グテーレス国連事務総長、イスタンブル訪問

2022年08月20日付 Hurriyet 紙

アントニオ・グテーレス国連事務総長は共同管理センターを訪問した。フルスィ・アカル国防相とアントニオ・グテーレス国連事務総長は共同会見を行い、アカル大臣は「ウクライナの港から合計65万6349トンの穀物輸送を実現させた。これは次第に増加すると想定している。」と述べた。グテーレス事務総長は「イスタンブルに戻ってきた私を素晴らしく、温かく歓迎してくれたことをフルスィ・アカル国防相並びにトルコ政府に感謝申し上げる。(トルコが)黒海穀物計画における重要な役割を担っていることにも深く感謝する。」と述べた。

アントニオ・グテーレス国連事務総長のトルコ訪問における最初の滞在地はイスタンブルのゼイティンブルヌにあるゼイポルト港だった。グテーレス事務総長はその後共同管理センターを訪問した。フルスィ・アカル国防相とアントニオ・グテーレス国連事務総長は共同会見を開いた。

フルスィ・アカル国防相は「ご存じの通りロシアとウクライナの間で発生している衝突のため、エネルギー危機および食糧危機のリスクは高まっているだろう。そこで、ウクライナの港で輸送を待つ2500万トン以上の穀物を安全に短期間で必要な国に輸送するため、海上で回廊を作る必要が生じた。この意味合いの中で、敬愛なるエルドアン大統領の敬愛なるプーチン氏や敬愛なるゼレンスキー氏との会談に沿った問題解決のためにトルコはイニシアチブをとり、ロシア連邦とウクライナとトルコによって任命された特別代表を通じて密に連絡を取り続けた。最終的にエルドアン大統領、プーチン氏、ゼレンスキー氏、グテーレス事務総長が見せた熱意によって共同管理センターが作り上げられたのだ。ウクライナから輸出される穀物や類似する食品のオデーサ港やチェルノモルスク港、ユズニ港からの安全な海上輸送を調整するこのセンターは活動を計画通りに続けている。」と述べた。

■「65万6349トンの穀物輸送が実現された」

アカル国防相は国連の支援をうけてトルコが主催するセンターの人員数はだんだんと増加していると語り、「現在すでにトルコから14名、ロシアから22名、ウクライナから12名、国連から23名の合計71人の代表者たちが業務を行っている。重要な点は現場には全く軍事要素が存在しないということだ。共同管理センターは全活動を関係国と国連で調整し、進行している。8月1日以降に合計51隻の船が穀物輸送のために出航し、このうち27隻がウクライナの港を出発した。24隻は穀物輸送のためにウクライナの港に入港した。現在までにウクライナの港から合計65万6349トンの穀物輸送が実現された。これは徐々に増加すると想定している。」と述べた。

アカル国防相は共同管理センターを通じて行われる活動が食糧危機解決に寄与すると述べ、「特に価格の引き下げは重要な貢献となる、なっていくと我々は信じている。現在までにセンターは活動を順調に実現してきた。大きな協調の中ではたらくセンターは今後も計画通りに活動を続くと信じている。リヴィウでエルドアン大統領がゼレンスキー氏、グテーレス事務総長と行った会談でも強調したように、我々の願いはここでの共同かつ順調な活動によって、センターが人道的需要にかなう最大の貢献を行うことであり、また恒久的な平和の土台を準備することである。この機会に、アントニオ・グテーレス国連事務総長をはじめとし、プロセスを支援する(ロシアの)ショイグ国防相、(ウクライナの)レズニコウ国防相やクブラコフ・インフラ相、貢献する国連の職員たちや我が国の関連省庁、組織、個人に御礼申し上げる。この活動のなかで指示し、確固たる姿勢をもって、活動が成功のうちに終わることを確実にしたエルドアン大統領に、敬意と感謝を申し上げる。共同管理センターの全人員に対しても活動における成功を祈りつつ、敬意を表する。」と述べた。

■国連事務総長からトルコへ感謝

アントニオ・グテーレス国連事務総長は「イスタンブルに戻ってきた私を素晴らしく、温かく歓迎してくれたことをフルスィ・アカル国防相並びにトルコ政府に感謝申し上げる。(トルコが)黒海穀物計画における重要な役割を担っていることにも、厚く御礼申し上げる。65万トン以上の穀物とその他食料品はすでに世界中の市場に送られた。ウクライナ港での入出港においてウクライナ、ロシア、トルコと国連のチームが黒海を通過する船の上で共同調査を行っていたマルマラ海から私は帰ってきた。輸送船の貨物倉いっぱいの小麦を見て非常に感動した。これは世界中のきわめて多くの人々にとって希望をもたらすことだった。ウクライナとロシアからより多くの食料と肥料を買うことは商品市場をより落ち着かせ、消費者のために値下げするために非常に重要だ。さらに長いプロセスがはじまったところだが、トルコはこの重大な合意の潜在的可能性を世界にすでに示した。だからこそ、この試みに関わるすべての人にお祝いの言葉を贈るとともに、この人命を救う重要な活動が続くように願っている。」と述べた。

フルスィ・アカル国防相は共同記者会見後、記者たちの質問に答えた。

「穀物回廊のなかで設立された共同管理センターが現在もその危険性について話題になっているザポリージャ原子力エネルギー委員会に関連するものとして、一歩前進するための模範を示せるでしょうか?この件について会議を行いますか?」との問いに対しアカル国防相は「我々は活動にあたっている。様々な規模、様々なレベルでの話し合いや会議が行われている」と回答した。

■「エルドアン大統領は二人の首脳と一堂に会することを光栄に思うだろうと考えている」

アカル国防相は「トルコが主催して、首脳たちがレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領の仲介で一堂に会することについて、最新の評価は何でしょうか?」との問いには次のように答えた。

「エルドアン大統領はご存じの通りこの戦争が勃発するまでの、特に2月24日まで絶えずこの戦争を勃発させないために多大な努力を費やした。事実、戦争が勃発した夜でさえプーチン氏と電話会談を行ったことを思い出すだろう。エルドアン大統領はこの目的や努力を片時も妥協しなかった。ご存じの通り、我々は絶えずあらゆる機会で、我々にとって黒海越しの隣人であるウクライナとロシアの間の戦争を非常に憂慮しており、このことを遺憾に思うとともに一刻も早く停戦が行われ、これにつながる形での和解、平和が外交的方法や方策をもって、問題解決を導くことを期待している。この意味でもエルドアン大統領は努力を続けていく。もちろん相互に会談した結果、合意することについて最終的にすでにこの提案をエルドアン大統領は打ち出した。このような機会がある場合にはエルドアン大統領は大いに喜んで2人の首脳を歓迎し、彼らと一堂に会することを光栄に思うだろうと、我々は考えている。」

■「輸出が正常な方法によって順調に続き、どの場所でも行われることも我々の願いである」

アカル国防相は「トルコと国連は現在穀物同意を別の製品に広げ、合意の範囲を他の港にも広げるために動いていますか?」との質問に次のように答えた。

「当初より話し合ってきたように、ウクライナ人の隣人たちと我々がおこなう活動が発展するようあらゆる手を尽くしてきたし、これからもしていく。穀物とその他食料品に加えて他の話題についても、協力を深める活動の機会ができるように尽力している。実際、申し上げたように、私はここでのチェーンについて言及している。このチェーンの輪っかとは穀物に関連して行われる合意だ。我々はこれが連鎖することで、平和につながる道筋の一歩一歩になると評価している。取り組んでいる活動がモデルとなって追随するほかの話題についても前進するよう切り出し、最終的に停戦と停戦からつながる平和、その後も輸出入が正常な方法によって順調に続き、どの場所でも行われることも我々の願いだ。」


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翻訳者:伊藤梓子
記事ID:53927