サビハギョクチェン空港でペガサス航空事故、3名死亡

2020年02月06日付 Hurriyet 紙

イズミル-イスタンブル間でフライトを行っていたペガサス航空のボーイング737-800機が、サビハ・ギョクチェン空港への着陸の際に滑走路で止まることができず、滑走路の末端部分30メートルから地面に墜落した。183人が乗っていた機体は3つに、その後火災が発生した。ファフレッティン・コジャ保健相は、事故で3人が亡くなり、179人が負傷したと発表した。事故で亡くなったのは、ゼフラ・ビルギ・コチャルさん、アレヴ・ゲンチオールさん、ソンギュル・ボズクルトさんであると判明している。一方で、事故発生から3分40秒後に管制塔スタッフがパイロットと会話するためにアナウンスをしたこと、パイロットは負傷していたために応答できなかったことが分かっている。

イズミル-イスタンブル間でフライトを行っていたペガサス航空のボーイング737-800機は、18時30分にサビハ・ギョクチェン国際空港に着陸後、停止することができずに滑走路を外れた。50メートルほど機体を引きずり、3~40メートルほど下の草地へ滑り落ちた。機体は、先端と後端部分で壊れて3つに割れ、燃え始めた。事故現場には多くの消防隊と救急隊が派遣された。乳児2人、乗客175人、スタッフ6人を乗せた機体からは、事故後21人の乗客が自力で脱出に成功した一方で、座席の間に閉じ込められた人たちを救助するために、救助チームが何時間にも及ぶ活動を開始した。
【中略】

■事故の犠牲者の身元が判明

サビハ・ギョクチェン空港で2月5日に起こった飛行機事故の死亡者の身元が明らかになった。
事故で亡くなったのは、ゼフラ・ビルギ・コチャルさん、アレヴ・ゲンチオールさん、ソンギュル・ボズクルトさんであることが判明した。遺体は、検死手続きのために法医学協会のもとへ運ばれた。

■管制塔から5回のアナウンスも、パイロットから応答なし

サビハ・ギョクチェン国際空港で事故が発生した3分40秒後、管制塔のスタッフである、サビハ・ギョクチェン航空交通管制センターの女性管制官は、パイロットと交信するためにアナウンスをし、その交信が記録されていた。管制官は、18時21分にパイロットへ通信するため、コールサインを使って次々とアナウンスを開始した。

サビハ・ギョクチェン空港航空交通管制センターの航空交通管制官は、コールサインを用いて5回パイロットに通信を試みた。コックピットチームは負傷していたために、アナウンスに応答することができなかった。
アナウンスは以下の通りであった。

管制塔:ペガサス87R、聞こえますか?
管制塔:87R、ギョクチェン?
管制塔:こちらギョクチェン・グラウンド(=地上管制席)、聞こえますか?
管制塔:ペガサス87R?
管制塔:ペガサス87R?
他の機体のパイロット:87R、ギョクチェンから交信入っています…

■同じ飛行機に乗ろうとしていた

歯科医のゼフラ・ビルギ・コチャルさん(30歳)の遺体は、検死手続きの終了後に、夫のギョクハン・コチャルさんに引き渡された。
ゼフラ・ビルギ・コチャルさんの遺体は、法医学協会での検死手続き終了後、キュチュクチェキメジェ墓地管理局の遺体清浄場へ運ばれた。
コチャル夫妻は、事故があった飛行機のチケットを購入していたが、通商省の検査官であるギョクハン・コチャルさんは、急な仕事が入ったため、イスタンブルへは別の飛行機で2月2日に入っていたことが明らかになった。
コチャルさんの遺体は、テキルダー市のマルカラで埋葬される予定だ。

■パイロットの治療は続いている

滑走路を外れた旅客機で軽傷を負ったキャプテン・パイロットのM.A.さんは、マルマラ大学のイスタンブル・ペンディキ教育研究病院で治療を受けており、もう一人のパイロットF.P.さんは重傷を負い、シシュリ区のアメリカン病院で治療中ということが明らかにされている。

■負傷者の多くが肋骨骨折

事故で3つに割れた旅客機で179人が負傷したが、その多くは肋骨を骨折していることが分かった。腕や脚を打撲、骨折した乗客もいるという。

まず、アナトリア半島側の21の病院に搬送された負傷者のうち、四肢(腕・脚)および肋骨を骨折した人はゲブゼ国立病院およびカルタル・リュトフィ・クルダル教育研究病院に、軽傷者の一部はファーティフ・スルタン・メフメト教育研究病院およびサンジャクテペ・シェヒト・イルハン・ヴァランク博士教育研究病院に搬送された。

専門家らは、肋骨は腕や脚と比べてより後遺症が残りやすく、過敏であるとしており、激突時の衝撃や乗客同士のぶつかり合いによっても肋骨の損傷は起こりうると述べている。

■パイロットの血液サンプルを採取、携帯電話を検査

飛行機事故後、アナトリア共和国検察局よる捜査が始まった。検察局は、捜査のために飛行機のパイロット、マフムト・Aさん、および韓国国籍の副パイロット、フェルディナント・Pさんから、アルコール物質の摂取あるいは覚せい剤使用の有無を確認するために血液サンプルの採取を求めた。血液サンプルは、裁判所から分子遺伝子検査の許可を得たのちに法医学協会へ送られるということが決まった。検察はさらに、2人のパイロットの携帯電話を、裁判所の決定により押収することを求めた。

■機体から乗客の荷物を回収

183人が搭乗していた飛行機の残骸からは、手荷物も回収された。残骸の撤収作業前に事故現場に来た航空会社所属のチームが、乗客の荷物の回収を始めた。荷物は、その後事故現場に来た車両に積まれた。事故現場の保安部隊は、作業を行うチーム以外は誰も残骸のある区域に近づかせなかった。

■監視カメラも捜査

アナトリア共和国検察局は、事故が発生した滑走路を撮影していた監視カメラの映像、および管制塔とパイロットの会話記録を捜査ファイルに加えるよう求めた。

■不時着、スピードが落とせず

ファフレッティン・コジャ保健相は、事故で3人が死亡、179人が負傷、負傷者の命に別状はないと述べた。イスタンブル県のアリ・イェルリカヤ知事は、事故の詳細について話し、「滑走路を外れた後、50メートル引きずられた。自動車専用道(TEM)からE-5拘束道路へ接続するインターチェンジがあるポイントで、30メートルの斜面を落ちた」と述べた。ジャーヒト・トゥルハン交通相も、「事故は、飛行機が不時着し、その後スピードを落とすことができずに滑走路から飛び出した結果発生した」と述べた。

■追い風警報

管制塔と飛行機の間で行われていた最後の無線通信の詳細も注目を引くものだ。管制塔はパイロットに対し、「先に着陸した機体から、強い追い風の報告がありました」とアナウンスをしている。事故前にも2機が滑走路を通過したことが分かっている。

負傷者の多くは顔面を前方の座席に打ち付けて負傷したようだ。乗客の1人、ブラク・ウルスさんは、「騒音が響いて、顔を前の座席に打ち、私は意識を失ったらしい。意識が戻ると、機体が真っ二つになっていた。私は自分で脱出した」と述べた。別の乗客スレイマン・ジャンさんは、「一番後ろの席に座っていた。何が起こっているのか分からないまま、叫び声をあげた。顔を前の席にぶつけてしまった」と話した。

■負傷者は32台の救急車で18の病院へ

事故でケガを負うことなく助かった人たちや軽症で済んで人たちは、空港のバスでターミナルまで運ばれた。

■ペガサス機、この2年で事故3件

ペガサス航空のボーイング737-800型飛行機は、2018年1月13日にトラブゾンで着陸後に滑走路をオーバーランしたが、この事故で死亡者はいなかった。2020年1月7日に同じくサビハ・ギョクチェン空港で起こった事故でも、同社の同型機が着陸時に滑走路から脱れた。この事故で死亡者は出なかったものの、乗客は、スライドと呼ばれる脱出用滑り台で脱出した。

■救助に向かった警官が交通事故を起こした

サビハ・ギョクチェン空港で起こった飛行機事故のあと、事故現場に向かおうとしていた警察車両が交通事故を起こした。この事故で特別機動警官5人が負傷した。事故は空港内で起きたものである。周辺の病院に搬送された警官らに命の別状はないとのことである。(デミロレン通信社)

■サビハ・ギョクチェン地下鉄工事で労働災害

サビハ・ギョクチェン空港-ペンディキ間の地下鉄トンネル工事が行われているペンディキのヤヤラル区において、2月5日夜、クレーンで運んでいた鉄材が従業員に落下した。未だ原因は不明である。この事故により従業員4人が負傷し、うち2人が重症である。負傷した従業員は、事故現場に出動した救急車で周辺の病院に搬送された。(デミロレン通信社)


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翻訳者:金戸 渉
記事ID:48521