ガソリンや電気、ガス代の値上げによってのみ補助金の乗算が可能 候補者の誇大な公約を国会議員が批判

2021年05月31日付 Iran 紙

【政治部】大統領選挙の候補者らが掲げる選挙公約に対して、国会議員から非難の声が上がった。45万トマーンの補助金から、5億トマーンの貸付金、生産拡大とイラン人100万人の雇用増、集合住宅の建設といった[誇大な]公約が国会議員らの批判の的となった。とりわけ革命の最高指導者[ハーメネイ―師]も最近開催された議員とのビデオ会議において、「候補者は実現不可能な公約やスローガンを掲げるべきではない」と強調したのだった。

 これらの公約案は昨日国会本会議の場に提出され、アリーレザー・サリーミー氏とモハンマドレザー・ミールタージョッディーニー氏は候補者を批判、「エネルギー担体[石油や天然ガスなど]の価格値上げをしなければ、このような公約は実現不可能だ」と力説した。

 サリーミー氏は、第13期大統領選挙の一部の候補者が若い夫婦に数億トマーンの給付を行うとか、数十万トマーンの補助金を出すとかいうような経済に関する公約を掲げていることについて、「現実的で、国の能力と可能性に見合う公約を掲げなければならない、と最高指導者は勧告された。公約を掲げる候補者が何らかの説明をするのか分からないが、我が国の現状を考慮すれば、それが実現することを望む」と述べた。

 同氏は、「補助金に関して我々が国会で目にしている状況から考えれば、現状ではそのような金額を出すだけの余裕はない。もし候補者の意図がエネルギー担体の価格引き上げに基づいて補助金を増額しようとのことであれば、私が思うにそれは得策ではない」と続けた。

 サリーミー氏は、「なぜ候補者の一部が自身の公約をきちんと説明しないのか分からない」と吐露しながらも、「これらの話のうち一部には裏の事情がある。例えば、電気や軽油、ガソリンやガスなどのエネルギー担体の価格や水道料金を引き上げる予定だとは明言できないのだ」と述べた。

 ILNA[イラン労働通信]によると、モハンマドレザー・ミールタージョッディーニー氏も同様に、自身に割り当てられた時間内の演説で第13期大統領選挙の候補者に対し、「実現可能な公約を掲げるべきである。補助金に関連する複数の公約が掲げられているが、我々の国民が分かるように明確かつ率直に私は申し上げなければならない。補助金の額に対する裁量権はいかなる個人にもなく、議会と政府が団結して決定するものなのである。」と話した。

 「専門家は全員、補助金制度の見直しと表に出ない補助金の透明化、エネルギー担体の価格改定、及び外貨[公定レート]4,200トマーン固定制[訳注:2018年4月、イラン政府は為替レートの上昇を抑制しその安定化を図るため、単一為替レートとして1USドル=4,200トマーン(42,000リヤール)の公定レートを設定した]の廃止がなされた場合には、補助金の額を10倍以上にできると分かっている。だが、一部の者たちは[そのような事情を語らずに]物事の一面だけを語っているのだ。全ての事実を人々に打ち明け、大衆迎合的な公約を回避するべきである。」という考えを、モハンマドレザー・ミールタージョッディーニー議会計画・予算・会計委員会副委員長は表明した。


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翻訳者:OI
記事ID:51160