モロッコ:当局が投獄中のジャーナリストによる小説の原稿を押収か

2022年06月07日付 al-Quds al-Arabi 紙
■モロッコ当局は投獄中のジャーナリストによって執筆中の小説を押収したことを否定

【ラバト:アナトリア通信】

モロッコの刑務所管理局は月曜日、「投獄中のジャーナリストであるスライマーン・ライスーニー氏によって執筆中の小説が押収された、または同氏宛てに送られた書籍の一部が破損された」という報道の信憑性を否定した。

管理局は声明を通じ、「当該受刑者宛てに送られた書籍の一部が破損され、また同氏が執筆している小説が押収されたという主張は、嘘と誹謗中傷に過ぎない」と述べた。

管理局はまた、「当局はいかなる小説の原稿も押収しておらず、スライマーン氏宛てに送られてきたいかなる書籍やその一部にも破損したことはない」と続けた。

さらに、「同局は当該受刑者を他の受刑者と同様に平等に扱っている。また、彼の所有物は全て検査と監視の対象となっている。これは刑務所管理局の権限の範囲内であり、同局は現行の法律に違反する一切の物を押収する権利がある」と付言した。

「政治犯との連帯および表現の自由のためのモロッコ委員会」(NGO)は日曜日、「ライスーニー氏は先月(5月)23日、カサブランカ北部にあるウカーシャ刑務所の医療棟から同市のアイン・ブルジャ刑務所に送致された」と述べた。

また、同委員会は声明を通じ「ライスーニー氏によって執筆中の小説と日記は押収され、同氏の書籍は破損された。同氏は現在、独房棟にいる」と明らかにした。

ライスーニー氏が申し立てを提出した直後、モロッコの裁判所は2月23日に、「強制わいせつ」と「監禁」の容疑で同氏に禁錮5年の刑を宣告した。なお、同氏は容疑を否定している。

ライスーニー氏はモロッコのメディア界において最も著名なジャーナリストであり、当局に対する批判的な記事で知られている。


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翻訳者:吉永伊吹
記事ID:53554