国際女性デー:女性に対するシステマティックな不正義の回想(4)

2022年03月07日付 al-Quds al-Arabi 紙
■国際女性デー:女性の困難な状況と、女性に対するシステマティックな不正義の回想
【ロンドン:本紙】

イエメンに関して、駐イエメン欧州連合代表部のマリオン・ラリス副代表によると、同国は「女性にとって世界で最も困難な国の一つ」とされている。8日の国際女性デーの前日、ラリス氏は声明にて「女性と男性の参画は、イエメンの恒常的な平和と発展を実現するため必要なことである」と述べた。

モロッコに関して、「モロッコ女性の権利連盟」のサミーラ・ムーヒヤ代表は「モロッコでは複数の分野において前向きな取り組みが行われている。例えば、検察が発行する刊行物やマラケシュ宣言から誕生した地域的プロトコルの実施など、女性に対する暴力撲滅に向けた行政による効果的な介入が行われている。また、加害行為の被害者による通告や問題に対する諸公的機関による協働を通じて、セクシュアルハラスメントやジェンダーに基づく暴力を黙殺してきたタブーの破壊も見られる。加えて、大臣24人のうち6人の女性が含まれるように新政権における女性比率の上昇なども挙げられる。

ムーヒヤ氏が本紙に語ったところによると、こうした進展にもかかわらず、法的根拠の二重性と男性中心主義的なヘゲモニーの優位性が存在する法整備に対する継続的な取り組みのなかで、モロッコ人女性の権利獲得は足踏み状態が続く。特に家族法と刑法にその特徴が見られ、憲法が定めるような男女均等の原則は実効されていないという。同氏は暴力と差別、それらの社会における普遍化が続けられていることを非難した。セクシュアルハラスメントや性的虐待、性的脅迫のような犯罪や、「成績のためのセックス(sex for grades)」として知られる、多くのモロッコ人女子学生が被害に遭っている犯罪が繰り返されているという。

(終)


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翻訳者:中鉢夏輝
記事ID:52993