アブドゥルカーディル・セルヴィ・コラム:アフリーン包囲の作戦は?

2018年03月14日付 Hurriyet 紙
オジャランは、2015年3月から2016年10月までの間、イムラル島で一緒に収監されていたPKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)メンバーのチェティン・アルカシュとナスルッラー・クランにアフリーンに関する最重要指令を伝えた。

アフリーンに衣服の工房を建設するような報道があったと指摘し、「今は、衣服の工房ではなく武器や弾薬の工房を建設する時」と語った。この発言は組織(PKK)からの指令として承認されている、アフリーンでは強制徴募が開始され、市の中心部及び郊外において、コンクリートブロック製の銃眼壁、塹壕、 トンネルが建設されている。

オリーブの枝作戦によって、これらは徹底的に破壊された。人民防衛隊(YPG)の防衛線は崩れ、組織(YPG)がいうところの防衛大臣に任命したサイード・イスメト・グバルは、アフリーンから逃げ出した。だが、いまなおアフリーンの包囲は開始されていない。エルドアン大統領が語ったように、「我々はアフリーンへ入る、入りつつある」。

アフリーンへ、もっと前から入ることは可能だった。だが、まず、YPGのロジスティク拠点を手中に収める。それに陣地を構築して軍事本部との連絡を確保する。アフリーン包囲(作戦)は、陣地が完成した後に始められる。

■民間人の退去

この間、民間人の退去について、秘密の外交交渉が続いている。YPGの武力攻撃にもかかわらず、民間人は多くの車列の状態でアフリーンから離れ始めた。国連代表団は、少し前、YPGが民間人のアフリーンからの退去を妨害するため圧力をかけていると明らかにした。YPGは、民間人について二段階の計画を実施している。

まず、ジンデレス村を始めとする郊外の民間人をアフリーンの都市中心部へ集めている。アフリーンの人口は六割増加したといわれている。そして、テロ組織は現在、民間人が都市を離れることを妨害しているのだ。なぜなら、都市中心部に向けた(トルコによる)軍事作戦で、[ダマスカスの]東グータのような光景が起きることを望んでいるからだ。そう、トルコを、世界に向けて民間人殺戮を行う国だと示したいのだ。トルコは、この計画を頓挫させるために、アフリーンに向けての圧力を強め、強力な包囲(作戦)を準備している。

国連と進めている交渉では、民間人の退去には2つのルートが確認されている。そのひとつは、アフリーンの南、アレッポの北にある(シリア)政府の支配地域である。二つ目はトルコが支配するアアザーズである。双方とも民間人(の退去に)向けた準備をおこなっている。

この地域で、デリケートな地点はタル・リファトである。ロシアの軍事基地があり、(シリア)政府軍がいるという理由により、ロシアは、タル・リファト地域に対する空からの軍事作戦を注視しているといわれている。(これは)軍事作戦が遅れた理由のひとつであった。おそらく、これらの地域からYPGが援軍を得ることは妨げられなかったが、空域使用についてロシアとの合意はもっとも重要なことであった。戦場での戦術的状況を除き、空域使用では問題はない。

トルコは、戦場での軍事的勝利を証明すると、アフリーン軍事作戦の外交交渉のカードもさらに強化された。これまで戦場で勝利し、交渉で敗れるトルコは、もはや両面でも勝利することが明らかとなった。 

■カラユランとシャーヒン・ジロ

この間、大変興味が引かれる問題はPKKとYPGの指導者の状況だ。PKKのナンバー2のムラト・カラユランの車列が襲撃されたという報道は、アンカラの諜報機関及び治安関係のソースからは確認されていない。PKK指導部は、トルコによる集中的な軍事作戦が行われている区域へ入っていない。ジェミル・バユクとムラト・カラユランは、カンディルから外へ一歩もでていないといわれている。

夜を、カンディルのイランが管理する区域で過ごしているという。この間、 米国防総省ペンダコンのマニング広報官は、PKKの指導者のうちシャーヒン・ジロに対し、将官と呼んだ。シャーヒン・ジロは、アフリーン出身者だ。オジャランがベカー高原へ行った時、彼の家に滞在した。現在は米国人と連絡をおこなっている。米国人は、トルコを無力化するとしてシャーヒン・ジロをマンビジュから外に出さない。

PKKとYPGを恐怖に包んだが、我々の同盟国(!)アメリカへ対して効果は?


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翻訳者:岸田圭司
記事ID:44485