シリア:生活困窮者へ「イード」のお菓子を!民間セクターによる相互扶助やボランティアへの取組み

2022年07月07日付 その他 紙

■ダマスカスで、困窮する家族に「イード」のお菓子を配る(市民)参加型の取組み

【ダマスカス:ムハンナド・スレイマーン】

シリアのNPO団体「サーイド」および「全シリア団結協会」は、イード・アドハー*を祝って、首都ダマスカスにあるメッゼ公園で、多くの貧しい家庭にイード(祝祭)のお菓子をふるまった。

「サーイド」のイサーム・ハバール理事長は、「この市民による取り組みは、貧困家庭の経済的負担を軽減することを目的としており、社会的連帯・組織的なボランティア活動・相互扶助と他人への思いやり精神の定着を具体的に示したものだ」と述べ、公園の一角に設けられた調理場「サーイド」では、ボランティアたちがイードのお菓子を手作りして、(集まった貧しい人々に)提供したことに言及した。

一方「全シリア団結協会」のラーミー・ハラビー理事長は「この取組みを通して、より多くの支援を必要とする人たちに手を差し伸べ、貧困の連鎖から抜け出させるためには、関連団体の相互協力の活発化がいかに重要であるかというメッセージを伝えることができた。それによって困窮する家族、とりわけ貧しい子どもたちを支援し、彼らの笑顔を引き出すことができる」と表明した。

多くのボランティアが、彼らの活動は、特にシリアへのテロ攻撃や経済制裁による困難な状況において、地域社会に奉仕するボランティアの基本理念そのものだと確信している。ボランティアスタッフのアマル・カルクトリさんとスィーリーン・フラーさんは、(民間企業、NGO、ボランティア活動をはじめとする)民間セクターには、若者への投資を促進し、彼らの社会における役割を高めるとともに、開発効果を創出する社会的責任があると見なしている。

*イード・アドハー:イスラームの二大祝祭の一つ。「犠牲祭」、「大祭」ともいわれる。
         イスラーム暦12月(巡礼月、ズー・ヒッジャ)の8〜10日頃に行われる「大巡礼」の最終
         日にあたり、巡礼終了を祝う。犠牲祭とその前後は宗教的祝日となる。




この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:吉岡珠実
記事ID:53717