なぜロシア-ウクライナ戦争は終わらないのか? 最も重要な戦争終結の障害 これが野蛮な西洋だ! 莫大な利益を上げる者たちの存在 小型で安価な爆弾を供与か?(1)

2022年11月30日付 Hamshahri 紙

 政治的指導者の誤算、イデオロギー対立、軍需企業の莫大な利益がウクライナでの停戦の大きな障害となっている。

【ハムシャフリー電子版】米国国防総省は、ウクライナに供与するため米国製M-26ロケットに容易に搭載可能な小型で安価な爆弾を生産し供給するとのボーイング社の提案を検討していると発表した。注目に値する点は、このロケットの射程距離が150㎞であることにより、ウクライナがロシア戦線後方の標的やこの国(ロシア)の領土さえも攻撃できるということだ。

 ロイター通信は情報筋を引用して、「ボーイング社のGLSDB爆弾はおそらく2023年早春にはウクライナに供与されるだろう」と記している。ウクライナ戦争の開始から9か月以上が経過したが、ロシア領土を標的に設定するだけの能力をウクライナに与えることのできる新兵器の供給を鑑みれば、戦争の激化が見込まれることは間違いなく、現在のところ終戦は疎か停戦の情報さえない。それにしても何がこの戦争を長期化させる要因となっているのだろうか?


誤算

 過去200年の間、世界の軍事紛争の多くは、終戦までに平均2か月から3か月かかっている。しかし専門家らによれば、戦争は3つの戦略的理由によって長期化する。それは政治的指導者が、戦争での敗北により自らの政治家としての存続が脅かされると考えている場合、指導者が自国と敵の力を正しく評価していない場合、そして今日の敵が将来的にこれまでよりも強力になることを指導者が懸念している場合である。『フォーリン・アフェアーズ』誌は次のように記している。「ウクライナ戦争では多かれ少なかれこれら全てのケースが見られている。例えば、もしプーチンがロシア戦争での敗北によって自身のロシアでの支配が終わる可能性があると考えているなら、ロシア国民にもたらされる結果がどうであれ、プーチンはウクライナでの戦争を継続するだろう。」
戦争長期化のもう一つの要因は、不確定性である。

 通常、戦争から数か月経つと、双方の当事者は自国と相手国の軍事力について比較的現実的な評価を行い、それに基づき調停の有無にかかわらず戦争終結のための合意に達するよう努めるが、ウクライナ戦争を含む一部のケースではそのような動きがない。ウクライナ軍は予想を上回り、西側の支援を受けてロシア軍に抵抗している。一方で、ウクライナ軍がロシア軍を自国領土から撤退させられるかは定かではない。もう一つのポイントは、寒い冬の到来によって、最近厳しい経済危機とエネルギー危機に直面しているヨーロッパ諸国がキーウ(キエフ)への支援継続の意欲を失う可能性があることだ。

 一方、ロシアのウラディーミル・プーチン大統領が発表し、国内での抗議をもたらした総動員令[2022年9月21日にプーチン大統領は《部分動員令》を発動した]を含むウクライナ戦争のロシアへの国内的影響も、この先数か月で明らかになるだろう。現状でのこの不明確さが、和平交渉に向けて双方が消極的であることの主な要因となっている。これらとは別に、ウクライナ戦争にはいくらかイデオロギーに由来する面もある。西側のロシア政治評論家らによれば、プーチンはウクライナ人のアイデンティティとウクライナ政府を信用していない。

−(2)に続く−


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翻訳者:OK
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