トルコ外相、スウェーデン外相へ「可能性のないことを望んではいない」

2022年12月23日付 Milliyet 紙

トルコを訪問しているスウェーデンのトビアス・ビルストロム外務大臣と共同記者会見を行ったメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は「我々は不可能なことを望んでおらず、貴国からのテロとの戦いへの支援を望んでいる」と述べた。

NATO加盟に関してトルコの賛同を求めているフィンランド・スウェーデンがトルコ政府との接触を続けている。この一環としてトルコを訪問しているスウェーデンのトビアス・ビルストロム外務大臣はチャヴシュオール外務大臣の歓迎を受けた。チャヴシュオール・ビルストロム両外相は、昨日の会談の後共同記者会見を実施した。

チャヴシュオール外務大臣はスウェーデンからトルコへの頻繁な訪問に触れ「先月のスウェーデン首相によるトルコ訪問は大変有効で、大統領との間で率直な話し合いがなされた。1月に予定されているスウェーデンの国会議員によるトルコ訪問について喜ばしく思っている。スウェーデンの国防大臣も1月に我が国を訪問する予定だ。スウェーデンの法務大臣を我が国に迎えることに満足している」と述べた。チャヴシュオール外務大臣は、スウェーデン・フィンランドのNATO加盟申請に触れ、次のように述べた。

「あの日から今に至るまで、両国ともにいくつかの進捗があった。我々はその進捗について率直に話し、受け入れ、それについて満足している。スウェーデンの進捗について承知している。彼らは憲法を改正している。防衛産業で製品に課せられている制限を撤廃するという通達はとても望ましいものだ。スウェーデン外相が、特にテロ組織であるPYD/YPG(民主統一党/クルド人民防衛隊)と距離を取った発言をしたのは重要なことだ。また、PKK(クルド労働者党)と繋がりのある人物に国外退去処分を下した。これらは正しい方向への歩みだ。しかし、特にテロ組織と繋がりのある犯罪者の引き渡しやテロ行為の根絶など、いくつかの問題については具体的な進捗はない。我々のリストに載っていない人物の引き渡しは歓迎していると述べた。今週、FETO(フェトフッラー系テロ組織)メンバーの引き渡しがスウェーデンの最高裁判所により拒否された。これは望ましくない進捗だ。テロ組織と繋がりがある個人の国外追放に関する追加の進捗が、我々の最も自然な望みだ。スウェーデン・フィンランドに対して、条約により発生する義務がある」

■「支援は罪になる」

チャヴシュオール外務大臣は、スウェーデンに対するトルコの要求についても言及し「結局のところ、我々は不可能なことを望んでおらず、貴国からのテロとの戦いへの支援を望んでいる。貴国との関係は戦略的協働のレベルにあり、貴国が同盟締結を望んでいる国々の安全保障における懸念をご理解いただきたい。進められるべき重要な進捗がある。トルコ国民と議会の説得が必要だ。この方向の進捗については、トルコとしてあらゆる支援を行う」と述べた。

スウェーデンのビルストロム外務大臣は、真剣に検討するとしたうえで次のように述べた。「3カ国による条約が調印されてから今に至るまで、スウェーデンでは特に軍事面での協働の強化に関する進捗があった。PKKはおそらくスウェーデンにとっての大きな脅威にはならないが、トルコにとっては間違いなく脅威だ。我々はこのことをとても真剣に受け止めている。物事を個別にではなく、総合的に見る必要がある。1月1日に施行される新法の整備と、現在スウェーデン議会で審議されている他の法律の整備の後、憲法改正が行われる。テロに関するプロパガンダが違法となる。これはとても幅広い枠組みを内包する。後者の法整備では、テロの支援や扇動が違法となる。スウェーデン領内でPKKの活動を支援することは犯罪となる。テロ組織の支援やこれに関するプロパガンダ行為・その支援の試みは違法となる」

■チャヴシュオール外相、ブリンケン国務長官と面談

メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官との間で昨日電話会談を実施した。穀物協定の履行などウクライナに関する最新動向、NATOの拡大、F-16戦闘機の供給にかかる期間、ならびに直近の訪問のスケジュールなどについて話し合った。会談では最新のシリア情勢も話題となり、チャヴシュオール外務大臣はテロとの戦いを決意を持って続けることを強調した。


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翻訳者:神谷亮平
記事ID:54718