Barış Dosterコラム:誰がアタチュルクを呪うのか?

2020年07月29日付 Cumhuriyet 紙
先週のアヤソフィアにおける式典で金曜礼拝の説教に際し、アタチュルクと共和国の建国者たちに対する宗務長官の言葉が、トップニュースになっている。名前を挙げることなく、共和国建国者たちを呪う宗務庁長官の、アタチュルクに関する考えは、秘密のものではない。今回にいたっては、自身のハードルをかなり上げてしまったため、非常に大きな反発を呼んだ。辞任が求められたのである。この件に関して司法へ訴えを起こした者たちもいる。トルコ国内外で、また与野党で、宗教・宗派・民族アイデンティティ・リベラリズム・社会主義・ナショナリズムの名の元で、アタチュルク、共和国、共和国建国者たちを罵る幅広い陣営が存在するのは明瞭である。

さて、この陣営は誰に奉仕しているのだろうか?イスラムの信仰に対してなのだろうか、トルコ民族に対してなのだろうか?貧しい人々に対して?労働者たちに対して?抑圧された民らに対してか?女性のためだろうか?若者へだろうか?いや、誰に対してでもない。帝国主義に奉仕している。誰と提携しているのだろうか?帝国主義者の集団と、彼らが統べている構造とであり、フェトフッラー・テロ組織(FETÖ)、クルディスタン労働者党(PKK)、民主統一党(PYD)、人民防衛隊(YPG)をはじめとするテロ組織とであり、トルコの独立・全体性・主権・政治的な統一への対抗勢力とである。

まずは例を挙げてみよう。2012年に、イギリス陸軍博物館は、オンライン上でアンケートを実施し、イギリスの最大の敵は誰であるかと尋ねた。アタチュルクが一位に躍り出た。ここで明らかなことは、アタチュルクの敵対者たちは、アタチュルクを最大の敵とみなすイギリス帝国主義と共に連帯している。

■アタチュルクに対する敵対の諸面

祖国を占領から救い出し、敵を国土から追放し、議会と国民の意志を第一とし、世俗主義の共和国を建国し、国民の平等、女性の諸権利、法治国家、現代的・科学的・平等で民本的な社会秩序を訴えたアタチュルクに対する敵対は、イデオロギー的側面のみではない。この敵対には、自信の欠如、個人的な怒りと復讐、無知、傷ついた精神状態もかなり関係している。

アタチュルクはその正統性の根拠を議会と国民と見ているから、国民の意思、国民主権、国民の力を代表している。悪態を吐く者たちと言えば、帝国主義の共同者を、独裁者と帝政への恋慕を…。

アタチュルクは、尽力、努力、献身、自信、愛国心、母国のために尽くし、必要な場合には前線で、最前線で母国のために死の危険も顧みないことを象徴しているから。悪態をつく者たちはといえば、臆病さ、戦線からの逃亡、占領軍に媚びるためありとあらゆる進路転換、怠惰、服従を…。

アタチュルクは、誠実さ、美徳、全財産を国民へ渡すことを象徴しているから。悪態をつく者たちと言えば、盗み、掠め、窃盗、不正を…。

アタチュルクは、国民に説明をすることを象徴しているから、「ヌトゥク(アタチュルクの演説集)」によって歴史に名を残す一方で、国民に対してもまた説明を行っている。悪態をつく者たちはと言えば、自らの行為を国民に隠し、説明せず、外国勢力と極秘裏に提携することを…。

アタチュルクは、正しいことを語り、欺かず、騙さず、過ちを犯さず、過ちを犯させないことを象徴しているから。悪態をつく者たちはといえば、欺き、騙し、過ちを犯させ、誤魔化され、騙され、誤解させられることを…。

アタチュルクの知識の蓄積は相当なものであり、興味関心領域が広く、知的な下地が強固であり、考え深さ、力強いリーダー像を体現しているから。呪いの言葉を投げつける者はというと、無知を…。

アタチュルクは、優雅さ、上品さ、礼儀正しさ、カリスマ性を象徴しているから。悪態をつく人々はと言えば、粗野、侮辱を…。

アタチュルクは毅然たる態度を代表しているから。悪態をつく者は、絶えず考えを変え、大きな力に対し退き、頭を垂れ、ぐらつくことを…。

アタチュルクは、完全な自立、国民主権、啓蒙を象徴しているから。呪いの言葉を吐く人々は、服従、盲信、無知、不平等を...。

纏めるとアタチュルクは、チャナッカレの勝利、独立戦争、トルコ共和国の誕生を象徴している。呪いの言葉を吐く人々は、オスマン帝国政府への服従を、ムドロス休戦協定、セーブル条約を…。


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翻訳者:堀谷加佳留
記事ID:49655