プーチン提案の意味は?ートルコを天然ガス供給拠点に

2022年10月14日付 Milliyet 紙

ロシアのプーチン大統領は、ヨーロッパへの調達のためにトルコに大きな天然ガス拠点を建設しうると発言した。さてこのプーチン大統領の新たな発言はどのような意味を持つのか?この状況からトルコはどのような利益を手にできるのか?詳しく見てみよう…。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領からトルコに関する重要な発表があった。
ヨーロッパの天然ガス危機に言及したプーチン大統領は、解決策としてトルコを指摘した。ノルドストリームのガスを黒海へ向けると語ったプーチン大統領は、「トルコにヨーロッパ向けの巨大な天然ガス供給拠点を建設しうる」と発表した。さてプーチン大統領のこの新たな発表はどのような意味を持つのか?この状況からトルコはどのような利益を手にできるのか?詳しく見てみよう…。

独立産業家・事業家協会(MÜSİAD)エネルギー環境部門アルトゥ・カラタシュ委員長は、この件に関し本紙に語った中で次のように話した。「天然ガスの価格は200ドルから3000ドルに近づいた、と我々は言っている。オランダの天然ガス仮想取引所を株式市場のように利用し、そこでの価格を公表しているのである。これは、ヨーロッパの天然ガス供給拠点がトルコに移るという我々のシナリオを、プーチン大統領が直に説明しているのである。

ノルドストリーム1のパイプラインは現在閉鎖中である。1年間ガスを供給できないとのことである。ノルドストリーム2に対しては妨害が行われた。以前にはアメリカ合衆国が閉鎖を望んでいた。全く使われることのなかった数十億ドル相当の投資に対し妨害が行われた。ノルドストリーム1と2は閉鎖しているため、天然ガスの供給はトルコストリームのみになっている。

■「ロシアはトルコを信頼できる国だと述べた」

ロシアは、『ノルドストリーム1、ノルドストリーム2、ヤマル・パイプラインを始めとするすべての天然ガス・パイプラインの代替として、トルコを拠点とするパイプラインを提案する。』と言っている。この発表は、ヨーロッパとロシアの間でトルコのことを仲介役かつ信頼できる国と言っているのであり、エネルギーにおいて生産、消費の両方にとって信頼しうる場所を指している。これがトルコである。

■「トルコへエネルギー回廊が作られている」

プーチン大統領は、必要なすべてのことを行うとするが、決めるのはヨーロッパの側である、と言っている。どういう意味か?ルーブルで取引される。私たちの条件をEUは呑む。この状況で自分達はガスを供給できる、と言っている。EUの政治指導者たちはロシアの要求を決して呑まない方向だ。EUはこれほど厳しい発表をしておいて、後戻りすることはないだろう。プーチン大統領も後戻りしないとしたら、まさに穀物回廊のときのようにトルコにエネルギー回廊が作られる状況となろう。トルコは仲介役とエネルギー回廊の役割に巻き込まれている。ここではエルドアン大統領が請け負う役割は大きい。

■「株式市場の価格決定はトルコを通じて」

物理的な意味でこの拠点がトルコに作られることの意味は、アメリカ合衆国が望まないノルドストリーム2、ロシアが閉鎖したノルドストリーム1、ウクライナを通るパイプラインが閉鎖していることと相まって、実は新たなトルコストリーム2が提案されているのである。この結果は以下のようになる。問題が単にトルコが仲介役となること以外に、もはやヨーロッパと当該地域の天然ガスに関する株式市場の価格の決定がトルコを通じて行われるという未来が開けているということだ。

■「ロシアは候補を発表した」

オランダで発表された価格ではなく、将来実現するならば、トルコで発表される価格によりこの取引が成立するかもしれないという扉が開かれる。つまり、トルコは、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの間で新たなエネルギーの架け橋、信頼できるエネルギー回廊になりつつある。このため、ヨーロッパの最も重要なガス供給者であるロシアは、候補がトルコであると発表したのである。

■ガスはトルコに現在使用中のパイプラインを通ってくるのか?

そこでガスの供給量の上昇という状況が予想される。この間ブルガリアを通ってトルコに来るウェストストリームがある。そこからトルコにガスが来ている。そのパイプラインあるし、トルコストリームもある。さらにはブルーストリームもある。トルコとロシアはこの作業を進めている。既存のパイプラインを通じて供給量をどれほど増やしうるのかにつき、発表が行われる。

■新たなパイプラインのニュース!

ヨーロッパは1550億㎥のガスを輸入している。少なくとも1000億㎥以上が必要だ。既存のパイプラインはこれを賄えない。トルコストリームとともに黒海をこのことのために使用すべきことに関して、北海でのこの妨害の後に、プーチン大統領は「ヨーロッパが必要とするガスを黒海から通そう」と言っている。これは新たなパイプラインのニュースだ。

ロシアは現在代替案として黒海経由のパイプラインが供給可能な付加的な量を指摘している。新たな拠点として黒海を使おうと言っている。

■「世界の新たなエネルギーの海は黒海となるだろう」

エネルギー市場運営株式会社(EPİAŞ)は下準備をしている。これほど大量のガスがトルコを通過する場合、取引上の意味でトルコが天然ガス取引をEPİAŞを通じて転換しうることになり得る。世界のエネルギー問題で新たに注目を集める海として黒海を使いうる。

■ガスプロムの拠点がEU―トルコの境界に建設されると語った。これをどのように理解するか?

EU―トルコの境界[発言]で意図されているのは、トルコの領土内にあるが、あくまで境界としてトルコからEUを通るパイプラインのことを指している。ロシアは『我々からガスを得たくはないだろう。我々はあなた方へ第三国を提案している。ガスをトルコから得ろ。我々は取引の上でトルコと合意する』と述べている。こうしてヨーロッパは、あれほどの厳しい発表にも関わらず、ロシアとは対談せずトルコと対談することになろう。取引はトルコを介して実現することになろう。

■トルコが天然ガス供給拠点となった場合、これは経済にどのように影響するのか?

トルコを通る天然ガスパイプラインから数十億ドルを入手している。しかし自由市場で天然ガス取引をトルコが行うとなれば、取引からも追加の収入が得られる。こうした取引の株式市場を作ることは、世界のエネルギー市場であなた方を演者にすることになる。

トルコが自国領、自らの取引を通じてエネルギー連結を確保すればするほど、国としての信用度もそれだけ上がる。信頼できるエネルギーで信頼できる国としてのトルコの地位をもはや確保したことになる。」


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翻訳者:大屋千寛
記事ID:54247