エジプト:食料価格高騰に苦しむ人々と政府の対応

2022年10月13日付 al-Quds al-Arabi 紙

■エジプト人の食料に新たな値上げの波

【カイロ:本紙】

エジプトの食料品価格の大半に及ぶ値上げの波を受けて国会議員らが動き出し、この度重なる値上げによる市民への影響について警告を発した。一方、政府の関心事は再びコロナ流行とロシア・ウクライナ戦争という2つの危機になっているが、野党は政府が特に対外債務政策のような危機を増大させる経済政策を採用していると非難している。

エジプトはIMFから新たな借り入れを行うことに躍起になっているが、IMFはエジプト・ポンドの対米ドル通貨切り下げを(融資の)条件としている。

米ドルはエジプト・ポンドに対して驚異的な値上がりを見せている。中央銀行の最新情報では、今日(13日)1ドル約19.69エジプト・ポンドとなり、2016年11月に「エジプト・ポンド変動相場制化」による為替自由化の決定後、同年12月に記録した1ドル19.51エジプト・ポンドという歴史的な水準を突破した。

≪封じ込めの要求≫
計画予算委員会の委員でエジプト社会民主党所属の国会議員であるサミーラ・ガザール氏は、ムスタファー・マドブーリー首相、ハーラ・サイード計画相、ムハンマド・マアイト財務相、アフマド・サミール貿易産業相、アリー・ムスィールヒー供給・商業相全員に向けて、多くの国民が物価の高さに苦しんでいること、市民の収入では生活必需品の支払いに事欠くことについて、ブリーフィングを行う要求を提出した。

≪中間層の減少≫
ガザール議員は以下のように語った。「政府の経済政策やIMFの勧告は国民を貧しくし、中間層にダメージを与えた。そのせいで中間層が減少し、社会が(富裕層と貧困層の)2層だけになってしまうほどに中間層が没落したのだ。一方は収入が高く過剰な蓄財をし、市場の需要規模を広げる大きな購買力がある。そして、それが商品価格の上昇へとつながり、中間層や低所得者層に負の影響を与えている。もう一方は、生活苦にあえぐ貧困層で、国民の大部分がこちら側だ。自由市場政策は市民に豊かさをもたらさず、中間層を破壊したのだ。彼らは、もはや生活コストを自ら賄うことができない。政府は国民の苦しみに終止符を打つべく早急に介入するべきだ。」

(後略)


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翻訳者:国際メディア情報センター
記事ID:54261