シリア:東京外国語大学でシリア人アーティストの絵画展を開催

2022年09月17日付 その他 - SANA 紙

■造形芸術家ヒヤーム・サルマーン氏の絵画の数々...シリアと日本を結ぶ文化の架け橋

【シリア国営通信】

独自の手法による描画と色付け、そして生地選択…これらの融合こそが、日本の首都東京で現在開催中の展覧会でシリアの造形芸術家ヒヤーム・サルマーン氏の絵画を際立った存在へとならしめた主要な動因である。

2000年から、彼女いわく「経験や楽しさにもとづいた特別な体験」のなかで、布の端切れから絵画を創造・造形することに取り組んできたヒヤーム氏は、本紙に対し次のように語ってくれた。「日本で展覧会を開くというアイデアは、日本の皆さんが気に入ってくださった私の芸術作品のいくつかからショールを作った後にひらめきました」。同氏によると、そもそも日本で絵画をショールにプリントしようというアイデアは、東京外国語大学でアラビア語教育のコーディネーターを務める青山弘之教授に、「YDY」プロジェクトを通した連携を提案されたことがきっかけだったという。YDYは日本のアーティスト安田有希氏が代表をつとめるプロジェクトで、シリアおよび広く中東のアーティストたちの支援を主眼としている。

「安田さんは私の作品から、最終的に極めて美しいショールへと変わった絵画あわせて5枚のほかに、コラージュの技法で制作したいくつかの絵画を選んでくれました」。これらの絵画は、ラタキアやラアス・バスィート(シリアの海岸都市)からの夕日を描いた2枚、「青い女とカラス」と題された1枚、「シリアの春」を描いた1枚など、様々なモチーフを持っているという。

5枚目の絵は、青山教授がシリアを訪れた際に購入したものの一つで、タイトルは「夢の町」だ。ヒヤーム氏は今年5月には、大阪で開かれた中東生まれの芸術作品の展覧会にも数点の絵画によって参加した。それらの作品はその後、今月9月8日から19日まで、「エインシャント・ワールド」(中東食品・雑貨店)で開催されている現行の展覧会のために東京へと運ばれた。

ヒヤーム氏は語った。「芸術家が他の国で作品をシェアすることには、大きな意味があります。新しい鑑賞者が作品を見てくれることになりますし、こうして芸術家の名前と技法が広がり、両国の文化の架け橋が作られるからです」と語った。同氏はさらに、造形芸術の分野における日本の際立った文化について触れた。
ヒヤーム氏によると、これら作品は東京外国語大学で来月10月3日から7日にかけて行われる新たな展覧会へと運ばれるという。同展覧会は、青山教授とYDYプロジェクトによる監修のもと、シリアおよび日本の学生団体の協力を受けて行われる。

在東京シリア大使館のムハンマド・ナジーブ・イールジー臨時代理大使およびフィラース・アトラシュ領事は在日のシリア関係者らや日本人アーティストらとともに現在開催中の展覧会を訪れ、ヒヤーム氏の絵画が映し出す先駆的で際立った造形芸術を高く評価した。また両国国民間に文化的架け橋を築き、日本国民にシリアの文化や芸術を紹介するうえで、今回のような試みは重要であると強調した。

ヒヤーム・サルマーン:芸術家。ラタキア市の芸術団体「アルスム・フルミー(私は夢を描く)」の創立メンバーで、現在同団体の理事長を務める。


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翻訳者:吉岡珠実
記事ID:54133