ターリバーンに対するイランの態度はいかなるものか/ハティーブザーデ報道官「JCPOAを超える要求は容認しない」

2021年09月30日付 Hamshahri 紙

 外務報道官はヨーロッパが米国の傍らでJCPOA違反をしてきたことを強調し、「イランは核に関してJCPOAを超えるものを容認はしないし、JCPOAの制裁解除条項を下回るものにも期待していない」と述べた。

【ハムシャフリー電子版】外務省広報報道官局によると、サイード・ハティーブザーデ報道官は、ノルマンディー世界平和フォーラムの参加に向けパリへ出発し、フランスのル・モンド紙との特別インタビューにおける最近の国連総会会合と核協議の見通し、及びイランの外務大臣が協議は早期に再開するだろうとニューヨークで発言したことに関する質問の中で、「外務大臣がニューヨークで発表したことは新政権が発足した当初からまさに言われ聞かれてきたことである」と述べた。

 同氏は「この回答には二つの要素がある。一つは、この回答は既に結論に至っているが、イランはもちろん交渉をどのように継続するかを調査している、つまり交渉は確実に行われるということであり、二段階目としては新政権にて遂行された対話を注意深く見直し、その詳細を明らかにしアクティブ且つ効果的な方法で対話に臨むべきである。」と続けた。

 イラン外務省広報外交センター長[ハティーブザーデ報道官]は、「この段階はまだ完了していない。政府は行政府として変化を遂げ、交渉を遂行するのは新政府である。イラン人は、常に正確に話し真剣に対話を行い、何かが達成されたときはそれを明確に表明し、何らかの署名が成された際は正確にそれを実行するということを示してきた。」と加えた。

 ハティーブザーデ氏は、「現在起こっていることは、ウィーンでの6回の会合は議題が明確であるにもかかわらず、なぜ結論に至っていないのかということである。原因の究明が必要であり、相手側から真剣に期待され実行されていない点を調査する必要がある。」と説明した。


米国はトランプ氏の理屈をもってウィーンへやって来た

 報道官は米国のJCPOAからの一方的な離脱に言及し、「米国は、合意から離脱して一方的な制裁を実行し、イラン国民に苦痛を与え、イラン経済に何十億ドルもの損失を与え、またイランだけでなくイランと貿易を行おうとしていた同盟国にも罰則を加えてきた張本人である。米国はこのような過去があるにもかかわらず、トランプ氏がイランに対して行動をとっていた理屈をもってウィーンにやって来た、つまり、トランプ氏が制裁をもって求めていたものを米国の新政権は制裁解除の約束をもって提案したということだ。」と強調した。

 彼は、「米国の新政権はトランプの遺産を護りたいのかバイデン氏の遺産を残したいのかという政治的決断を下すべきである。彼らは今日まで依然として制裁を圧力の道具や梃子として見ているように思える。イランは核に関してJCPOAを超えるものを容認はしないし、JCPOAの制裁解除条項を下回るものにも期待していない。」と加えた。

 ハティーブザーデ氏は、ヨーロッパのイランに対するJCPOAの義務違反と(核)不拡散に関する非難に関わる質問の回答において、「イランは自身のJCPOAの義務を軽減させたが、イランは完全にNPTの枠組みの中にとどまっていることに注意を向けるべきだ。問題はNPTの義務違反ではなく、JCPOAの義務の軽減に関してであり、イランがこの枠内で実施した措置は完全に取り消し可能なものである。」と指摘した。

 彼は、「このことは一方で、相手側は完全には遵守していない、つまり、米国は完全な違反をし、ヨーロッパは部分的な違反をしているということだ。ヨーロッパもこの違反において米国の傍らにいたということである。」と続けた。

 イラン外務省広報外交センター長は、「私は目を瞑って、米国は完全な違反を、ヨーロッパは限定的な違反をしていると言っている。なぜなら、イランの中で、ヨーロッパも米国と同程度に自身の義務を果たしてきておらず、イランとヨーロッパ間での貿易は一切確立されておらず、いかなる金銭のやり取りもなされてなく、いかなる投資も実行されていないというような議論があるためである。ヨーロッパのいかなる義務も実施されていないのにもかかわらず、ヨーロッパはJCPOAにおけるイランの義務軽減に関する懸念を示している。最低限いえることとしてはこれを横暴であると言わないにしても不公平なものであるということだ。」と表明した。


シリア政府の要請によりイランはシリアに駐在している

 ハティーブザーデ氏は地域の変遷及びイラクとシリアにおけるイランの役割と存在に関し、「シリアがテロの温床と化してしまったこと、及びシリア政府が我々に要請をしていることから、ロシアがそこにいるのと同様にイランもシリアに駐在しているが、我々はそこに駐屯地を持たず、シリアでの軍事基地を求めてもおらず、シリアと我々との関係は戦略的なものである。」と発表した。

 外務報道官は、イランとイラクの関係を一つの歴史的、国民的及び多角的な関係であると説明し、「もしイランがいなかったらISILはアルビールを攻略していただろう。このことは、イランはイラクに軍事拠点を持っているということではなく、イランは地域を安全に維持しようと尽力しているという意味である。」と指摘した。

 我が国の外務報道官は、このインタビューにおける、ターリバーンが国際社会に対して正当性(の承認)を期待していること及びこのターリバーンからの要請に対するイランの立場に関する質問の中で、「基本的に正当性に関し話をするのは非常に時期尚早であり、今はターリバーンが自身の言ったことを実行するか、そして包括的な政府が組閣されるのか、また[パシュトゥーン民族を除く]ほかの民族の権利が保障されるのかどうかを見極める時期である。」と述べた。

 同氏は、「我々及び国際社会は完全に明確にレッドラインを表明するべきである。最も重要なレッドラインは、アフガニスタンが過激主義に陥らないこと、ISILの温床にならないこと、近隣諸国及び世界の脅威とならないこと、そしてアフガニスタンの将来において国民の意思と要望が実現し、アフガニスタンの民族および社会構成を反映した包括的な政府が組閣され、アフガニスタンが二度と外国の駐屯地とならないようになることである。」と続けた。


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翻訳者:TR
記事ID:51675