イマームオール裁判についての解説

2022年12月15日付 Cumhuriyet 紙

ムラト・イェトキンの主張:『ヤヴァシュに対しても告訴がなされる可能性』
ジャーナリストのムラト・イェトキンは、エクレム・イマームオール(イスタンブル市長)に下された法廷による2年7か月の懲役刑と公民権剥奪決定に続いて、秘密裏にマンスル・ヤヴァシュ(アンカラ市長)に対しても告訴が行われることが検討されていると述べた。


エクレム・イマームオール・イスタンブル市長に対して、高等選挙委員会委員長と委員を侮辱したという主張によって告訴された『まぬけ』訴訟で、2年7か月の懲役刑と公民権剥奪が決定された。
ジャーナリストのムラト・イェトキンは、最新の記事で秘密裏に検討された今後起こりうるシナリオについて触れた。
イェトキンは、「下された刑のために野党がイマームオールを中心に結束して、(大統領選)候補者の針が政治的にイマームオールへと振れたとみられる一方で、法的な状況のため他のシナリオの検討の必要性も生じさせた」と説明した。
イェトキンによる『野党勢力はイマームオールへの判決で結束。陰謀は破綻の可能性』という見出しの記事にある関連部分は以下の通りである。
「これら複数のシナリオの中に、少し前に言及したソイル内務相が一連の審理を待たずにイマームオールを解任するか、ボズダー法務相が一連の審理を急がせることが上がっている。別のシナリオは、エルドアンが(大統領)選挙を前倒しする日程と、またこのために野党の六党連合の立候補者公表の日程も、このように早められた裁判の進捗と関連づけられて進められるというものである。
 イマームオールに対して公民権剥奪の可能性を生むこの評決は、別の面では野党の六党連合に前もって立候補者を公表させることを強いる一手として機能する。
 実際アンカラでは、野党六党連合がイマームオールを候補者に選定し、選挙の最初の投票では大統領が選出されず、(イマームオール公民権剥奪の)最高裁判所の判決も「たまたま」ちょうど(最初の投票と決戦投票の)間の15日間で下されることで、エルドアンが選挙に勝利したとされてしまうとも議論されている。
 また、昨夜からこのほかに、マンスール・ヤヴァシュ・アンカラ市長に対しても、でっち上げの告訴によって類似した訴訟が開かれる可能性もささやかれている。

■『クルチダルオールの立候補の可能性を高める』

 こうしてみると、エルドアンが彼自身を苦しめるであろうイマームオールの立候補の前途を判決によって断ち、エルドアンが選挙の相手としてクルチダルオールを望んでいるとする解釈が妥当性を増している。
 それゆえ裁判所がイマームオールに対して下した判決が、政治的なものではないとしても、法的側面からはクルチダルオールの立候補の可能性を高めている。
 一方で、クルチダルオールに対しては、野党六党連合内部から批判が高まっている。その理由の筆頭には『スカーフ法』の提案をするエルドアンが、問題を憲法改正につなげてしまうことへの道筋をつけてしまったことがある。
 しかしかつてのスレイマン・デミレルの述べたように『正当な場での対処法は無限』なのである。今、閉ざされていると思われる扉もしまいには開かれることをご覧になるだろう。政治は空白を好まず、時に全く思いもよらない人物か、熱意を見せていなかったような人物を登場させてしまう。まさにかつてエルドアンを登場させたように。
 野党六党連合によって12月26日に行われる予定の会議の後にくる、サプライズに備えておく必要がある。」


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翻訳者:堀越 万桜
記事ID:54642