本紙、ユルドゥルムがヴェネズエラに行った時期の税関書類情報を入手

2021年05月31日付 Cumhuriyet 紙
犯罪集団のリーダーであるセダト・ペケルは、「前首相ビナリ・ユルドゥルムの息子エルカン・ユルドゥルムが麻薬ルートを確立するためにヴェネズエラに行ったと主張」した。ビナリ・ユルドゥルムも、「私の息子はマスクと検査キットの支援を行った。」と述べた。本紙は、ユルドゥルムがヴェネズエラに行った期間の税関の記録を入手した。訪問前も含む3月間にトルコからヴェネズエラにマスクの送付がなかったことが明らかになった。同時期に行われた1500個の検査キットの送付もトルコとヴェネズエラの企業間の取引であることが判明にした。

犯罪集団のリーダーであるペケルは、放送されたビデオで、前首相ビナリ・ユルドゥルムの息子エルカン・ユルドゥルムが「トルコとヴェネズエラの間に麻薬ルートを確立するために今年の1月、2月にカラカスに行った」と主張した。この展開の後、エルカン・ユルドゥルムが、トルコ・ヴェネズエラ両国議会友好団体とともに2020年12月7日にヴェネズエラの首都カラカスで撮影された写真に写っていることが明らかになった。ビナリ・ユルドゥルムは、「麻薬貿易」という主張を否定し、息子のエルカンが新型コロナウィルス対策支援の目的でヴェネズエラにマスクと検査キットを持っていったと述べた。

■税関手続きがあるはずの

本紙は、実業家であるエルカン・ユルドゥルムがヴェネズエラに物資を持ち込んだという時期の税関の記録を入手した。2020年10月1日から12月31日までの期間、トルコ税関からヴェネズエラに運ばれた全ての物資が個数と価格の情報とともに逐一記録されたリストでは、我が国から持ち出された記録が勿論あるはずのマスクが見つからなかった。現在の運用では他国へマスクを送付しようと望む企業又は個人は、まずトルコから持ち出す数量と同等のマスクを国家物資局に寄付しなければならない。この手続きの後、国家物資局は、寄付されたマスクの数量を保健省のトルコ製薬医療機器協会に伝える。トルコ製薬医療機器協会も当該企業または個人に対してその数量のマスクに関し輸出の事前許可を与える。別の選択肢はというと、直接保健省の「書面による承認」によって特別輸出許可を得ることができる。本紙が意見を伺った個人用防備品の輸出業者たちは、「国外に持ち出される予定の50個以上のマスクに関し全ての手続きを実現するには困難があり、この中で輸出手続きが貿易省の税関記録に記載されている必要がある」と注意を引いた。

■二つの可能性

他方、貿易省の2020年の最終四半期の税関記録ではトルコからヴェネズエラに2020年11月19日付けで1500個の「PCR検査キット」が輸出されているのがわかる。問題のキットを、医療機関に向けにテスト用品の販売を行い、ヴェネズエラの会社に送ったイスタンブルに社を置く会社の登記情報を調べると、事業者はエルカム・ユルドゥルムとは関係がないことがわかった。

貿易省の税関記録、及びCovid-19感染症後に運用が始まり、個人用防備品がトルコ国外に持ち出されるのを制限する法を合わせて考えると、「エクレム・ユルドゥルムが、言われているように、ヴェネズエラに援助目的でマスクと検査キットを持ち込めないこと」あるいは「送付が合法ではない方法で実施された」可能性がでてくる。記録の中で「マスク」という言葉は美容用に用いられるクリーム状の「フェイスマスク」商品のグループの中でのみで出てくる。


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翻訳者:新井慧
記事ID:51134