Zafer Şahinコラム「クルチダルオールか、イマムオールか?」

2022年12月28日付 Milliyet 紙
[共和人民党党首の]ケマル・クルチダルオール氏が大統領選に出馬するための眼前の最大の敵は、[善良党党首の]メラル・アクシェネル氏だろうか?

それとも、[イスタンブル市長]エクレム・イマムオール氏と[アンカラ市長]マンスル・ヤヴァシュ氏だろうか?はたまた、一向にクルチダルオール氏には好意的な視線を向けない、共和人民党派のメディアであろうか。実は、今列挙したどれでもない。

クルチダルオール党首にとっての最大の障壁は、党内で「アンカラではケマル派、イスタンブルではエクレム派」と言われる、一連の政治家たちである。

[共和人民党党本部のある]アンカラでは報道機関に対して厳粛な表情で「全ての共和人民党支持者の候補は、もちろん党首である。もちろん、私もだ。」と言いイスタンブルで一息ついている。

彼らはイスタンブルをこよなく愛している。誰かが「我らがエクレム氏」と言えば目を輝かす。[イマムオール市長がかつて区長を務めたイスタンブル市の]ベイリクドゥズ区で先週開かれたイマムオール市長の支持集会では、党の重要人物が2人も応援に駆けつけたほどだ!

彼らはテレビ番組に出演すれば、コマーシャルの時間になるとライバルのクルチダルオール党首を批判し、イマムオール市長を称賛してやまない一方、それがアンカラに伝わると今度は弁明に奔走する。

イスタンブル市から毎月何百万リラもの入札案件を獲得する者も多い。

イスタンブルは多くの機会に恵まれ、[多大な利益が]約束されているため、多くの人物を惑わせている。政界の舞台裏で、誰もが問いかけている疑問をさらに続けよう。

イマムオール市長の新たな住宅を作った建設会社の議員は誰なのか。またその人物がイスタンブル市水道局(İski)からも仕事を受注したというのは本当であろうか?では、甥たちに作らせた会社の名義でイスタンブル市の入札を受注した党幹部は?

「アンカラではケマル派、イスタンブールではエクレム派」というのはつまり彼らのことである。ああ、それにクルチダルオール党首に一番近いように見えて、何ヶ月も実はイマムオール市長と歩みを共にしている者たちもいる。

クルチダルオール党首は何年も与党に対して、また「[与党公正発展党の]友のメディア」と批判する新聞記者たちに批判の手を緩めていない。共和人民党を、さらに最近では、6党から構成される野党連合を混乱させ、崩壊させようとしていると批判している。

しかし、クルチダルオール氏はリンゴの虫が内部にいることを忘れているようだ。 今大統領候補になるための最大のライバルは、与党でも、敵と公言しているメディア組織でもない。味方であるように見せかけて、足元を掘り崩している者たちである。また、共和人民党の支援を得て生きながらえている一部のテレビ局である。

[善良党の]アクシェネル氏を、大統領選に出馬しないよう説得できよう。しかし、獅子身中の虫たちと戦うのは難しい。クルチダルオール党首は彼らに勝って、大統領候補になることはできるのだろうか。

■国会議員になりたがる地方首長

共和人民党内で市長1名、区長5名の計6名が、国会議員になりたいと、党本部に支援の依頼を送った!

しかしこの依頼はクルチダルオール党首によって瞬時に拒否された。クルチダルオール党首は「現職の辞職願を出す者は許さない」と言ったとされる。

共和人民党だけでなく、[現与党]公正発展党も、一部の首長たちが来期は国会に籍をおきたいと考えている。政治は来年、興味深く、彩り鮮やかな展開が見られるであろう。必ずやそうなるので、これはぜひ頭の片隅に置いておいていただきたい。

■カドゥキョイ区からの釈明

共和人民党が市政を握るカドゥキョイ区の職員昇進試験で、高得点を獲得した職員ではなく、便宜を受けた職員が役職に出世した件について、過去にこのコラムで触れたことがある。コラムが発表された日、カドゥキョイ区長シェルディル・ダラ・オダバシュ氏から電話があった。役職に任じられた6名は、能力を基に採用されたと話すオダバシュ区長の釈明の概要は以下の通りである。

「試験で58点を獲得した2名の点数が60点に引き上げられて、足切り基準を超えさせたという主張は真実ではない。試験を実施したアナトリア大学はある設問を抗議を受けて除外した。これの相殺処置として全受験者に追加点が加点されている。告発を受けた2名の受験生も、こうして足切りラインを超えることができたのだ。」

「また、面接試験を通過し役職に昇進となった人物のうちの1人が配偶者が共和人民党の副党首であることは事実である。しかし、この人物は、配偶者故ではなく、優秀な職員であったためこの権利を得たのである。試験は2段階で実施されており、筆記試験の結果だけでは採用に至らない。面接で問われる設問に正しく回答した人物たちが試験を通ったのだ。面接試験は、国家公務員の採用試験と同じ基準で実施されている。政府がこのやり方を廃止するなら、我が区でも筆記だけで採用を決めるのだが・・・。」

オダバシュ氏の説明は以上の通りである。どう考えられます。


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翻訳者:章由実
記事ID:54737