エジプト:反体制的な楽曲「デーツ」の青年ディレクターが刑務所内で死去

2020年05月02日付 al-Quds al-Arabi 紙
▪エジプト:「デーツ(ナツメヤシ)」の音楽ディレクターがトゥラ刑務所で死去

【N.P:本紙】

担当弁護士が明らかにしたところによると、若きエジプト人音楽ディレクター兼写真家のシャーディー・ハバシュ氏が、土曜(2日)未明、カイロ南部のトゥラ刑務所で勾留中に健康上の危機の末亡くなったという。

カイロ出身の人権派弁護士であるアフマド・ハワーガ氏はAFP通信に対し「シャーディー氏は数日前から体調が悪く入院しおり、彼の母親もそのことを知っていた。しかし、彼は昨日監房へ戻りその中で亡くなった」と話した。また「彼の埋葬許可証が発行された」と明らかにした。

エジプト当局は2018年3月にハバシュ氏(24歳)を逮捕した。これは現在海外に在住しているエジプト人歌手ラーミー・イサーム氏の楽曲「デーツ」のミュージックビデオを監督した一か月後のことだった。なお、その楽曲はアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領とエジプトの政情を揶揄している。

国家治安検察は「うその情報を拡散し、違法なグループに加わった」との嫌疑をかけていた。

曲の歌詞には「ああ愛しのデーツ様、抑圧者様、あなたの4年の任期は終わりましたよ」とあり、エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領の一期目が終了したこと、そして二期目に立候補したことへの批判が込められている。

アラブ人権情報ネットワークは今日ツイッターで、シャーディー氏は「その曲が原因で二年以上も予防勾留されたのち、怠慢と正義の不在の結果」亡くなったと述べた。

ハワーガ弁護士によると、新型コロナウイルス流行予防措置として先月3月10日から刑務所への訪問が中止となっており、ハバシュ氏の家族は彼と面会することができなかったという。

(後略)


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翻訳者:武田ほのか
記事ID:49011