「イスタンブルの中心」柱、状況悲惨

2022年08月26日付 Milliyet 紙

スレイマン一世の命で、ミマール・スィナンによって「イスタンブルの中心」として建てられた、シェフザーデバシュ・モスクの中庭の一角に築470年になる緑の石柱がある。その最新の状態は衝撃を与えた。

緑の石柱は、イスタンブルの中心を確かめ、子息の皇子(シェフザーデ)メフメトのためにモスクを建設するようにとスレイマン一世が望んだことで、ミマール・スィナンにより作られた。ミマール・シナンはイスタンブルの城壁内で測量を行い、イスタンブルの中心を確かめ、その場所に緑の石柱を据えた。緑の石柱は、以前は今よりも長く、元あった場所から移されたことが明かされており、路面が上昇して以前のような特徴を失った。緑の石柱は、現在では亀裂が入り、保護されずにいることが明らかになっている。

■「修復できない状態に損壊する恐れがある」

建築家のオメル・ファルク・ヤバシュチャイ氏は、石を保護する必要があると明かし、「長い間そばを行き過ぎていたが、もうここのことを伝えたいと思った。このような状態にされているのを望んでおらず、SNSを通じて共有した。この柱の前には大通りがあり、ここを通る車がぶつかりでもすれば、修復できない状態まで損壊してしまうだろう。緑の大理石の上部には傷や亀裂がある。下部は歩道として舗装されている。石が損壊するかどうかを考えずに石を敷き詰めた。[16世紀の]スレイマン一世とミマール・スィナンによってイスタンブルに残された最も重要な作品の一つである」と話した。

■「イスタンブル最大のランドマークでなくてはならないのに、ひどい状態だ」

建築家のヤバシュチャイ氏は、シェフザーデバシュ複合施設の南東の区画に配置された緑の花崗岩が、ミマール・スィナンによってイスタンブルの城壁内の地理的に重要な中心地として明示された、記念すべき地点であると述べた。同氏は「スレイマン一世は、いくつかの文献によると亡くなる事になる息子のためにモスクの建設を始めた。その最中に息子が亡くなったために、自らのために建てさせた複合施設を息子に捧げ、その場所に埋葬した。そのため、スレイマン一世は、この場所がとても特別な場所であるように望み、ミマール・スィナンにイスタンブルの中心地を定めるよう求めた。その後、ミマール・シナンが測量を始めた。側面の今緑の石柱のある場所をちょうど中心に当たると定め、石柱をそこに据えた」と話した。時が過ぎ、[17世紀の]エヴリヤ・チェレビもその場所を著書で説明したとするヤバシュチャイ氏は、「今日、イスタンブル最大のランドマークであるべきだが、現在はとてもひどい状態だ。皆が通りかかるが、誰もこの場所の重要性に気付いていない。石の一部は地面の下に埋まっている。ここを直ちに修復させなくてはならない。頑丈なガラス周囲を覆う必要がある。ここは精神的な場所であるため、人々が柱の一部を切り取って売りかねない。また、そこに文字を書いたり、傷付ける者もいる。その前には歩道の敷石があり、これを除いてより美しい状態にすることが必要だ」と話した。


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翻訳者:関口ひなた
記事ID:53960