Murat Yetkin コラム:米土関係の、試練

2017年01月19日付 Hurriyet 紙
ドナルド・トランプ新大統領が就任宣誓する1月20日の前に、トルコ−アメリカ関係におけるわだかまりの克服に向けて、一連の非公開の接触が持たれた。

大西洋評議会において以前のアメリカ政権におり、現在トランプ氏を「外部から支援」する委員会が、トルコで2日に渡る重要な会談を行った。

委員会はまずイスタンブルでTÜSİAD(トルコ経団連)と会い、その後は主にアンカラで海外経済関係協議会、トルコ―アメリカ実業協議会と会談した。

アンカラではタイイプ・エルドアン大統領、ビナリ・ユルドゥルム首相、メヴリュト・チャヴシュオール外相、ベラト・アルバイラク・エネルギー相と会見した。

大西洋評議会の副会長デイモン・ウィルソン氏が委員長を務めるこの委員会でもっとも注目される人物として、ジョージ・ブッシュ元大統領の国家安全保障顧問を務めたスティーブン・ハドレー(Stephen Hadley)氏、オバマ前大統領のすでに退職した国家安全保障顧問で元NATO司令官のジェームズ・ジョーンズ(James Jones)氏、そしてブッシュならびにオバマ政権下でアメリカの中東・シリア政策において特別代表を務めたベテラン外交官フレデリック・ホフ(Frederic Hof)氏がいる。

すべての会見が終わったのち、委員会の上部メンバーであるハドレー氏にインタビューしたところ、重要な問題が存在するのは確かだが、その解決に向けた見解があるという見方が優勢のようだ。

チャヴシュオール外相も出席する宣誓式の直後に、この内容についてトランプ政権と共有されることが了承されている。

スティーブン・ハドレー氏(原文写真左)はヒュッリイェト・デイリーニュース(Hürriyet Daily News)のムラト・イェトキン副社長と会談した。
報道を見越したハドレー氏の発言については、多くの書面を割く必要はない。

「いくつかの原因により、いま両国の関係は試験期にあります。
一つ目は、7月15日のクーデタ未遂事件です。アメリカ政府とアメリカ国民は、この事件がトルコの民主主義に生じせしめた脅威を理解し、これに絶対的に反対するのに後れを取ったと私は考えています。これは失敗でした。2つ目に、フェトゥフッラー・ギュレンという大きな問題があります。彼はアメリカに住みながら(トルコでの)情勢に介入を続けています。そしてもう一つ、PKKと関係を持つ北シリアのPYDを支援しているという問題です。次の段落で述べているような「誤解」とは違い、これらはトルコの立場を考えれば理解できる、もっともな懸念です。」

「一方で、お互いの誤解から生じている問題があります。アメリカ人の側ではトルコの視点からの懸念を理解するための情報が無い、あるいは不十分なことです。トルコ人の側でも、反米感情があり、トルコで起きたほとんどのことでアメリカを非難しています。アメリカ人もこの状況を理解するのに困難を感じています。この2つの現象が、困難を増加させています。この意識の問題をなくすために、政府だけでなく、我々大西洋協議会も外部から貢献できるよう努力したい。」

「今回の我々の訪問で、トルコ側の懸念が何から生じているのかより深く理解できました。我々の関係は重大な局面にあります。しかしながら私の印象では、これは後戻りできない、修復不可能なところまでは来ていません。もしも両者がこの方向でともに努力すれば、修復は可能です。(アメリカの)新政権がこの方向で努力をするという希望があります。そして私が思うに、これが成功すればトルコも、具体的にこれに応えてくれるだろうと考えています。」

「アメリカとトルコにおける多くの人々のように、私も1月20日は新たなチャンスとなると信じています。新政権がこのチャンスのアドバンテージを利用し、トルコとの二国問題をアジェンダに盛り込めば、アメリカが中東の外交、軍事、経済的現状に再び目を向け、再び重要視するのに資するでしょう。我々がこれを実現できれば、アメリカ、トルコ両国の利益となることでしょう。」


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翻訳者:岩田和馬
記事ID:42002