Abdulkadir Selviコラム:ギュルと決別、バフチェリと共闘へ―エルドアンの選択

2018年01月10日付 Hurriyet 紙
民族主義者行動党(MHP)バフチェリ党首の「2019年の私たちの候補はエルドアンだ」という発言に対するエルドアン大統領の返答を知るために、本紙は公正発展党(AKP)のグループ会議に参加した。

大統領は演壇に上がった。ところがどうしたのか?私たちがバフチェリ党首についての話を期待する中、彼はアブドゥッラー・ギュル氏の話題に移った。エルドアン大統領は初め、12月12日にカスタモヌ県でスピーチをした。「あなたはケマル・ベイのボートに乗っている」(訳注:ケマル・クルチダルオール党首率いるCHPの側についているというギュル前大統領への批判)と話したらしい。攻撃の手を緩めることなく、「恥を知れ」と声を上げた。

AKPが結成された2001年8月14日からこれまでで初めてのことだ。しかし昨日、重大な局面を迎えた。エルドアン大統領が、ギュル氏へ宣戦布告したのだ。一体何と言ったのか?

―過去に我らが党の傘下にいたとしても、今は外で他の気風に染まっている者には誰一人として 我々の政党とその活動に対し発言する権利はない。
―この連帯と協調を傷つける者らは知っておくがよい、自分たちがもうこのキャラバンの誠実な隊員ではないということを。
―この列車から落ちた者たちには、申し訳ないが落ちた場所にとどまってもらう。

■視線はギュル氏に

第11代大統領オフィスから以前出された発表で、ギュル氏は見解を共有し続けると述べた。さて、ギュル氏は黙り込んでしまうのか、それともこの批判に対して返答するのだろうか?

ところでエルドアン大統領はなぜこれが必要だと思ったのだろうか。アブドゥッラー・ギュル氏が4月16日(訳注:大統領制を問う憲法改正の国民投票日)に首を縦に振らず、非常事態特別政令(KHK)に関するツイートを投稿したからだろうか?これらに負うところはある、しかしながらそれとは異なる一つの戦略がある。エルドアン大統領は2019年の大統領選挙を見据えて、アブドゥッラー・ギュル氏とAKPの間に分厚い壁を築いたのだ。これは、AKP内でのギュル氏に対するシンパシーを消すことを狙ったものだ。
そして今後の流れは、ギュル氏の態度が決めるだろう。

■バフチェリ党首の姿勢

エルドアン大統領はギュルに矢を飛ばす一方で、バフチェリ党首に花束を送った。全く実際、スピーチの最後まで待ち続け、「一体バフチェリの話に移るだろうか?」と思われ始めた頃に、バフチェリ党首への感謝を述べた。どうして感謝しないことがあるだろうか?2014年8月の大統領選挙では、(HDP共同党首)セラハッティン・デミルタシュ氏の「我々はあなたを大統領にはさせない」という抗議が禍根を残した。2019年11月3日に行われる大統領選挙では、デヴレト・バフチェリ党首の、「我々はあなたを大統領にはする」という姿勢が強い影響を持つだろう。バフチェリ党首は、大統領制の成立に寄与し、4月16日にエルドアン大統領の側に立って実際にこの歩みを進めてきた。
エルドアン大統領がバフチェリ党首に感謝を伝えるとき、その目の中は輝いていた。2019年の結果は手中にあるとでもいうような精神状態だった。バフチェリ党首のこの態度により、トンネルの端に光を見たのは間違いない。

バフチェリ党首には、「画策家」と「潰し屋」というような特性がある。2002年11月3日の総選挙で、トルコはバフチェリ党首の決定に沿って歩んだ。その日、11月3日の選挙でAKPの率いる年月の扉を開いたバフチェリは、2019年11月3日の選挙で大統領制の鍵をエルドアンのポケットに入れた。MHP党首はこのアクションで野党の企てを打ち壊す攻撃をした。

■連立の名前がつけられた

バフチェリ党首は、2019年の大統領選挙のために、「人民の連立」を提案したが、エルドアン大統領はこれを「国内の、国民的な連立」と名付けた。野党は、来る大統領選挙を、大統領制を望む者たちと議会制を取り戻そうとする者たちの間の闘争の場に転じさせようとしている。エルドアン大統領はそこからさらに一歩前に出て、2019年の大統領選挙を、国内にいる国家体制の支持者らと、マフフィル(モスクの一段高い特別席)に座る黒幕に操られた者たちの選択の場に変えた。大統領選挙の戦略はこうして明らかとなった。

エルドアン大統領は、「誰も水を差さないように」と党内に警告し、連立には党首らが決定を下すと発言していた。そして今、その段階に入った。エルドアン大統領とバフチェリ党首は今日16時に大統領府に集い、調整法と選挙での協力について話し合い、ロードマップを決める。

AKP-MHPの連立のため約束が交わされ、名前が付けられた。「土着的および国民的な連立」だ。
エルドアン大統領の頭には、2019年の大統領選挙後も続く、MHPとの協力モデルが描かれている。


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翻訳者:堀谷加佳留
記事ID:44132