバックギアのままアクセルを踏んでいる状態にいるのだ。国富が費やされつつあるこのプロセスにおいてどこかへぶつかる前にできるだけ早く、各政党がそれに関して同じアイデアを持っている構造改革を、私たちが実現する必要がある。そうであるならば、この改革は何であるか?

■法の優位性、基本的自由、そして現代の近代的な教育!

構造改革はもはや、ガムのようになってしまったコンセプトである。名前に言及するばかりで中身を埋めることのできないコンセプトだ。それゆえ解決策を言おう。
はじめに、この危機から脱するため法の優位性を私たちが確立する必要がある、なぜなら、公正な競争でないならば生産は増えないからだ。
2番目に、旧式の経済から付加価値の高い経済へ私たちが移行するため、情報の入手を阻害する、経済的・政治的な障壁を取り除く必要がある。
3番目に、人口の半分が若者である国として、子供たちに世界と競争していける能力を身に着けさせることが必要である。
つまり、公正、基本となる自由、そして教育という分野で構造改革を実現させる必要があるのだ。

■開発の基盤としての公正な競争!

競争はただ、公正で、法による保障の下におかれた環境でのみ繁栄していく。法的保障の下におかれる公正な競争条件があるとき、人々は経済生活へより積極的に参加し、より多くの成果を得る。同じ形で、外国資本は、法が働かない国々には行かない、あるいはいつでも撤退できるようにしておいて行くのだ。
  トルコは2016年、「法準拠指数」において、残念ながら113か国の中で99番目に落ちた。しかし、そんなに遠くない何年か前には50番目であった。この分野における成績表を修正することなしに、経済的なゆとりを恒久的な形で増やすことは可能でない。

■基盤となる自由はもはや経済的コンセプトだ!

付加価値の高い経済は、同時に情報経済である。個人が無制限に夢をみることができ、みた夢を自由に発展させることができるとき、そして生み出した考えを自由に共有できるときに付加価値はあらわれるのだ。
詳細を前回の記事で私が述べたように、とある国において情報にアクセスする自由は、その国でのイノヴェーションの水準のほとんど半分を説明し、イノヴェーションの水準はそのまま国家収入を決定するのだ。まとめると、どれほど自由であるかが繁栄にかかわるのだ!トルコは、現在、トルコがその中にいる経済危機から脱するための基盤となる自由の前途を開くため、一歩を踏み出すことが強いられている。

■子供たちは世界と競争していける能力を持っていない!

新経済の原動力は能力のある個人だ。かつて地下資源や地政学的な位置がどれだけ重要であったとしても、今は能力のある人間の可能性がそれと同様だ。それゆえ、OECDや世界銀行のような国際的な組織は、教育を測る評価の仕事に携わっている。OECDは何年にも渡って、PISAテストを使って15歳の若者における能力を測定している。世界銀行はというと、TIMSSを使って数学と理科の分野における達成度を測定している。その2つの評価において、G20の国の1つであるトルコの子供たちは上位20位以内に入っていない。

■就学前教育から研究志向の大学まで、緊急に改革を!

人口の半分が教育年齢にあるこの国は、この大きな可能性をもつ子供たちへ、一刻も早く能力を身に着けさせなければならない。このために教育において構造改革をしなければならない。質の高い就学前教育から広く広まっている科学高校に至るまで、そして研究志向の大学から、エリートのAR-GEセンターに至るまで、包括的な新たな構造改革が条件だ。そうしなければ、私たちの手の中にいる若者世代が再び失われてしまう危険性がある。

■選択の時!

要約していうならば、トルコは旧式の農業、安値の観光業、そして建設業によって来るべき場所に来た。いま私たちが経験している危機は、私たちに対して、長年私たちが延期してきて、そして合意している改革を実現するために新たな機会を与えている。いつものように、決めるのは私たちだ。


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翻訳者:関口夏海
記事ID:41766